第二話
イザベラの過去とセドリックの覚悟
2人の婚約後の生活はどうなるのか___________
東のノクス・サンクタの王モルディン・ノクスが私の父である。
私は幼少期を訳あって男爵家で過ごし、5歳の頃王宮に連れ戻された。男爵家にいた頃の記憶はない。王宮では家族からの虐待や教育係からの厳しいレッスン、無表情なメイドたちによる世話によって私の心はすり減っていった。
家族の外面は良く、私は家族に愛されて育った温室育ちのお姫様と城をよく知らない者たちは思っているだろう。
しかし、現実は、
家族の意向に添えない言動には家族からの暴力が待っていた。殴られないようにと、いつも笑顔で家族の機嫌を伺う毎日であった。
私が前世について思い出したのは、15歳の冬、いつもより遅く夕食に出たからと、その理由が護衛の男性と話していたからだと兄にばれて、殴られた時であった。その衝撃から前世について断片的ではあるが思い出したのだ。そして気づいた、ここが前世で見た劇の世界で私が主人公のお姫様であると。
私は、1ヶ月後、この地獄のような環境から抜け出し、敵国という新しい地獄へと足を踏み入れる。
俺はアルビリオン国のヴァレンシュタイン公爵家に生まれたセドリック・ヴァレンシュタインである。
俺には姉スターシャと妹スカーレットがいる。
敵国ノクス・サンクタとの友好を深めようと国同士が勝手に公爵家と敵国の王族との婚約を推し進めてきた。
大事な家族を敵国に送るわけにはいかないと、公爵家は判断して、敵国の姫と公子である俺が婚約することになった。
独裁国家で残虐なサンクタ国の姫など残虐であるに決まっている。
絶対に俺は愛することはないだろう。
ご精読ありがとうございました。




