9話 アスクレーとの1日
今回からチャットgbtに力を借ります
あまり使わないようにはしますので苦手な方も見てくれると助かります
ヌイアが口を開くとアスクレーはフィオを撫でる手を止める
「なんですの?」
「単刀直入に言うわよ、貴方には私達の旅に着いてきてほしいの」
「わたくしは無理ですよ、診療所を置いておくわけにはいけませんし」
「そう、それは残念ね」
アスクレーは思い付いたように突然言葉を出す
「今から皆さんにメロウのおすすめスポットを案内しますわ、フィオ君と居たいですし」
アスクレーはフィオの手を取り歩き出す
「ちょっと……貴方ね」
ヌイアは渋々着いていく
「今からどこに行くんですか?」
フィオは手を繋いだまま言う
「お姉さんと一緒にご飯食べてこのメロウの綺麗なところを案内してあげますわ」
アスクレーは捕食者のような目でフィオを見る
どこから見てもフィオを狙ってるのが丸わかりだ
アスクレーはおしゃれなレストランにフィオ達を連れていく、いかにも高級そうなイタリアンと言う印象だ
「ちょっとアスクレー?私達お金そんなにないわよ」
ヌイアは軽い財布を見せながら言う
「わたくしが代金をだしますわ、安心してください」
店内に入ると天井にはシャンデリアが吊るされ、柔らかな間接照明がテーブルを温かく照らしていた。白いテーブルクロスに、銀のカトラリーとクリスタルのグラスが整然と並び、すでに出されたパンの香ばしい匂いが三人を包む。
「おしゃれですね」
フィオは店内を見回す、綺麗な料理や机の管理が行き届いており、料理の方の味も期待できそうだ
料理が届く、そこには綺麗に飾られた料理やコーンなどのスープ、バターがおしゃれに塗られたパンなどが机に次々置かれていく
「フィオ君、ヌイア、好きなだけ食べてくださいね」
(整ったお顔立ちに、細い手首……ふふ、男の子と伺わなければ、間違えてしまうのも無理はございませんわ、ああもう、紅茶にクッキーを添えて差し出したい……膝に乗せて頭を撫でてあげたら、どんなお顔をなさるのかしら、そう――この子には、誰かがそっと抱きしめてあげなくては……)
アスクレー無意識の内にフィオを見つめる
その事にヌイアが気がつき釘を刺す
「アスクレー、変なことはしないでね、この子は私の弟子なの」
「こんな可愛い子と一緒にいますの?羨ましいですわ、ぜひ今度からも連れてきてくれませんこと?」
ヌイアはその言葉に少し悩む
「…まぁいいわよ、その代わり変なことはしないでね」
「ところでお二人はどのようにして出会ったんですの?」
「フィオは酒場で会ってね、その後たまたまダンジョン攻略の依頼で会ったのよ、フィオは急に弟子入り申し込んで来たからびっくりしたわ、それからはフィオは私のお手伝いさんだからね……それで……」
アスクレーはその言葉を聞くと固まる
「フィオ君が……お手伝い?」
(いやまさかそんなわけ……一緒に…屋根のしたで!?ヌイアがフィオ君を抱き枕にして……それで一緒にお風呂……あーんまで!?)
アスクレーは妄想に集中しており、ヌイアの言葉が聞こえていない
アスクレーは鼻からうっすら紅いものを垂らす
(ヌイア様が寝癖のついたフィオ様の髪を梳いて差し上げて……
なんということでしょう、寝ぼけ眼で見上げるフィオ様のお顔の可愛らしさ!
そのお顔を、毎朝見られるヌイア様、あなたはどれほどの徳を積まれたのですか!?
ああ、わたくしの人生、朝から敗北感でいっぱいですわ……!)
「ちょっと……大丈夫?アスクレー?」
アスクレーの顔は嫉妬と羨ましさで埋め尽くされる