32話 恐怖さえ超えて
町が壊れていく、王、ウラヌスの攻撃により町は壊れていく
「逃げるのではない、私の邪魔になる者は要らぬ」
ヌイアは追い詰められる
ヌイアに向かい攻撃が飛んでくる……が
ヒュン
と言う音と共に攻撃が消える
目の前にあるのは黒く回りの物を吸い込む物体だった
それを見るとウラヌスは少し驚いた様子で近寄る
「レイアのレングスがお前に宿ったか、その力は実に興味深い、私の元に帰ってこい」
ウラヌスは部下に命令してヌイアを拘束させ、城につれていく
壁はひび割れ、冷たい水滴が天井からぽたりぽたりと落ちる。鉄格子は錆びつき、指で触れればざらりと皮膚が剥がれそうだ。湿った石床には苔が張りつき、足音が響くたびに、遠くでねずみが走り去る音がかすかに聞こえる。外の光は届かず、わずかな松明の火だけが、赤黒く揺れている。
ヌイアは牢屋に入れられていた
王……愚かな父に命令され能力を見せるよう言われるが見せなかった結果である
(……力がでない……使えるのは一発だけ……チャンスは少し)
ヌイアが試した能力の特性
時を操れる能力には副作用があった
回りの感情が流れ込んでくると言うものだ、ブラックホールの武器などは副作用はないが
時を操り時を止める、加速や減速、戻す事には感情が流れ込んでくると言うリスク、それに最大100秒と言う制約があった
(ここは地下……天井をブラックホールで消して……時を止めて脱出する)
ヌイアはシミの着いた二段ベッドの上にのり
「全時覇王」
天井にブラックホールが発生し、天井を消していく
脆かったのかどんどん天井が崩壊していき、城の警備をしている者達が騒ぎ出す
「時さえ超えて!!時よ止まれ!!」
ヌイアは廊下を走り出す、元は住んでいた城の為どこに何があるかなどはわかっていたのが幸いだ
ヌイアは外に抜け出すと時を再び進める
鳥の声や草木の揺れる音はヌイアが外に出たことを証明していた
「これで……私は自分に」
「本当に悲しい過去だよね、僕辛かったもん見てるの」
「……私は」
オネイスはヌイアの言葉に耳を傾ける
「フィオは…私の弟子よ……必ず守らないと……いけないの」
ヌイアは震えた足で立とうとするが立てない
「産まれたての子鹿見たいになってるよ?お姉ちゃん」
ヌイアは立つ、オネイスは足の震えが無いことに気がつく
「この力は……誰かを救うための力……守るための力……守れるなら…怖くても…それが恐怖でも…私は向き合う……私の過去に…能力に」
ヌイアがそう言うと空間は崩れる
「へぇ、僕の夢を出たのはフィオとお姉ちゃんでたった二人だよ」
「当たり前でしょう?……フィオは私の……弟子だもの」
ヌイアは挑発するように笑みを浮かべる