23話 お気に入り
薄暗く何もない部屋、塵のような物だけがある牢屋、牢屋はいつでも出れる状態だ
牢屋の中には誰かがいた
そこに足音が聞こえる
髪は黄色く、身長は140ほどの女性だった
「久しぶり、いいお知らせを二つ持ってきたよ」
その女性の正体はオネイスだった
「ほう?なんだ?」
男が牢屋の奥から近寄る
その男は老人のような見た目だ
「ちょ、近いよ、もう少し離れてよ、怖いから」
オネイスは離れる事を体を使って表す
「すまないな、それで?話はなんだ?」
「まず1つはセイドが死んだこと」
オネイスは笑いながら言う
「アイツの事だ、舐めてかかって死んだんだろう、自業自得だ」
男は呆れている
「アイツ性格悪かったからね、それでもう1つのいいお知らせ」
塵が二人の間を舞う、不気味な静寂の中で聞こえる音は風だけだ
「面白いのが現れたんだ、名前は……たしかフィオ?だったかな」
「その男がどうしたと言うのだ」
男はオネイスに問いかける
「お兄さん、あ、フィオのことね、お兄さん、僕の夢を破ってセイドを倒したんだ」
男はその言葉に少し驚く
「オネイス、お前の夢は厄介で逃げれるものはいないと思ってたが……」
「僕お兄さん気にいったよ、絶対に手に入れたいと思ったから殺さないで捕まえてね?」
「我と戦う時点で死なないと言うのは無理なことだ」
「それもそうだね、じゃあね、"タナトス"」