21話 レストランへ行こう
「そうだ、皆でなにか食べに行こうよ」
フィオはこの状況から逃れるためにご飯に誘う
「良いわね、行きましょう」
ヌイアはフィオの手を取り歩きだす
「ちょっと……待ってくれますこと?」
アスクレーはフィオ達に走って追い付く
フィオ達は町を歩きながらレストランを探す
少し町から離れた所にレストランがあった
「レストランアントスってよ、ここにする?」
フィオは疲れた様子で言う
「そうですわね、歩きすぎて疲れましたわ」
フィオ達は店内に入る
店内は柔らかな光に包まれていた。木の梁と白い壁、天井から吊るされた無数のリース、
そしてテーブルにはそれぞれ一輪の花と、小さな花言葉の札が添えられている。
三人は窓際の席に案内される。風が通り、オルゴールのような花が微かに音を奏でた。
「なかなかオシャレなのね」
ヌイアは店内を見ながら席に座る
「美味しそうなプリンがありますわよ?」
アスクレーはメニューを指差す
そこにはさまざまなフルーツやクリームが乗った色とりどりなプリンがあった
料理が届くと大量のゼリーやプリンが届く
「はい、あーん、ですわ♪」
アスクレーはフィオにプリンを食べさせようとする
「別にいい……ん」
アスクレーは口が開いた瞬間にプリンを口にいれる
「美味しい?」
アスクレーは幸せそうにしている
「美味しいけど無理矢理すぎだよ」
(なにしてるの、アスクレー。甘やかしすぎじゃない?)
「フィオ?そのプリン、甘さがちょっと強いんじゃないかしら。コーヒーゼリーを食べてみて」
私は自分が食べていたコーヒーゼリーを一口サイズにしてフィオの口に運ぶ
「……はい、あーん」
「だから一人で食べれますって……」
「ダメよ、師匠命令よ」
ヌイアは優しく微笑む
フィオはコーヒーゼリーを口にいれる
「よくできました。流石は私の弟子ね」
そう告げると、アスクレーの方から、うっとりした声が聞こえてきた。
「まあヌイア、もしかして嫉妬?」
「嫉妬じゃないわ。ちょっと気に入らなかっただけ」
私は椅子に戻りながらそう答えた。心臓の鼓動が、なぜかさっきより速くなっているのを感じながら。