2話 新たな依頼、2度目の出会い
前回のあらすじ
酒場でヌイアと出会った後、フィオは魔物退治の依頼を行う、太陽が沈む中、フィオは酒場に向かう
空はもう暗くなり、月が真上に登りきっている
酒場に戻る前にフィオはいつものように次の依頼を探しに行く
魔物退治や盗賊などの簡単で安い依頼が並んでいる中フィオの目に入った依頼の内容にフィオは目を奪われる
「ダンジョン攻略……10万ゴールド……」
ダンジョン攻略と言う珍しい依頼と10万ゴールドと言う大金にフィオは依頼を受けることを即決した
「この時間にここに行けば良いのか」
フィオは集合場所に向かい歩き出す
その道中魔物からの攻撃を受けるが難なく進み、集合場所に着くと人が何人かいる
パッと見は強そうな剣士などもいるが、ほとんどは戦闘をしたことすらなさそうな青年などが大半だ
おそらく10万ゴールドと言う大金に釣られたのだろう
「本当に大丈夫なのか?」
フィオは不安だが、強い人が来ることを待つ
そこに現れたのは見たことがある人だった
フィオはその人物に近寄る
「昨日ぶりだね、ヌイア」
ヌイアはフィオに気がつくとフィオの方を向く
「おはよう、貴方もダンジョン攻略の依頼に?」
「自分も依頼を受けたけどメンバーが不安だね、パッと見て戦闘ができそうなのは4から6人ぐらいかな」
ヌイアは周りを見渡す
「確かにそうね、お金に釣られて来たんでしょうね」
「貴方はお気に入りだから一つ良いことを教えてあげる」
「良いこと?何?」
ヌイアは人に聞かれないようにフィオを遠くに連れていく
ヌイアはすこし真剣な顔になる
「まず一つ、この事は絶対人に言わないって約束できる?」
「出来ますけどどうしてですか?」
「どうしてかは言えないけど、出るならいいわ」
「このダンジョン、おかしいと思わない?異様に報酬のゴールドが高いこと、それには一つ理由があってね、このダンジョンにはレングスを持つ魔物が居るらしいの」
「えーと……情報は嬉しいんだけど、レングスってのは何?」
ヌイアは驚いたような表情になる
「貴方レングスを知らないの?レングスは言ってしまえば特殊能力よ」
「つまり何かしらの特殊能力を持った魔物がいるんだね」
「そう言うことよ、ダンジョン内でレングスについて詳しく教えてあげるわ」
フィオ達は集合場所に戻ると、どうやらそろそろダンジョン内に入ろうと言う所らしい、先頭にはお金に釣られたのだろう青年がおり、その前をフィオとヌイアは立つ
「おいお前ら、先頭は俺たちのものだ」
青年が口を開く
「遊びじゃない、下がってろ」
「そうよ、彼の言うとおり」
男達は渋々後ろに下がる
フィオ達はダンジョンの入り口に立ち、ダンジョンに足を踏み入れる