17話 それぞれの覚悟
「ヌイア!!大丈夫でしたか?」
ヌイアは木に寄りかかる、ヌイアの顔には怒りと悲しみが浮かんでいるのはアスクレーから見てもわかった
「私達はね……フィオを探しに行かないと……」
アスクレーは瓦礫の山を見ながら言う
「ヌイア……わたくしはヌイアとフィオ君に着いていきます」
「でも……残る理由が……」
アスクレーの顔は凛々しい、その顔には覚悟が浮かんでいた
「覚悟を決めました、わたくしはあのセイドと言う男を倒したいんです…それに…もうメロウにはあの診療所はなくなってしまった……残る理由はありません」
「わかったわ……後悔はしないことね」
二人は瓦礫の山を歩きだす
フィオとセイドを探すために
フィオは必死に瓦礫を退ける
「ヌイア!!アスクレー!!」
フィオは叫びながら二人を探す
(今の俺は昔の俺じゃない…仲間がいる、この二人を守るためなら……復讐なんていらない…だから……お願い…生きてて)
時間が経ち
「ねぇ……これ…」
ヌイアは血の跡を指差す
「もしかしたらフィオ君のかもしれませんわ、血の様子を見るにこっちに進んでいますわ」
ヌイアとアスクレーは走って血を辿る
血の先にいたのは倒れたフィオだった、呼吸は荒く肩から腰までの深い傷と背中の刺し傷が痛々しい
「フィオ!!起きなさい!!これは師匠命令よ!!」
ヌイアは焦りフィオを揺さぶる
「だめです!!これ以上動かしたら傷が更に広がりますわ!!私のレングスで回復しますわ」
アスクレーはフィオに手を置くとフィオの深い傷は少しずつなくなり、傷が着く前と同じ状態になる
アスクレーは疲れた様子だ
「なかなか…疲れますわ」
「ん……ここは……」
フィオは目を覚ます
「フィオ!!良かった!!心配させないで!!」
ヌイアは泣きながら言う
(お父様……次は守れましたよ)
「どうやって逃げたの……?」
フィオはヌイアに質問をするとヌイアは固まる
「それは……」
フィオは体を起こしてヌイアの前に立つ
「ヌイアのレングスはブラックホールなんでしょ?……」
「ヌイアの力はワープじゃないのですか?、私は気が着いたら森に居て……てっきりワープだと……」
フィオは疑いの目を向ける
「ヌイア……何者なの?レングスの能力は……本当は何なの?……」
ヌイアは諦めた様にため息を吐く
「いいわ……覚悟は決めた、言うわ」