12話 絶望•崩壊した町
回復!!
アスクレーはヌイアをレングスの力で回復させるが意識はまだ戻らない
「どうして……こんなことに…町も、人も全部……」
アスクレーは足を止め、震える手で顔を覆った。かつて活気に満ちていた町の景色は、今や瓦礫と灰の山となり果てていた。目を開けて見るのも辛かった。
アスクレーは泥にまみれた瓦礫の上に立ち尽くしていた。足元には、かつて家だったものの残骸が無造作に散らばり、まだ水気を含んだ泥が彼女の白いブーツにまとわりついていた。
空は灰色に濁り、焼け焦げたような匂いと潮の生臭さが入り混じる。町を包んでいた地震の轟音と、押し寄せた津波の濁流がすべてを呑み込み、そして何も残さなかった。
「……ここは……本当に……」
アスクレーの声は、震えていた。自分でも、それが怒りなのか、恐怖なのか、悲しみなのか判別がつかない。ただ、胸の奥を冷たく硬い手で掴まれているような痛みだけが、確かにそこにあった。
アスクレーは足を止め、震える手で顔を覆った。かつて活気に満ちていた町の景色は、今や瓦礫と灰の山となり果てていた。崩れた建物の隙間からは、かすかに焦げた匂いが漂い、吹きすさぶ風が灰を舞い上げるたびに、目を開けて見るのも辛かった。
「……どうして、こんな……」
絞り出すような声が漏れる。彼女の心の中では、次々と浮かび上がる疑問と無力感が渦を巻いていた。人々が住んでいた家、笑い声が響いていた市場、そして子供たちが遊んでいた広場。それらすべてが、目の前の惨状と結びつかず
通りには人の気配はない。見慣れた店の看板も、折れた木のように地面に突き刺さっていた。
「癒すべき人が……誰も……いないの?」
彼女の手がかすかに光を帯びる。治癒のレングス——命を繋ぐための力。それを行使するべき相手が、ここにはいない。救えない命に囲まれて、彼女はただ一人、無力を噛み締める。
アスクレーは膝をつき、泥の中に手をついた。冷たく、重く、何も応えない地面。その冷たさに、涙だけがこぼれた。
「どうして……こんなことが……出来るんだよ!!」
フィオは痛みを我慢しながらセイドに攻撃を続ける、フィオはどんどん攻撃が弱く、鈍くなる
「どうした?憎いんだろう?殺したいんだろう?早く殺せよ」
セイドは簡単にフィオの攻撃を防ぎながら挑発する
「黙れ!!殺してやる!!この手で!!」
「お前はいいおもちゃになってくれるなぁフィオ?お前は何を失ったときが一番輝いてるぞ?、また遊んでやる」
そう言うとセイドは剣でフィオを吹き飛ばす
フィオは肩から腰まで斜めの切り傷ができ、大量の血が溢れだす
「今……助ける……から」
フィオはヌイア達がいた瓦礫に這いずりながら向かうが死体の一つすらない
「どこ……ヌイア……アスクレーどこに!!いるんだよ!!」
フィオは拳を地面に叩く
「また……ま……も……」
フィオは気絶してしまう