第三話 セリアさん、王様に謁見する。
王都についたセリアさん。依頼内容を聞かされる。
セリアが王城に招かれたのは、ある曇り日のことであった。彼女は広間を進み、重々しい扉の前で立ち止まった。扉は静かに開き、玉座の間の空気が流れ込んできた。
王はゆっくりと口を開いた。
「セリアよ、新たなる勇者が召喚された。そなたとともに魔王討伐の旅に出ることとなろう」
言葉は穏やかであったが、声の底には重いものがあった。
そうして紹介されたのは、黒髪の青年であった。名をトシという。異世界より呼び出された勇者である。彼はしばし言葉を失い、やがて静かにうなずいた。
「さらに同行する者をもう二人、選んでおいた。銀髪の神官リア、そして赤髪のエルフの魔法使いマルシアである」
リアは静かに一礼し、マルシアは淡く微笑んだ。
王は続けた。
「この国の命運はそなたたちに託された。すでに十組の勇者たちが旅立ったが、いずれも消息を絶った。そなたたちはどうか果たしてくれよ」
広間には沈黙が満ちた。王の言葉は短かったが、その響きは重く、どこまでも深く落ちていくように思えた。
こうして、四人は旅立った。魔王の城は遥か遠くにある。その道のりにいかなる苦難が待つか、彼らは知らない。ただ、剣を手に取り、杖を握りしめ、それぞれの胸に決意を抱いて、一行は城をあとにした。
彼らの旅は、今、始まったばかりである。