96 国王謁見
尋問官は、マリエールは喜んで母星の復活をする事を伝えた。国の担当者とアンドロイド、尋問官は打ち合わせた。報告を受けた国王は上機嫌だ。
96 国王謁見
尋問官はアンドロイドに伝えて、マリエールは喜んで母星の天地創造をするそうです。国王謁見も願い出ております。と上司に伝えた。上司はニタリの笑い、
「そうだろうとも。我が国の国王の威光に触れてひれ伏さぬ者は居らぬからな。国王への謁見も許されるだろう。大々的に行い広く国民や諸外国に宇宙人が国王にひれ伏し、この国の役に立つ所を見せねばならぬ。」
国の担当者とマリエールの国王謁見の段取りを打ち合わせる。転移陣の位置、タイミング、日時------------。日時はアンドロイドが尋問官に会って20日後、場所は謁見室ではなく社交会などが行なわれる大会議室、謁見の立ち会いは、貴族だけなく国内外のマスコミまで動員され、放映される事になった。打ち合わせた事を担当者は国王に報告する。
「タイミングを見計らってアンドロイドが合図すると顕現すると。派手にやらせよ。出来るだけ派手な衣装を着て来るように申し伝えよ。我の威光を高める場と知れ。母星の天地創造の様子を余す事無くこの星に放映するように伝えよ。」
国王は、上機嫌でそう言った。この星の悲劇の口火だと思いもせずに。
謁見の日の当日、既に多くのマスコミ関係者が詰め掛けていた。宇宙人が国王に謁見という衝撃的出来事を今や遅しという心境で見守る。既に国王陛下とマリエール以外揃って居る。司会が、
「国王陛下入場、全員姿勢ただせ。」
国王が入場する。機嫌が良さそうだ。挨拶を始める。
「皆の者、本日は宇宙人が我の威光にひれ伏し、この場に謁見に来る事を我は許した。話しは偉大なる我が国が、恒星間移動を成し遂げ、その場いた不届きな生き物を殲滅せんと図っていた所、それを漏れ聞いた宇宙人が我々の仲間だから許して欲しい。その代わり母星を復活させますと言って来た。本当にそれをするなら、殲滅しないでやろうという話しになった。本日この場に宇宙人は我に謁見し、約束を取り交わし、母星を復活させる事にした。宇宙人も従える我を褒め称えよ。」
会場は歓声がこだました。司会は、
「只今より宇宙人が登場します。会場中心の陣に注目してください。あの陣より登場します。宇宙人は交流会の統括者の代理人でマリエールというそうです。それでは登場します。」
転移陣は強く輝き出し、影が映った。光輝くマリエールが残った。光が消えマリエールが残った。マリエールはこの星の美意識合わせた衣装、風貌を取ったが、マリエールと判る姿だった。マリエールは会場の驚愕が収まるの待って話し出した。
「マリエールと申します。交流会から来ました。この星が訪れた星、ライガ星と申しますが、この星も交流会メンバーです。交流会はライガ星をこの星が攻撃すると聞いて止めに来ました。交流会は戦いを好みません。交渉の結果母星を復活させるならライガ星への攻撃は止めてもいいとお聞きしました。戦いを好まない交流会としてはその程度の事でライガ星を攻撃しないと決めて頂けるなら、喜んで復活します。100万年前の状態が好ましいとお聞きしましたのでそうしたいと思います。」
マリエールは言葉を切った。
国王へのマリエールの謁見の当日だ。国王は、ライガ星への攻撃を止める代わりに母星の復活をする事を語った。




