9 事業と産業
新しい事業として島々の開拓事業を始めた。この地は割と簡単に開拓が出来た。
9 事業と産業
南の海岸が閉鎖されて、予定通り、50km先の最大長20kmの島の開拓事業を始めた。水源はあり作物栽培に支障はない。入江、半島も多く海の閉鎖は上手く行きそうだ。魔獣も多く、魔獣狩りも楽しめるだろう。森も山も自然が豊かだ。この島は火山島で温泉もでる。近くに島々が多く、火山島もある。資源は多そうだ。
マリエールはニコル王子から声をかけられてから、社交会や家族パーティーに出席していない。鉛中毒の問題は鉛器の新たな製造を禁止して終わった。従来の果樹酒が鉛器以外で飲むと不味い事が判り衰退した。ワインは貴族や富豪層に受け入れられた。
産業として、国軍や領軍、冒険者向けに、錆ない鋼、10%クロムの剣を売り出した。価格が安く、性能が良いのでよく売れる。またボーキサイトの鎧は軽くて安い。錆びない鋼の鎖帷子は手軽な防具だ。ポーションも入手しやすくなった。掠り傷用、中度の傷用、重度の傷用、3本を一人一人が持って入れば生存率が上がる。ミスティルの杖は魔法使い必須のアイテムになった。
ヒヒイロカネやアダマンタイトの剣やオリハルコンの鎧はA級冒険者以上の冒険者、少尉以上の軍人必須だ。生存率、依頼達成率が違う。ギルドである程度保管して、困難ケースに貸し出す事がある。アイテムバックは8立方メートルまでが収納可能で、有効期間1ヶ月だ。冒険者ギルドや商業者ギルドに貸し出している。
島々の事業が安定して、物資の供給も問題無くなり、人々の生活か安定してくる。便利な物、美味しい物が安定して入れば金銭は欲しい。
この村ではゴブリンの被害が大きい。この村の冒険者ギルドでは防具、武具を一番下のGランク冒険者にも希望で貸し出しポーションを渡し、冒険者の初日にゴブリン討伐に向かわせる。ゴブリンは数頭の群でいる事が多く大抵は討伐に成功して、経験を積む。10歳の冒険者でも自分たちと同数以下なら討伐可能で、よほど馬鹿でない限り自分たちの人数と相手の頭数を間違がえる事は無い。大抵3,4人が一チームだから2,3頭のゴブリンを襲う。これで成功する筈である。成功体験だ。どんな弱いチームでも2度、3度と成功すれば自信に繋がる。少し変則的になっても対応できる。ゴブリンは危なくなると救援の合図を仲間に送る。大抵は意味のない合図だ。合図を送られても自分が危なくなるなら無視する。しかし助けに行けば収穫があり、勝つ可能性が高いなら手助けする甲斐がある。例えば、3人チームで2頭のゴブリンが襲撃されていた。救援の合図が3頭のゴブリンに送られた。出来れば無視したい。しかし、一人が女性で3人共にゴブリン並の体格だ。明らかに戦い慣れてなくオドオドしている。応援に行けば勝てる。
「オー」
と応じた。人間の子どもは連れ去らわれた。
何日後大規模なゴブリン討伐が行なわれた。数人の少年の食われた残骸と正気を失った少女が見つかった。
一度成功すれば避けられた惨事だったのかもしれない。ゴブリンとの戦いは成人してからにすべきという意見もある。しかし現状ゴブリンの被害を受ける村があり、殆どの冒険者がゴブリン討伐を成功させている。運悪く失敗したケースであるというのは簡単だ。不幸な人間は一定数いると割り切るべきだろう。
ある村では、冒険者になったばかりの人間にもゴブリン討伐を依頼する。防具や武具を支給してポーションも用意したのに失敗した。