81 取るべき行動
意気消沈してしまったマリエールをアンドロイドは励ます。マリエールはアンドロイドにルッファーエ星を滅ぼさなくてもいい方法を模索して欲しいと頼む。
81 取るべき行動
意気消沈してしまったマリエールを慰めるのもアンドロイドの勤めだ。
「マリエール様、主人が落ち込んでいては、アンドロイドが働けません。ご自分で行動に問題があった事を自覚されたなら打開策を指示して下さい。」
何とか立ち治ったマリエールは、関係者に自分の真意を伝え、ルッファーエ星が滅亡しない方法を検討して欲しいと伝えた。
取り敢えず、尋問官に相談した。
「はっきり言って最悪だよ。二割が交流会派、二割が反交流会派、残りが中間派という所だ。交流会がこの星の滅亡を考えていたというのが、反交流会派を刺激している。」
どうマリエール様の願いを叶えればいいのか。
「反交流会派は交流会と戦争しようと思っているのかしら。マリエール様が天地創造を唱えるだけで、ルッファーエ星の生き物は絶滅するというのに、そんな事したくなくてマリエール様は苦しんでいるのに。」
尋問官は以外そうに、
「マリエールという人はこの星を滅ぼしたくてあんな事言ったんじゃないのかい。」
アンドロイドは苦虫を噛み潰したように、
「私もそう思ったわよ。主の気持ちを推し量れない部下だと思ってね。ところがマリエール様はこの星を滅ぼしたくなくて言われたそうよ。」
尋問官は、
「あの言葉の何処にこの星を滅亡させたくないという意思を読み取ればいいのか、はなはだ疑問だね。そしてあのお嬢様、この星を滅亡させないプランでもあるのかね。」
アンドロイドは、言うかどうか迷ったが、
「この星か危機感がないのが問題なの。この星がアンメリア星を攻撃した事を交流会は問題にしているのだから、この星に黙って天地創造を掛ける事に交流会は決めていたの。それに異議を唱えたのはマリエール様だけ。この星の考えを聞きたいと。落としどころは、恒星間移動の手段の剥奪なのだけど、そんな事言うと余計に揉めるわね。」
尋問官は、
「間違いなく揉めるね。交流会がこの星を滅亡させる可能性があると知ってこれなのにそれを回避する方法が恒星間移動の手段の剥奪なんて知ったら燃え上がるぞ。」
アンドロイドはため息をつき、
「こんなのどうかしら。今は荒れ果てた土地とか島とか星とかで以前は豊かだった所に天地創造を掛けて力を示すとか。本当は環境破壊とか核戦争で滅びた星があればいいけど。」
尋問官は、
「あるぜ、隣の星、環境破壊と核戦争で滅びたルッファーエ星の母星が、元々一つ内側の星が我々の星だった。今は灼熱地獄の星だけど天地創造してくれるなら、この星は大助かりさ。」
アンドロイドは考えた。
「そんな星があるなら、マリエール様なら昔のように出来るけど、この星が反省もなく星を2つ所有するような話しには乗れないわよ。でも手段には使えそうね。」
この情報はアンドロイドを通して、マリエール、万能者に伝わった。万能者は、彼のアンドロイドを通してマリエールにメッセージを送った。彼のアンドロイドは、マリエールに、
「これで、ルッファーエ星人の皆殺しはしなくてもよくなりましたね。ルッファーエ星人でこちらの希望に沿う者だけ母星への移動を許し、希望に沿わない者の移動は許さなければいいだけですから。一つ問題は勝手に移動する手段を無くす事ですね。それは可能ですよ。万能者様はマリエール様に差し上げるつもりです。」
悪魔の囁きのように聞こえるのは気のせいだろうか。
尋問官は、この星には母星があり今は住めなくなっていると聞かしてくれた。この情報はアンドロイドを通してマリエールにも万能者にも伝わった。




