68 緊急避難
プラント星人の移住は直ぐに終わった。魔王は殺戮を繰り返す。マリエールは魔王討伐を決意する。
68 緊急避難
転移陣があるので宇宙船は一瞬で転移で出来る。帰りも同様だ。移住が数日で終わってしまったので、学園都市の一区画を避難所に当てて、彼らの希望を聞きながら彼ら用の住居を設置する方向だ。
マリエールも星には向かわず、結局、避難所で彼らの代表と会った。事前の説明で6538人全員が避難したそうだ。全員が何らかの植物を持ち、水が必要らしく給水設備の説明に追われた。避難所は湖に接した草原で上下水道や電気、ガスも完備したのに、あちらこちらバーベキューが開催されている。マリエールが避難所を訪問したときもそんな状態だった。アンドロイド500人が避難民の世話をしている。2から3家族世話をやく勘定だ。
マリエールが代表を訪れた時もバーベキュー開催中だ。アンドロイドが、マリエールの到着を告げると代表はマリエールを自分の席の隣に誘った。マリエールは名前を名乗り握手をした。マリエールは、
「ご不自由はありませんか。ご希望をお聞きしてしかるべき所で生活して頂きたいと思っております。」
代表は、
「何も不自由はないですよ。こんな素晴らしい生活は生まれて始めてです。危険を感じません。不自由も感じません。」
マリエールは彼ら身の側に置く鉢植えの植物が気になった。
「その植物は何ですか。」
代表は応える。
「言わば本体のような物です。知的生命体は普通動物から生まれるようですが、我々は植物から知的生命体になりました。貴方方は私達のインターフェースと話しています。我々はインターフェースを通して活動してきました。インターフェースが摂取した食料は我々の栄養になり、インターフェースを通した知識は我々の知識になります。しかし、一万年前魔王が破戒の限りを尽くし我々の同朋も殆ど死に耐えました。僅か残った我々も風前の灯でした。ありがとうございました。我々をどうするかあなた達で決めて下さい。」
代表の口調が変わった。本体の口調なのだろう。
「それなら魔王を滅ぼせば、あなた達はあの星に帰れるのですね。」
代表は驚いた。
「魔王は滅ぼせる存在何ですか。」
私は魔王を滅ぼす専門家だ。
「完全に滅ぼす事は難しいと思うけど、私がいる間は復活させない事は出来ます。私は不滅の存在です。」
代表や周りの人々から歓声が漏れた。
「ただ一つ条件があります。貴方方も恒星間移動を体験した存在、交流会の参加を求めます。其れを約束するなら、魔王を討伐します。」
彼らはプラント星人と名付けられた。もちろん、植物が元だからだ。アンドロイド達は魔王討伐に動く。プラント星に新たな動き起ころうとしている。
調査アンドロイドからの第2報だ。生物星だ。植物の他は、昆虫類、小鳥、小動物、魚、地球にはいない動物達、生き物達、植物達
そして広い海、豊かな自然が溢れるパラダイスだ。
生きる事を否定する魔王の星と自然豊かな平和な星、どちらマリエールの近くの星だ。せめて自分の近くの星々は自分で何とかしたい。マリエールは強く思う。
第2番目の星は生物の星だ。豊かな自然と大きな海、この星はパラダイスだ。




