64 月での活動
大陸の主要都市上空にはこの星の上空からの映像、月面上空からの映像など映され、アナウンスされる。
64 月での活動
上空から地球を映している映像に替わった。国民には判らないだろうが。宇宙船の乗組員からアナウンスがある。
「大陸の皆様、これが我々の星の姿です。我々の星は球状の姿をして、太陽の周りを回っています。そして自転しています。地動説こそが真実です。我々の星は海が多く、青く輝く美しい星です。正面に見えるのが、我々の住む大陸です。我々の住む大陸でさえ、我々の住む星の一部でしかありません。我々が今から行く月はこの星の周りを回る衛星という星です。我々の星に比べて小さな星ですが、兄弟のような近い星です。青く美しい我々の星と、美しく輝く月は大切な我々の星です。特別な星、月へ宇宙船は今から向かいます。」
アナウンスが終わり、地球や月を映した後画面が切り替わった。海のない星だ。丸い事は判る。違った方に青い大きな星が映る。再びアナウンスがある。
「月の上空です。ご覧の通り、月には海がありません。空気もない生き物の住まない星です。生き物は住まないですが、地下ならば気温が安定して、基地として使う事が出来ます。我々の星に最も近い星の利用価値は高いです。月から高度100kmのこの地点からでも月は丸い事が良く判ります。月は一月に一度しか、自転しませんので、最高気温150度、最低気温マイナス50度と厳しい環境です。人間が活用するには対策が必要です。一つの提案として地下に基地を作れるのは方法だと思います。地下10kmの所に直径10kmほどの空洞があります。基地として利用出来る可能性はあります。」
宇宙船は高度を下げた。地上から1kmの上空だ。ここでまたアナウンスがある。
「月面の特徴は、ご覧の通り、目まぐるしい数のクレターです。主に隕石によります。空気のない月では、外部から侵入するものを妨げるものがありません。なまじ引力がありますので、引き付けます。小石程度ならば、目立ちませんが。数十cm、数mの隕石が落ちるとクレターになります。大きな隕石は大きなクレターを作って、遠くからでも判ります。空気も風もありませんから、何時までも残ります。言わば月の歴史のようなものです。」
同じ高さで移動する。
「月には模様がありますね。人によって、兎が餅つきしているように見えたり、蟹のように見えたりしますが、月は場所により、明るく見える所と暗く見える所があります。暗い所は海といって、比較的低い所、逆に明るい所は山といって高い所。今いる所は海、低い所ですね。遠くを見れば、山が見えますね。この場所は夕方、気温的には人間の居られる所です。」
また、画面が替わった。ライトで照らしているから暗闇ではないが、地下のようだ。
「ここが先ほど言いました。地下の空洞です。非常に希薄ですが、空気があります。気温的には、人間の生存が可能です。ここの表面は150度の高度のはずですから、殆ど外気の温度の影響を受けないのでしょうね。僅かですが水の存在も確認出来て居ます。地下ならば生命体が存在する可能性もあるかも知れないです。」
一息ついて、
「以上、我々の星から月までの旅を紹介しました。天動説は間違いだと判ったと思います。自分でどう思うかは自由です。しかし、人に対して、天動説を説くことはマリエールは許しません。判り次第に処刑します。くれぐれも注意深く行動して下さい。」
自分の意に添わない人間は処刑とは中世ヨーロッパよりも容赦がない。ガリレオは処刑されなかったのに。
アナウンス最後に、今後天動説を流布する行為は、処刑になる事を宣言した。言論統制だ。




