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         49 自転星

 彼から自転星との交流を勧められたそうだ。自転星の人々は滅亡の危機を回避した。最も最近に恒星間移動の方法を入手したので参考になる事が多い筈だ。

            49  自転星


 おかしな名前だが彼らの自称である自転星と呼ぶ事にした。恒星間移動が出来る知的生命体は、言語を持つ事が知的生命体の条件とすれば、恒星間移動に至るのは1000に一つだそうだ。言語を持つというのは語弊がある。念話でやり取りする種族もあれば、鳴き声で表現したり、手話やジェスチャー、身体へのタッチで表現する場合もある。知的生命体の定義が曖昧になる。恒星間移動出来る知的生命体にも念話で仲間の間では話し、他の知的生命体とは書面でやり取りするなど仲間同士のコミニケーションは言語でない場合が少なくない。

 マリエールは万能言語の保有者だが手話やジェスチャーや念話も可能だ。身体へのタッチで意味を理解するのは難しいだろうが。しかし、自転星の人々が言語を使うのでコンピューターや書籍、資料から会話や読み書きが判って、理解しやすい、空中人の説明と合わせれば何故自転星が勧められるか判る。空中人は、

「自転星の人間が、一番最近恒星間移動の手段を手に入れたのです。大多数の知的生命体が、戦争や環境破戒や大震災で滅びる中、戦争や環境破戒をせず、滅亡するような大震災にも見舞われず。恒星間移動の手段を手に入れ、移住可能な星も手に入れ、今後繁栄が可能になりました。数十万年前の事です。我々の感覚からすればついさっきの事です。高が超光速宇宙船を手に入れただけです。しかしこの技術は、大きな希望を彼らに与えました。多くの知的生命体が抱える滅亡へのシナリオを回避出来るのです。彼が彼らを守ると約束してくれました。彼に対する反逆行為さえしなければ、安泰です。マリエールにとっても参考になる星だと彼は思ったのでしょう。」

マリエールの星は、文明を持って数千年、しかも一部の地域しか文明らしいものはなく、星全体の把握も出来ていない。数十万年前に恒星間移動の手段を手にした星が参考になると思えない。

「大した文明もない、私達の星が参考に出来るのでしょうか。」

空中人はテレパスも出来る。マリエールの不安も判っている。

「あなた達の星というよりも、マリエールの星にとってはですね。今マリエールに脅威になる存在があなたの星にいますか。あるとすれば大震災ぐらいではないですか。自転星はそれを回避しました。マリエールも回避出来るのではないですか。」

なるほど確かに、地球が何度も生物絶滅の危機に瀕したのは知っている。地球全体が氷に覆われた事もある事も知っている。氷河期というものがしばしばやってくる知識もある。数千年、数万年の単位で考えれば、危機を回避する方法をこうじた方がいいかも知れない。

「仰る意味が判ります。確かに対策は必要ですね。あまりに急過ぎて頭が周り切らないのです。」

空中人は優しい笑顔で、

「判ります。彼は人を急かし過ぎます。彼の頭に誰も付いていけません。判らない時には判らないとはっきりと伝える事が大切です。判らないまま事が進むと取り返しが付きません。」

本当にそう思う。宇宙を統括する存在にとっては私などチリにも等しい存在なのだろう。

 人類滅亡の危機は、大震災だろう。それを乗り切る手札が恒星間移動なのだろう。いろいろ検討する課題は多い。

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