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       39 ユイツの恋人達

 ユイツに男女の差はあまりないし、皆子どもの様に見えるけど、本人達は大違いだ。

         39  ユイツの恋人達


 ユイツの男女は、大きな違いは無いし、みんな子どものようだ。雰囲気や服装や髪型で老若男女は判る。でもアンドロイドの我々でなく本人達はもっとはっきり違いが判るようだ。妖精のいる草原は若い男女の絶好のデートコースのようだ。妖精の祝福があれば恋人達は結ばれる。

 アンドロイドに取っては関係ない事だが妖精のあり様の観察やコミニケーションを取る事は重要な任務なので、ユイツの恋人関係も大切な任務だ。

「あの人達ラブラブね。」

「あちらは、男性は熱いけど、女性は冷め掛けているわね。」

「あの2人は友達以上恋人未満かしら。」

妖精の声が姦しい。

 任務だと思えば諦める他ないが、もう少し冷静になれないものかと思う。あの2人共通の友人に不幸が合ったみたいね。と言う妖精の声に、カップルを注目した。霊媒師ではないのでどんな人が不幸に会ったのかは分からないが、2人をテレパスする事は出来る。要するに、2人の共通の女性の友人で、その女性が事故とも自殺とも取れる死に方で死んだようだ。2人はその女性が2人の幸せの邪魔をしていると思って死んだように思っているようだ。

 そんな事分からないよ。死んだ人間の心境なんてどうやって知るんだ。そう思うと妖精達が反応した。生や死は状態の一形態にすぎず、その魂は存在する。妖精は死んだ魂を呼びだせるし、アンドロイドはその魂と会話出来るし、2人に伝えられる。

 妖精は彼らの友人を呼びだした。アンドロイドは彼女に声を掛ける。

「あの2人はあなたが2人を結び付けるためあなたが自殺したのではないかと気に病んでいます。もし違うのであればあなたが彼らにそれを伝える手段を私は持っています。あなたがどうしたいか教えてくれたらそのようにします。」

彼女は、

「あれは事故です。彼らに何も責任はありません。説明させて下さい。お願いします。」

彼女の意思は確認出来た。後はやるだけだ。

「彼らに向かって幻影いうものを見せます。あなたの姿や声を伝えます。それであなたや彼らが幸せになれたら幸いです。」

アンドロイドは彼女の幻影を彼らに送った。

「あれは事故よ。あなた達に何も責任はないわ。」

彼女は彼らに言葉を送った。彼らも彼女に言葉を送る。

「あなたの事一生忘れない。あなたの分まで幸せになるわ。」

3人は笑顔の別れが出来た。幸せなカップルの誕生だ。

 妖精は念話で、

「良い仕事をしましたね。」

と言ってくれる。ありがとうございます。と返すが、これって私の仕事? と突っ込みを入れたくなる。

 妖精といると妙な事になる様な気がする。その後も恋人達に幸せの幻影を何度も見せた。単なる幻影でない事を祈りつつ。幸せになるなら良い事だ。幸せよ、永遠であれ。

 何かアンドロイドらしくない気がするけど、これも妖精のせいだろう。慣れない仕事で疲れた気がする。アンドロイドなのに、アンドロイドが恋のエチュードなんてらしくないと思う。幸せになるのに文句はないと思うけど。

 幻影を使って、本人達の勘違いを解き幸せにする。妖精達に、良い仕事をしましたね。と言われるが、これってアンドロイドの仕事か?

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