表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
262/278

        262 新治療薬

 スザンヌはエリクサーを開発した。一般に知らせる事は出来ない。スザンヌのエリクサーは、染色体や細胞を作り変える物だからだ。別の生物を作る様な物だ。

           262  新治療薬


 スザンヌは至ってしまった。エリクサーのような治療薬だ。知的障害児の治療薬を開発中に動物実験をしていたら、急に動物が喋り出した。この薬剤は秘匿しなければならない。一般に知られたら大変な事になってしまう。染色体や細胞の完全な変更だ。もはや別生物だ。微量これまでの薬剤に混ぜれば薬剤の効果が飛躍的にます事が確認出来た。作り方が簡単で大量生産に向いている。薬の使用者はスザンヌに愛着を感じるようだ。

 癌治療の治験が終わり本格実施が始まった。世界的な権威ある賞の3度目の受賞が有った。需要が多すぎて値上げするしかなかった。これで金銭的に困る事はなくなった。新治療薬を微量混ぜたから複製品でも問題ないだろう。

 私は染色体治療や癌治療の第一線から身を引いた。今後は知的障害児や身体障害児や聴力障害児の治療に力を注ぐ気だ。エリクサーが有れば何とかなる。知的障害児の原因は様々だ。ダウン症の場合ような染色体異常もあれば何らかの病気もある。脳障害も有れば環境的要因もある。自閉症が要因の事もある。しかし多く原因が不明だ。しかしどんな知的障害も治る。染色体や細胞を作り変えるだけだから。脳の染色体や細胞を作り変えると人格が変わる。アイデンティティの問題だ。知的障害だった記憶がないと自分が何者かが判らなくなる知的障害は治し方が難しい。あまり急な変容は不信感を招く。徐々に改善するのが望ましい。知的障害の原因になってる要因も取り除く。

 始めに自閉症を伴う知的障害児の改善に取り組んだ。療育機関や支援団体と連携した。保護者達とも話しあった。どのように改善したいかどこまで改善したいか。

 療育機関の保護者向け公演会で自閉症を伴う知的障害児の改善の可能性のある事を語った。

「自閉症の原因が脳の前頭葉の一部の働きが正常でない事が原因なのが判っています。高機能自閉症は異常性が弱いか、異常の部分が狭いかで治療の効果が判りずらいために今回は対象にしません。今回は自閉症の傾向を弱め、知的障害の程度弱めます。子どもにより変化様々だと思います。今回は中度の知的障害のある自閉症のある児童を対象として治験に臨みたいと思います。DQが50から70くらいの子どもを療育機関や支援団体に紹介していただいて治験を勧めようと思います。サルを用いた実験では効果は確認出来ましたが人間での実験はないですので効果が出るのか確定は出来ません。何しろ人類始めての試みですから保証は出来ません。飲み薬ですから毒ではありません。知的障害の有無を判断するには時間が掛かります。適正な教育がないと知的障害はなくても遅れはありますから正常な状態になるのに教育が必要です。遅れた2年3年取り戻すのに学校に行くまでに間にあうかは微妙なところです。何も突然話しだすわけではありません。治験して2年経ったら話しだしたら成功だと思います。私の治療法はその程度の物です。癌の治療法のようなセンセーショナルなものではありません。極めて地味な治療法だと思います。普及するかどうかも判りません。評価されるかも判りません。でも療育の役には立つと思います。染色体異常が治るのと同じで、知的障害も治ります。ご清聴ありがとうございました。公演は終了します。」

スザンヌの公演は十分にセンセーショナルの物だった。

 自閉症を伴う知的障害児を持つ保護者や療育関係者や支援団体関係者が集う公演で新薬を開発した事を公開した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ