251 救援要請
万能者からの救援要請だ。女性の宇宙人とアンドロイドだそうだ。万能者は敵わなかったそうだ。
251 救援要請
銀河系の万能者との連絡は偶に行なっていた。主にマリエールから所在を知らせる連絡をしていた。万能者からは返事や近況を知らせる連絡が2回に1回くらい返って来た。今回万能者から連絡が入った。
「マリエールへ 銀河系が攻撃されている。助けて欲しい。」
詳細は書かれていない。しかし恩師の救援要請だ。いかない選択はない。とにかく駆け着けよう。
「直ぐに行きます。」
と返信を送り、反物質のこだわりを用いて万能者のところに出向いた、
久しぶりに万能者に会った。変わった様子がないので一先ず安心した。万能者は、
「他の銀河系からやって来た連中だ。始めは様子をみていた。次々と星を制服していくので注意しにアンドロイドを送ったが瞬殺された。偵察衛星を設置して観察を続けた結果、首魁は女性タイプの宇宙人だ。後は彼女のアンドロイドで彼女さえ倒せば後のアンドロイドは機能を停止するだろう。私も彼女と対戦したが歯が立たなかった。彼女はきみにご執心のようだ。一度彼女に会ってくれ。何かが変わる筈だ。」
万能者は座標をマリエールに渡した。ご執心の意味も判らないが行くしかない。万能者も敵わない強者だが万能者を捕縛するわけでもない。マリエールを捕縛するためにわざと捕縛しなかった可能性はあるが、マリエールが出向かなければ銀河系宇宙が全て支配される恐れがあるので行かざるおえない。マリエールは、
「お役に立てるか判りませんがとにかく行ってきます。」
と答えた。相手は万能者よりも上の力量、万能者をテレパスしたのかマリエールとの対戦を望んでいるらしい。という事しか判らない。とにかく単身座標の位置に移動した。ただ地面のあるだけの何の変哲も無いもない星だ。近くに恒星がなく、絶対零度に近い。こんな環境でも平然としていられる存在はそれだけで強者だ。
それは宇宙船の中にいるわけではなくただ宙に浮かんでいた。万能者の話しではアンドロイドに囲まれていた筈だがその姿はない。単身でいるだけだ。
それは美しい女性の姿をしていた。年格好マリエールと同じだ。明らかにそんな存在ではないが。マリエールとそれは向き合った。暫く無言が続いた。マリエールは感知魔法で解析した。特に力量の問題だ。戦って勝てるかどうかだ。感知魔法の結果は不明だ。つまり力量は拮抗しているようだ。マリエールは、
「お互いの力量は拮抗しているようだ。そちら引いてくれるとありがたい。話し合いで決着が付けば幸いだ。話しがしたい。」
マリエールは出来れば戦いにしたくない。暫くしてそれは語った。
「私には個体名はない。スザールという種族名があるだけだ。良くある事だがスザールの星が滅びた。スザールは100体に分裂して新しい住むべき星を探して旅立った。スザールは全体にして個、個にして全体。むざむざ死ぬ事はないが強者と相対する事は全体のレベルアップに繋がる。たとえ個が死んでも、スザールとしては死なない。スザールは分裂を繰り返す事で悠久の時を生きてきた。この戦いに臨まないという選択はスザールにはない。」
かくして戦闘は始まった。
マリエールは相対した。感知魔法では力量は互角のようだ。マリエールは話し合いを提案した。相手は戦闘を求めた。




