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        218 ロゼット商店

 マリエールは星を旅立つ日が近い事を国王達に告げた。引き継ぎは円滑に進んだ。ミリーはそのままだった。

           218  ロゼット商店


 マリエールの領地が認められて、ロゼット商店は大幅に業績を伸ばした。王城の出入りも認められた。マリエールのアンドロイドが活躍しているのは当然だ。ユリは店主に語った。

「マリエール様と私達がこの星を離れるのも遠くはありません。ミリーの扱いもお任せします。私達が居なくてもやっていけるようにして於いて下さい。」

店主は寝耳に水だ。

「星を離れるのですか。」

マリエールとユリは店主と家族を守るという依頼を実行しただけだ。それ以外は附帯事項のようなものだ。無責任に星を離れるつもりはないが、星に縛られるつもりもない。

「国王にも伝えるつもりです。あまり酷い人材をこの領地に配さないように伝えます。時々アンドロイドに確認をさせるつもりです。出来れば隣の伯爵領と合併させて侯爵とする事を勧めようと思います。」

マリエールの言葉は店主の心を巡った。

 マリエールは国王に謁見した。出来れば早く星を出たい。今の領地は隣の伯爵領と合併させて侯爵にして欲しいと言った。国王はその方向で検討してみると言った。

 国王はマリエールからの申し出について会議を開き、マリエールの申し出通りにしたいと言った。予定通りなら侯爵になる伯爵家は国王の3女の嫁ぎ先だ。長女、2女が公爵家に嫁いだのに対して伯爵家に嫁いだ3女が不憫だというのもある。しかし3女の夫を国王はかっている。しかし反対意見もある。

「接しているのは伯爵領だけではありません。他に接している領地にも配慮するべきだと思います。」

これについては国王は厳格に答えた。

「私の選択は直轄地にするか伯爵領と合併するかの2択だ。マリエールの言葉がなければ直轄地しか選択しない。」

領地問題に口出しした領主はお前の領地を直轄地にするぞと言われたような気がして口を噤んだ。 

 ロゼット商店は将来的にこの領地が隣の伯爵領に統合される事になり安泰だ。店主は安心した。隣の伯爵領の大手の商店との関係は良好だ。伯爵の評価は高い。ただ利に聡い商人達はマリエール後ろ立てを失ったロゼット商店に対してどう出るか分からない。それに役人達の動きが分からない。不安材料は多い。以前のようにはいかないだろう。また役人との関係も難しい。

 ミリーは形式上家族と認められた。しかし実際には家族関係はない。

 マリエールはこの星を去った。ミリーは要約家族として迎えられると思ったがそんな事はなかった。ミリーはマリエールの事をどう思っているのか自分でも判らない。ただミリーは過ちを起こした。

 ロゼット商店は今までのように急激な成長はしない。落ち着いた生活が続く。侯爵が治める領地になった。ロゼット商店は変わりなかった。店も領地も落ち着いた頃、マリーの婿養子の話しがあった。新しい領地の大手の商店の息子だ。息子も生まれロゼット商店は安泰になった。

 マリエールは新しい星に向かった。気温はほど良く人口も多そうだ。さてどのような旅が待っているのだろうか。

 マリエールは旅だった。概ね順調と言えた。アンドロイドいない流通はきつい。ロゼット商店はやり切る事だ。


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