表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
196/278

        196 アイシャ 6

 アイシャは今後の商会のあり方を考えた。オマール商店の後地にマリエール商会が出来た。アイシャの商会の関係の工房や商店にマリエール商会が仕事を回す。

          196  アイシャ  6


 アイシャは、今後の商会の事を考えた。アイシャの商会は王侯貴族との取り引きはないが、アイシャの商会に関係する工房や商店はマリエール商会を通じて王侯貴族に掛かっている。オマール商店がなくなり利益の没収もなくなった。オマール商店の後は5階建てのマリエール商会が出来た。大型の商店が多彩の品々を揃え進出してきた。アイシャの商会の位置づけがまた一段下がった。アイシャの商会は王都一の商会だった。市民にとっても王侯貴族にとっても唯一無二の存在の筈だった。マリエール商会が全てをひっくり返す。焦りからか、父親はクーデターに加担してしまう。店員も半分以下に減った。何人かマリエール商会の店員が来ている。彼らが王侯貴族との取り引きを担ってくれている。アイシャの商会の売上の半分は彼らがもたらすものだ。アイシャは番頭に愚痴を言う。

「この商会はもっと力があったはずよね。今じゃマリエール商会の下受けだわ。仕事があっても自前じゃ人を雇えないてマリエール商会が乗っ取ると宣言している様なものじゃなくて。」

番頭が厳しい顔をした。

「アイシャ様、ご自分の立場をお考え下さい。あなたはマリエール様の奴隷です。どんなに理不尽な事があっても文句の言える立場ではありません。それに今は理不尽な状況でしょうか。単にこの商会とマリエール商会の実力の差が出ているだけの事だと思いますよ。この商会には先がないと思っている者は少なくないですよ。」

アイシャは何を言われたか即座には判らなかった。古参の番頭がこの商会に先がないと思われている。

「やはりオマール商会を庇ったのがまずかったのかしら。」

番頭は舌打ちをした。

「マリエール様はオマールに小声で話していました。多分アイシャ様以外の商店長には聞こえてないでしょう。多分マリエール様の脅しだったと思いまず。地の固まっていないマリエール商会にはいきなり敵を作る事は得策ではないですからね。アイシャ様を生かす理由はそれですからね。舐められるわけにはいかないけれどむやみに敵は作りたくないと思っていたと思います。まして就任パーティーの会場で少し脅すつもりが主催者がまともに受けた。マリエールは状況で判断する天才。アイシャ様は考え無しの凡才。凡才の考え無しの行動で天才は方向転換を迫られた。オマール商店とアイシャ様の商会を潰すと。ここで何故潰す事になったのか知っておく必要があります。就任パーティーの場でアイシャ様が騒いだからです。マリエール様はアイシャ様の様に自分勝手ではありません。自分自身の行動に責任を持ち、人のシデカシにも対応します。アイシャ様のシデカシでオマール商店とアイシャ様の商会は潰れます。アイシャ様のシデカシは想定内です。何故ならアイシャ様は食中毒で生死の境を彷徨う事に成るからです。」

アイシャの商会の実質的な責任者は番頭になった。アイシャ自身はマリエールと奴隷契約を結び、無責任な発言が出来なくなった。

 アイシャは番頭にこれではアイシャの商会がマリエー商会の下受けのようだと言った。アイシャの失言が全ての原因だと諭す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ