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      178 魔法のない星 6

 王女は女王アリエル、アイーダの娘は宰相ユリアだ。星の景気はいい。海にも未開地にも進出する。あらゆる産業、事業が順調だ。

        178  魔法のない星  6


 王女とアイーダの娘とアンドロイドは話し合っていた。今度マリエールが来訪して、王女を不滅の存在にして女王となり、女王がアイーダの娘を低位の不滅の存在にする事になった。呼び名もファーストネームを取りアイリス女王とユリア宰相になる。

 人間の文明も飛躍的に進歩した。今迄は1万平方キロメートルくらいの陸地にへばりついていたのに海に進出した。また周辺地域へ拡大も図れた。資源も沢山取れる。国は貨幣を増産して豊かになった。税金は国が流通を独占しているから国民の直接の負担はない。

 アイリス女王はユリア宰相に話しかける。

「アンドロイド達と約束したのは、諸悪の根源を断ち切るために協力するまでだったわ。アンドロイド達は自分達でこの星を支配するために私を飾り物に据えるつもりだろうと思っていたからあなたも引き摺り込んでやろうと思っていたけれど、お互いに結構良い待遇だと思わない。」

ユリアはちっと複雑そうな顔をして、

「今迄見た事のない高級食材を美味しく頂いています。何かこんなに待遇が良いと肥やして食料にされるのでないかと思います。」

アイリスは笑った。

「彼らは人間の肉は沢山手にしたから我々の番まで回ってくるには時間があると思うよ。それに残党狩りと称していろいろな悪人を殺して回っているだろう。悪人かどうか判らない人間もいるけれど。所謂水商売とかに手出すと危ないだろう。酒とかタバコの類には重税が科せられるし、私達の心情を汲んでいるのかも知れないけど。」

2人は市場調査と称して、国民の声を聞いている。こんな時にコミュニケーション能力の高い簡易型アンドロイドがいるのはありがたい。我々には話しづらい事でも簡易型アンドロイドには話せる。時々聞き捨てならない事も出るが。

「この間は、売春宿がなくなった事に文句をいう奴がいましたよ。バーやキャバレーがなくなった事を嘆く者もいましたしたね。」

十代前半の私達の感覚では許せないし、酒やタバコも必要ないと思うけど重税で我慢しているのだ。アンドロイドに尋ねても答えはでないし禁止すれば違反者は処刑されるし判らない事ばかりだ。

「今度来るマリエールという人に聞いてみようか。人間でしょう。」

ユリアはちっと驚いてニタニタ笑う。アンドロイド達が最上位に崇める存在にそんな話題を振る事にアンドロイドがどんな顔するか楽しみだ。

 会議室に人間の貴族やアンドロイドの最高幹部30人が集まった。正面にアリエルとユリアその前に転移陣。どんな風に現れるか聞いてはいるが信じ難いというのがアリエルの本音だ。アンドロイドが、

「マリエール様のご来場です、全員礼を取るように。」

礼の取り方は様々だ。頭を下げる方法もあるし、握手をする方法もある。この星でさえ様々だ。だからこの席での礼の取り方を統一した。男性は右腕で胸を叩く、女性はカーテシーだ。程なく転移陣が光り出した。光りに包まれる人影が浮かんできた。光りが消えるとアリエルと同じ年頃の少女の姿があった。

 アリエルとユリアは市場調査に出掛ける。簡易型アンドロイドはコミュニケーション能力が高い。水商売を禁止している事への不満がある。

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