表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
143/277

         143 天地創造

 オリビアは夜中に金縛りにあった。マリエールだ。内側の惑星の天地創造は終わった。10年後にこの星の天地創造を行う。移住を完了させよだ。

           143  天地創造


 オリビアは就寝中金縛りにあったように身動きが取れなくなった。それと同時にマリエールの声がした。幼い時そのままの声だ。

「オリビア、デルタ星の内側の惑星はたった今天地創造を終えたわ。移住出来る筈よ。デルタ星の天地創造は10年後の今日この時間よ。余裕あるでしょう。あなたが呼びかけるのよ。王女様の言葉は絶対でしょう。私は10年後にこの星に天地創造を掛けるだけ、私はあなたの望みを叶える。内側の惑星を天地創造して時間を開けデルタ星を天地創造する。私はなんて優しいのかしら。じぁ後はお願いね。」

オリビアは一言も言葉を発せられなかった。いいたい事は山ほどあるのに。オリビアは朝一番、急用で国王陛下に謁見した。

「国王陛下、デルタ星の内側の星、我々の母星が再生され移住可能に成りました。早急に調査団を送り、安全を確認して社会基盤を確立して移住を開始して下さい。内側の惑星を再生したマリエールは10年後にこのデルタ星を滅亡させます。昨晩お告げで私に知らせてきました。」

国王のオリビアがとても聡明な女性である事を承知している。先ず宰相に、内側の惑星に調査団を派遣する指示を出した。国王はオリビアに、

「オリビアよ。私は根拠もなくお前が内側の惑星の再生やこの星の滅亡の話しをするとは思わない。内側の惑星、我々の母星が移住可能になれば利用価値は高い。大いに活用する事になるだろう。10年あれば多くの人間がその星で活躍するだろう。開発や社会基盤の整備は私が人頭指揮を取る。しかしこの星が10年で滅亡するうんぬんは口にするな。王女の立場で口にすれば星が混乱する。クーデターの引き金をお前が引く事になるぞ。」

オリビアにも国王の危惧は良く判る。何時の世にも反体制の勢力は居て虎視眈々、こちらの失態を狙っているだろう。星の滅亡など口にすればたちまち叩かれる。判っている。

 内側の惑星の監視衛星の画像が公開されると星中が湧いた。調査団の派遣と開発についてのアウトラインが公開された。2年以内の移住開始が目標になった。オリビアは焦りのようなものを感じた。調査団の発表は移住するのに問題がないというものだった。ガンマ星人の原風景と呼べるものだった。しかし、既に過去のものであり是非とも追い求めたいものではない。

 国王とも何度か会談をした。オリビアは始めに内側の惑星の情報をもたらせた人物であり、監視衛星の画像はこちらから言わなければ埋もれていた可能性が高い。マリエールの事に触れた。オリビアは、

「恒星間移動が可能な星は恒星間移動が出来ない星の人間との接触が禁じられて居ます。デルタ星は恒星間移動出来ない星の王女を拐いました。交流会統括代理のマリエールは10年の猶予を於いてこの星の天地創造を行います。」

 これは揺るぎのない事実なのだ。公表は混乱を招くだけだろう。オリビアは内側の惑星の魅力や情報を集め発信した。内側の惑星の親善大使を自称した。5年経った現在でも内側の惑星に移住した者は数%である。

 マリエールが嘲笑う声が聞こえる気がする。

 国王陛下にその事を伝えた。国王は調査団を派遣するし、開発、社会基盤の整備も人頭指揮を執る。しかし王女のお前が星の滅亡を口にしたら星が混乱するから口にするなと言われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ