136 天地創造
ガンマ星の外周の星への移住が始まった。例外はあるがほぼ順調だ。しかしガンマ星人には殺傷の基準が判らない。
136 天地創造
ガンマ星の天地創造の済んだ外周の惑星に、100万人の人々が転移した。7割が女性だし、子どもが多い。男性は家族だ。男尊女卑の考えを持つ者は移住の対象にならないから、家族にその考えがある場合は対象から外れる。男性の殆どがそういう考えを持って居るから、意外と選ぶ家族が限りられる。従って男性は男尊女卑の考えを持たない珍しい大人かまだそのような考えのない子どもかだ。成長と共に男尊女卑の考えが表出した場合は処分の対象になる事は教えなければならない。どうしてガンマ星が滅亡するのか知らないと自分達も同じ運命を辿るのだと知らないといけない。そうしなければ自分達の将来は容易く閉ざされる。ガンマ星人は救いようがない生き物だとマリエールに思われたら終わりだ。ガンマ星人を救う事にマリエールは乗り気ではなかった。優しいマリエールでさえガンマ星人を毛嫌いしていた。どうしても救いたかったのはアンドロイドのエゴだ。救ったガンマ星人がマリエールの顰蹙を買う行為すれば、アンドロイドはマリエールが再びガンマ星の外周の惑星に天地創造を掛ける場面を見なくはならない。そんな事ならアンドロイドは外周の惑星のガンマ星人を皆殺しにする。例えその事でマリエールの寵愛を失ったしても仕方ない。自分で撒いた種は自分で狩らなけくてならない。
数千箇所に設けられた転移陣に次々とガンマ星人が降り立つ。10万人のアンドロイド達が次々と誘導する。30分おきに3回に別れて誘導するので混乱も少ない。居住場所に案内されるし当面の食料も提供されるので混乱は少ない。
少ないだけだ。ある事はある。しかも凄惨だ。場所が変わる事で泣き出す子どもいる。アンドロイドは反乱と判断して仕留める。我が子どもを殺され狂乱する母親--------------。アンドロイドは少なくとも3箇所で同様な事が起こっている事を承知している。しかし、仕方ない事だ。泣き叫ぶ人間など見た事のないアンドロイドにとっては、殺すべき相手でしかない。意味不明な行動を取る生き物を生かしておく意味ない。アンドロイドの前で泣き叫びぶ可能性のある子を生かしておきたいなら抱き絞めておくべきだ。家族に被害を拡大しないためには殺されてもじっとしているべきだ。
一部例外はあるが、移住は順調だ。恭順な民達だ。大きな騒動はない。食料や生活用品を取りに行く順番を間違える程度ではアンドロイドは怒らない。しかしテレパスの出来るアンドロイドには常習犯は許せない。射殺の対象だ。アンドロイドは説明しない。殺される基準が判らない。人々は不安を覚える。
アンドロイドは減っていき、一時の百分の一になった。アンドロイドを見かけるのは支給品を受け取る時くらいだ。当然アンドロイドに殺される事も減った。そんな時ガンマ星に天地創造が掛けられる場面が映し出された。自分達の星が滅ぼされた事に何を感じるかアンドロイドには判らない。彼らの心に怒りが渦巻いた。アンドロイドによる大量虐殺の始まりだ。
ガンマ星が天地創造を掛けられる映像が映し出される。ガンマ星人に怒りが渦巻く。大量虐殺の始まりだ。




