124 世紀末の世界
マリエールはアンドロイドに心優しい人々を一万人保護してちょうだい。その後天地創造を掛けるからという。アンドロイドは人を選別するような行為しないという。
124 世紀末の世界
マリエールは地球に対して深い愛着があるわけではない。地球人の能力は低く、倫理感にも問題がある。しかし関わってしまった。核戦争で滅んだと言っても確かに生き残った人間の気配はある。正しい心を持った人々を救って天地創造を掛けて、戻して生活させ時々見に行ってやろう。マリエールはアンドロイドを呼んだ。
「地球に行って心正しい人々を一万人連れきて。私が天地創造掛けるから戻して時々見に行ってやって。」
アンドロイドは露骨に嫌そうな顔して、
「とても嫌な仕事を押し付けるのですね。人間の選別をしろと仰るのですか。」
マリエールの心に突き刺さる言葉だ。これまでマリエールもアンドロイドも許せない存在は有っても選別しようとした事はない。マリエールは言い直した。
「あなたは地球に行って、助けたいと思う人間だけ助けてちょうだい。いなければいないでいいわ。私は天地創造を掛けて彼らを皆殺しにする。世紀末世界なんて私は認められない。」
核戦争後に生き残った人類の凄惨で異常な世界。秩序もなく力だけが支配する弱肉強食の世界。荒れ果てた大地にしがみついて生きる僅かな人々。ほっておいても大抵絶滅するし、シェルターにいれば安心というのはほとんど迷信のようなものだ。問題は核保有国は相手の国だけを攻撃する。当然相手も攻撃してくる。2ヶ国間の戦争であれば生き残る人類も多いだろうが、大抵は複数の国の争いになる。誰もが人類を絶滅しようなんて思わない。各国が人類を絶滅させない程度の核兵器を使う。核保有国の国民はシェルターに避難する。核を保有しない国の一部が生き残り、世紀末世界を演出する。
地球はまさに、世紀末世界を作り出していた。放射能の影響があり何らかの疾患のあるものが多い。秩序は無く。強いものが弱いものを虐げる世界だ。アンドロイドはこんな世界無くなればいいと思った。マリエールに頼んで直ぐ天地創造してもらおうと思った。そうしたらシェルターも無くなり、人間のいない星になる。そう考えいたら声掛けられた。別に地球人の風貌に合わせてもいないから地球人だとは思われてない筈だけど空中に浮い居るから天使のような存在に思われたかも知れない。少女と思われる人間が、
「我々に終末を告げる天使様ですか。我々は食料尽き死に行くばかりです。」
彼女からは邪悪なオーラも放射能での疾患見られない。核戦争が起こる前から隠れ住んでいたそうだ。食料が尽きて調達しに来ているらしい。
「私は天使ではありません。確かにこの星は終末を迎えます。その前に救える命は救いたい思ってやってきました。」
2人は隠れ家に行き、アンドロイドは食料を提供した。責任者に会って事情聞いた。核戦争が始まる時に子どもだけは助けようというという活動がある。連絡を取り合っているが何処も食料が尽き掛けているそうだ。アンドロイドは責任者に聞いて食料援助を始めた。この星の未来、マリエールの星の事を語った。責任者は移住させて欲しいと言った。アンドロイドも了承した。
地球は酷い有り様だ。治安も無く弱肉強食の状況だ。そんな中、子ども達を避難させている施設の子どもに出会った。




