106 新たな仕事
星に戻ったマリエールは悪魔リッチや魔族長に会う間もなく万能者に仕事を命令される。恒星間移動可能なターニア星が恒星間移動出来ないスジャー二星に接触している。
106 新たな仕事
マリエール達は、悪魔リッチや元魔族長の様子を見る前に、彼から連絡が入った。交流会に入っていない恒星間移動可能なターニア星が恒星間移動出来ないスジャー二星に接触した。何とかしろだそうだ。最低でも止めさせろ。場合によってはターニア星に天地創造を掛けろだ。昔は前段がなかっただけ進歩した。兎に角、スジャー二星に行かないと。
マリエールとアンドロイドは反物質装置でスジャー二星に飛び、相当数のアンドロイドを転移させ、ターニア星の宇宙船を探させた。その結果、この星の島国にある3隻のみが現在この星にある事が判った。
船員の一部がこの国の王城に入り王城の関係者と会談している。マリエールと一部アンドロイドが透明化して気配を消して、彼らの会話聞いていた。ある程度聞いて言語も理解して(スジャー二星の言語だ)マリエールは透明化を解いて彼らの前に立った。
「ターニア星の皆様、スジャー二星の皆様、私は交流会の統括者の代理人マリエールです。ターニア星は恒星間移動可能な星は恒星間移動の出来ない歴史を持つ星への接触はしてはならないという交流会の取り決めに違反しています。ターニア星は罪を認め交流会の処分に従わないなら、星を滅亡させます。罪を認め従いますか。反抗しますか。」
お互いに顔を見合わせた。一人のターニア星人が立ち上がって、
「我々は交流会というものもそんな取り決めがある事も知らなった。我々は指示されて動いている。問い合わせの時間が欲しい。」
マリエールは冷笑した。
「問い合わせた結果、会談を続けよと言われたら、ターニア星は滅亡するのですよ。それより直ぐ帰って交流会の処分を受け入れるかターニア星が滅亡するのを選択するか決めた方が賢明ではないですか。」
船団は会談を中止して、ターニア星に戻る事になった。連絡用にアンドロイドが一体宇宙船に同乗した。
船団長は任務を遂行出来ず、良く判らないまま星に帰る事に苛立ちを覚えた。アンドロイドに質問した。
「処分てどんな処分がされるのだ。」
アンドロイドは少し考えた。
「交流会の事を知らず、取り決めの事も知らないで、ただ通商目的の会談をしていただけなら恒星間移動の手段の剥奪でしょうね。別の疑惑があれば別ですけど。」
別の疑惑と言われ苛立が募った。
「別の疑惑とは何だ。」
アンドロイドは冷静に、
「星からの搾取、残虐行為、奴隷化なのですよ。なかったですよね。あったらマリエール様は姿を現さず、あなた方を殺してターニア星を滅亡させていましたから。あなた方の会話からは通商の話しかしていなかったですからマリエール様は姿を現されました。良かったですよね。」
良かったかどうか、船団長には判断出来ない。恒星間移動の船団長になったのに無になった。しかしこの宇宙船には専用のエンジンがある。言葉で禁じても止まらないぞ。
「心配なく。万能の力のあるマリエール様が決めれば、あなたの星から恒星間移動しようするものにとっては、違う太陽系は永遠の彼方です。行けども行けども辿り着けません。やがて漂流する事になります。マリエールはただ恒星間移動が出来ない事を伝えるだけです。」
任務を遂行出来なかった船団長は苛つく。恒星間移動を禁じてもこの宇宙船は恒星間移動出来ると。アンドロイドはマリエールが決めればこの太陽系にとっては他の太陽系は永遠に辿り着かない彼方になると。




