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逢魔が刻

風花

作者: 名月らん

はじめて訪れた土地


大学を卒業し就職先のアパートを探しに訪れた2月はじめ。

早々に気に入る物件を見付けた。

帰りの高速バスまで結構時間がある。


まだ14時すぎか…


そうだ、帰りの時間を早めようか?

今なら間に合うし…

それより遅い昼ご飯でも食べようかな


とスマホで検索していたら、可愛い神社に巡り合った。


ここから徒歩10分圏内かぁ…

行けるんじゃない?

お昼はコンビニで買ってもいいし


なんとも言えない冒険の感覚に、ウキウキしながらその神社に向かった。


大きな通りを曲がり路地をゆく。

左手には高い柵があり木が生い茂っている。


ここの奥だったりして…


そう思いながら進んでいると、頬に何かがあたった。

驚いていると風が吹き冬晴れの空から雪が舞い降りてきた。


風花だ…


とっさにそう思った。


寒いけど空気が澄んでるしキレイだな


そんなことを考えながら道の先の角を左手に曲がりふと見ると、神社が現れた。

つい最近神事があったのか名残の飾りと、手水に花が生けられている。

鳥居の奥の拝殿には光が指し輝いて見え、驚いて目を擦りもう一度見た。


やっぱり輝いてる


吸い寄せられるように拝殿に向かい参拝を済ませた。

右隣に小さな宮と左手奥には稲荷社。

ふと右隣の宮が気になった。

そこで気付いた…


ああ、ここにいらっしゃった。


何故かそう思い、右隣の宮へ向かった。

小さな池の奥に赤い可愛らしい橋がかかり、その奥にいらっしゃった。

その橋は渡ることは出来ないが、手前に参拝の場所がある。

そこで参拝を済ませた。


稲荷社にもと思ったが何故か足が進まない。


あぁ来なくていいってことか、ではいつかお迎え頂いたときに行かせていただきます


そう心のなかで祈り、御朱印をもらいに行った。

手書きの御朱印と、書き置きの可愛らしい御朱印をお願いすると


「そうだ、昨日の祭事用の特別な御朱印がありますが」


と言われとっさに


「お願いします」


といった。

宮司は笑顔で頷き奥から持ってきてくれた。

淡い桜色に可愛らしい花が描かれた御朱印にうっとりと見とれていると


「この一枚だけ残っていたのでご縁ですね」


と言われた。


「はい、ありがとうございます。またご挨拶にこさせていただきます」


そう言い、深々と頭を下げ神社をあとにした。


あの時スマホで検索しなければ

行こうと思わなければ

風花が導いてくれなければ

風が木々を揺らさなければ

この神社に導かれていなければ

この特別な御朱印も可愛らしい水の神様方にもお会いできなかった。


なんとも言えない温かい思いに感謝しながら、帰りの高速バスに乗り込んだ。

そして家に帰り着きニュースを見て驚いた。

神社によっていた時間、帰りの高速道でトラックが横転し荷物が散乱し、通行止めが行われていたのだ。


あぁ、よらせて頂いてありがとうございました。

これから宜しくお願いします


そう心でつぶやきながら眠りについた。




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