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真田隆盛記 ~おゆきの戦国日記(ぶろぐ)~  作者: とむ熊 しのぶ
安土会議編
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090 安土会議

ついに安土会議が開幕する。


程無く私は佐助2号と別れた。館からお女中達のお迎えが来たのだ。最初私の事をいぶかしんでいたお女中達だったが、あまりの佐助2号の私への懐きぶりに、少しホッとした様だ。


そろそろ会議に備えて一旦戻った方が良さそうな陽の高さになって来たので、私は佐助2号に「じゃあな」と手を振り颯爽と其の場を立ち去っていった。名前を聞かれたので「幼児の味方!美少女仮面!」と冗談めかして言ってやった。名乗る気はないと察してくれるだろう(笑)


それでも向こうの方からブンブン手を振る佐助2号。本当に可愛いやつじゃ!



私が信忠さんの私邸に戻ると信忠さんも私邸に戻って居た。


仕事を抜け出して来たのかと思っていたら、着替えに来たそうだ。流石にいつもの格好って訳には行かないのだろう。


びっくりしたのは、なんと佐助と会話していた事である。


佐助は凄い迷惑そうな顔をしていたが、元来の人懐っこい性格でガンガン攻めている。内容が今後の忍軍の扱いだったので、忍軍の派遣組のリーダーである佐助としては逃げられない話題で、中々信忠さんの策士っぷりが窺える。


それにしても、前言どおり佐助と仲良くしようとしてくれているのが、とても嬉しかった。


ちなみに、今後について、私は従来通り真田源次郎幸村として、近習の継続を仰せつかった。側室おゆきとの二重生活を強いられるが、完全に開き直っている私としては望む所だ。むしろ近習として信忠さんと色々な所を飛び回る方が良い。


以前より近習姿に自身を持っているのは、やはり女衆の存在が大きい。彼女たちに任せれば、男姿も訳ないと思い知ったからだ。おりょうさん曰く、顔の造形が整っている人は、何とでもなるそうだ。美少女(自称)で良かった(笑)


佐助は私の従者として、真田家家臣として扱われる(扱われるも何も実際ほとんどそうなのだが)。身分としては近習に準ずるものとなる。


十蔵は信忠さんの新規雇い入れた近習とする事になった。


本能寺の変で多数の近習や従者を失った信忠さんが新たに周りに人を雇い入れたとしても特に違和感は無いだろう。


ちなみに、佐助は横谷佐助、十蔵は筧十蔵という苗字を仮名でつける事になった。本当は上月佐助にしようとしたのだが、上月の姓は信州忍者の通り名として有名すぎるのでやめた方がいいと言う事になり、師匠の遠縁と言う設定で横谷姓を拝借した。真田家家臣としてはぴったりだろう。後で師匠に断る必要はあるが、佐助を実の子の様に可愛がっている師匠は否とは言うまい。


筧姓は十蔵がよく使う偽名で、偽の経歴(しかも複数)まで既に持っているそうだ。


私を含めた三人は正装して、信忠さんに同行して安土会議に出席する事になった。侍従として正式デビューである。今更な感じはするが・・。


信忠さんも今日ばかりはちゃんとした格好で、珍しく直垂姿で、大きく家紋が染め抜かれた大紋直垂というかなりちゃんとした正装だ。


普段結構ラフな格好をしている信忠さんだが、こういった格好も中々凛々しくて格好良い。眼福物である。


我々は連れ立って、本丸の最も大きな部屋へ向かった。


既に全員が着席していると言う事で、信忠さんはそのまま入室した。小姓による呼び込みがあり、皆平伏している。


信忠さんは、当然ながら上座に座り、我々も側に控えた。


信忠さんは「皆ご苦労」的な事をいい。表を上げさせる。


「会議の前に、一つ私的な事を伝えて置く、この度、俺は真田安房守昌幸の息女おゆきと婚約した。正式な婚礼は父上の喪が明けてからとなるが、この後予定している宴で挨拶させる故、以後宜しく頼む。」


ええーー。今言う?!しかも宴会で挨拶って、無理無理。銀杏に影武者させちゃ駄目??


若干ざわざわして、部屋の末席近くに珍しく畏まっていた父を振り返る者もいた。


あの真田が織田家の外戚となる?!これは、家内のパワーバランスとしては結構な爆弾発言ではあった。


しかも、今信忠さんには、正式に妻と呼ばれる正妻はおろか、側室もいない。婚礼と断言した事から、正妻または其れに次ぐ扱いである事は明らかだ。


あらかた予想していた丹羽さんや秀吉さんは流石に平然としていたが、あの池田恒興さんですら、ほう?という顔をしていた。


信忠さんは手を上げて皆を静めると、この話は、これまで!と言う感じで、丹羽さんを促した。


丹羽さんが本会の開会を宣言する。


まずは信忠さんの挨拶だ。


「あらためて皆の者、夫々忙しい中の参集ご苦労だった。また明智光秀の反乱と言う大災厄の中、夫々が役割を果たし、こうして無事、安土に集まる事が出来た事、嬉しく思う。」


信忠さんはそこで一旦言葉を区切り、皆を見渡す。


「先の変では、不幸にも我が父信長をはじめ多くの忠臣が命を落とし、此処に集まれなかった者いる。だが、生き残った我々は父がこれまで築いてきた天下泰平の礎を守り、その仕事を完遂させなければならないと俺は考えている。父のその意思と宿願は、この嫡男織田信忠が受け継ぐ、皆の者も父の時と同様、いやそれ以上に俺に力を貸してくれ!」


信忠さんは織田政権を引き継ぐ事を宣言した。


皆ハハーと平伏し、あらためて忠誠を誓った。勿論反対する者は誰もいない。信孝さんですら、その心中は兎も角、皆と共に平伏している。


中には恒興さんを筆頭に咽び泣いている者もいた。きっと信長さんと親しい人達だろう。私は秀吉さんの方を窺い見た。予想通り号泣していた。この人は本当に・・・。


父も大人しく平伏していたが、きっと心中はかなり白けているに違いない。頼むから、目立たず大人しくして居てね!!


所謂清洲会議とは大分様子が違うものになりましたね。清洲会議は、残された重臣が集まって、今後どうするよ?という話をする為のもので、限られたものだけが集まって、例えば滝川さんですら失墜著しかった事もあり出席を断られました。結果はご存知の様に、秀吉さんが信忠さんの息子を担ぎ上げてイニシアチブを獲得する事になります。今回の場合は、その辺の事情は全く違って、嫡男であり信長さんからもはっきり後取りと認められていた信忠さんが変を生き残り、しかも直接的に光秀さんへ仇討ちを果たしたわけですから、異論も唱えようありません。なので、このお話では信長さんの後継者を宣告する的な事になるわけです。なので、会議というのは本当は違和感あるのですが、まぁ清洲会議を意識してあえて安土会議としました(勿論清洲会議にしたって、当時からそう呼ばれていたわけでは無いとは思いますしね(笑))

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