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真田隆盛記 ~おゆきの戦国日記(ぶろぐ)~  作者: とむ熊 しのぶ
反撃前編
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045 作戦会議

丹羽長秀と今後について話し合う信忠。厳しい現実と直面することになる。


信孝さんは結構な困ったちゃんなのかもしれない。


「して信忠様、いや上様には今後に何かお考えはありますでしょうか?」


織田軍ではトップダウンが基本なのでまずはこう言う質問になってしまう。もちろん丹羽さんも腹案はあるだろうが聞かれない限りは言わないかもしれない。


「難しいところだな。味方をかき集めるしかないが、如何せん主力が遠すぎる。柴田か秀吉。どちらでも良いので駆けつけてくれれば勝負は付くと思うが、時間がそれを許すか・・。一益はもっと無理であろう。」


信忠さんはお互いの認識を整理する為、一つ一つ確認するように言う。


「畿内近辺でとりあえず数が読めそうなのは、摂津か・・。」


信忠さんは頭の中で数勘定をしている様だ。


「池田ですな。あれは信長様の乳兄弟ですからなら。後高山と中川勢も硬いかと。畿内はどうでしょう?」


丹羽さんの方が知ってそうだがそう尋ねて来た。信忠さんの意見を聞きたいのだろう。


「筒井か・・。アレには信雄を旗頭に畿内の勢力を纏めろとは一応言ってはある。「敵討ちの際は必ずや信雄様と駆けつけます」等と一見殊勝な事を言って来ているから勢力を纏め上げる位の事はするだろうが、余程決定的な局面にならない限り、参戦はして来ないだろう。あちらは、俺や信孝にもしもの事があった時の保険位に思っておこう。」


なるほど、織田家を残すためだけの役割ね・・。期待されてるなぁ!信雄さん!(笑)


「やはり、柴田か秀吉のどちらかから援軍を引っ張って来るしかないな。情勢はどうなっているかわかるか?」


丹羽さんに聞いてみる。


「北国の方は相変わらず全く連絡を寄越してきません。そちらへの報告は御座いませんでしたか?」


「一応魚津城が落城寸前だとの報告はあったが、それ以外はどうも芳しくない印象だったな。上手く行ってない時ははっきり言わないだよな~あいつは。」


丹羽さんはですか~という感じで溜息を洩らした。


「西国の方は、もう仕上げの段階です。そもそも、信長様に一押ししてもらって毛利に完全降伏をさせる為の救援要請ですからね。幾ばくかの所領を安堵すればすぐにでも和睦に飛びつくでしょう。ただ、仮に即座に和睦して、とんぼ返りして来ても十日はくだらないんじゃないかと。」


「時間は結構問題だぞ。あまり事を起こすのに遅れると京・畿内以外の勢力もどう動くか読めなくなる。特に北条の動きが心配だ。後美濃で光秀に呼応するものが出るやもしれん。」


丹羽さんが恐る恐ると言った感じで口を挟む。


「禁裏の方はいかがでしょうか?」


「今しばらくは東宮殿下と貞成が頑張ってくれると思うが、少なくとも俺が健在なのを出来るだけ早く喧伝する必要がある。まかり間違って変な勅旨でも出されようものなら堪らん」


しばらく考える信忠さん。


「あまり気乗りせんが、親父殿にもう少し働いてもらうか。」


信忠さんのその言葉に、少し驚いた丹羽さんだったが信長様はご健在なのですか?等と無駄な事は聞かない。信忠の続きを待つ。


「実は親父殿の遺体はまだ見つかっておらん。これはお幸の手の者が知らせてくれた情報なのだが、無事本能寺から逃げおおせているという噂を流そう。北国逃亡中でも、大けがをしているが安土に辿り着いているでも、または俺が何処かで匿っているでも構わん。親父殿がまだ生きているとなれば禁裏も震え上がっておいそれとは動くまい」


「お幸頼めるか?」と言われたので「勿論」と二つ返事で請け負った。そういった仕事は忍びの得意技だ。


後は根本的な問題の解決策の思案だ。


「細川はどちらに動くと思う?」


丹羽さんに問いかける信忠さん。正直当面一番気になっている事だろう。


「正直読めません。あ奴も主君を渡り歩いて来た奴ですからね。直感で申しても?」


信忠さんは「かまわん」と続けさせた。


「明智とは閨閥を深くしておりますが、少なくとも明智につくとは思いません。さすがに明智が天下を取るとまでは考えないでしょう。もし運よく我々を排除出来たとしても、柴田殿か羽柴、或いは徳川殿・・当面はこの三者のうちの勝者が・・と考えるのではないかと思います。時節を読むことに掛けては抜かりの無い奴ですからね。」


私は少し丹羽さんを見直した凄く冷静な判断だ。読みも正確な様に思える。それでいて自分と信忠さんの事を「我々」と呼んで、どこまで織田に殉ずる決意まで見せている。いい人だ~。私はちょっとこのおじさんを応援する事にした。


ここはひとつおゆきちゃんが一肌脱ごうかな!


私はあの~って感じで手を挙げてみた。一つ思いついた事があったのだ。


信忠さん、ハイ君!って感じで指をさして来た。丹羽さんはお前まだそこにいたのか?!って感じでびっくりしていた。私はおずおずと提案してみた。


「あの~秀吉さんを迎えに行ってはどうでしょう?」


いやだから迎えに行っても、戻って来るのに時間かかるんだって。というあからさまに落胆した顔を丹羽さんにされた。


ですから~。という感じでは私はお二人に私の思い付きを披露した。


その瞬間二人の表情が一変した。


「それだ!」という重なる二人の歓声。


続けて信忠さんが「お幸~。お前は天才だー」と言いながら私を抱きかかえてクルクルと回りながら踊った。


恥ずかしいからやめて~!!


前話登場の信澄さん。あまり歴史的には注目される事が少ない人ですが、結構スペックは高かったらしいですよ。津田信澄という名で書かれる事が多いですが、この話では一門宗という事を強調する為、織田姓で登場して貰ってます。実際津田姓は誤解だという話もありますし、好都合でした(笑)活躍して貰えるといいなと思ってます。信忠さん以上に正統派イケメンでおゆきと四角に・・・なる事はまずないですね(笑)

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