オープニングその3
中学生にラチられたと思ったらよくわからん感じにブラックアウトした
目を開けると、辺り一面見渡す限りの荒野が広がっている。
「…口笛が似合いそうな風景だな、吹けないけど。あとはガンマン?」
益体のない独り言を呟きながら体を起こす。自称神様と話をしていたはずだが、気が付けば荒れ地にうつぶせ寝、食堂でごほうびご飯を楽しんでた時から体感三十分でこの変わりようである。
「しても、ここは、なんだろ。と言うか何が起こってんだか。自称神様とやらは結局具体的な説明終わってなくね?」
「はいー、なので神様の私がわざわざついてきましたよー。」
吃驚して振り向くと足元に小さくなった神様(自称)が居た。
「本来ならあの場所で説明のあと、職業の選択やスキル譲渡、パートナーを選んでチュートリアルがあるはずなんですがー。時間も無かったのでこっちで決めさせていただきました」
こちらの反応を気にせず話を進める。
「なのでこの世界では一般的ではない妙なものになりましたがー、まぁしょうがないですよねー」
「おいまて、まってください。さっきからあれだけど色々聞き逃せないことばっかりなんだけど、その、だから、会話をしてくれませんかねぇ?」
この自称神様さんは、何故か手の平サイズになっていて、俺のくるぶし辺りに向かってマイペースに話を進めている。
「そうですねー、空気もあんまりよくない感じですし。落ち着いてお話したいのでー。さっそくですがスキルを使っていただきますー。よーいしょっと」
振り返る俺に言い終えると、ふわりと飛びあがり俺の腹の中に入ってきた。頭に直接声が聞こえる?
『それじゃー、思い浮かべてください。貴方の中にある、一番身近でイメージが楽なのりものを。
…あ、これですね。使い込まれてますねー。まぁ気になるほどのにおいじゃないですし、タバコは吸われてないですね。それではこちらは準備完了です、ぐっと気合いを入れて『クリエイト』と唱えて下さいねー』
言われた通りにイメージし、何故かディスられた気がするがもう考えないようにしておく。
「クリエイト!」
ちょっと自棄になりつつも言われた通りに気合いを入れて叫ぶ。自分の中の何かがごっそりと減った感覚があり、一瞬目眩を覚えたが持ちこたえた。
『気合い入れすぎですねー、こっちまで影響来るって、よっぽど素質がないんだかあるんだかですー』
さっきから割と辛辣な感じにイラッとしつつ目を開ける。すると目の前に、体感では三時間ほど前に乗っていた愛車が現れた。