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はたらくのりもの  作者: 楪葉 悠乃(ゆずりは ゆの)
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小さな村その2

得体の知れない娘の恩人は、得体の知れない食べ物を差し出してきた。

得体の知れない食べ物を差し出された。怪しいことこの上ないのだが、娘の恩人がわざわざ持ってきたものだ。娘も美味しいと言っていた。普段の食事は好き嫌いなく何でも美味しそうに食べてくれているが、あれほどの勢いで美味しさを肯定するのだ。年に一度の祭りのときでも食べ物であれほど高揚した娘を見たことがない。私の料理よりもこっちの方が良いのだろうか?


ちょっと複雑な気持ちになるが、私が食べないことには始まらないだろう。素材のよくわからない袋からは不思議な匂いがしてくる。油や塩、香辛料も使われている?


差し出された黒いモノを恐る恐る口にした瞬間、サクッとした歯応えと甘味が口腔内に拡がる。続いてほろ苦さと複雑な旨味が脳に直接響いてくる。朝方に使った魔力が即座に回復していく感覚、寝不足が続いた身体のダルさも嘘のように消えていく。


「これは!?」


「あ、あれ?お口に合いませんでした?甘いもの苦手です」


「あ、すまない。いや凄く美味しいと思う。ただ、あまりにも凄い効能だったので、取り乱して申し訳ない」


きっと効果な霊薬でも入っているのかもしれない。貴重なモノを惜しげもなく振る舞う、思った以上に大物なのだろう。


「これ美味しいっすねー!これは何すか?これはー?あ、こっちも超うまいっすー!」


「あまーい、美味しいー!」


「ほう、このしょっぱさは癖になるな。海藻を干したものだろうか?」


私が食べた反応を見た後で各々が男の持ってきた食料に手をつけ始めた。私もこの時ばかりは譲れないと目に写った饅頭に手を伸ばす。どれも滋味深く、腹の底から力が漲ってくるようである。


「喜んでいただけてるようで良かった、気に入ってもらえるかわからなかったのであんまり量は持ってきて無いんですが、車に戻れば幾らでも造れると思いますから。おかわり今から持ってきましょうか?」


…?

皆がピタリと固まる、静まり返る。平静なのは目の前の男と私の娘だけのようだ。


「え、今なんと?」


私の口から、反射的に言葉がこぼれる。


「あ、足りないかなーと。すみません、もう充分でした?あんまりお菓子ばっかりってのもあれですよね」


「いやいや、その、もっといただけるというのは望外なのですが、そうではなくて。今先程、造られると仰いました?」


「はい?えーっと、はい。この世界って、魔力でモノを造るのって、そこまでおかしなことじゃ無いんですよね?確かコロナから聞きましたけど、村長さんもお米が産み出せたりするとか。」


「米や小麦と言った簡単なものならばですが。失礼ですがこれを、この持ってきていただいたモノを、幾らでもお造りになられると言うのでしょうか?」


「そうですね、限界まで試したことがないから幾らでもってのは確かにわからないですね。でも何か減り具合とか感覚的では、百袋分くらいはとりあえず出来そうですけど」


どうやら目の前の男は魔族とか怪物と言うものを遥かに凌駕する存在であるらしい。

村長さんは魔力を全力で使って、1日米俵四つくらい。240キロの米がつくれます。

朝方に3俵、お昼はデスクワーク、夕方にもう一俵つくれるくらい。


こめだわらいっぴょうでざっくり60キログラム

精米粗くても50キログラム以上

一升が約二キロなので、50人の村の主食は足りてますね。加工したり色々頑張ろうとしてますが、まだまだ年月が必要です。

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