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笑わない少女と勇者と召喚…… Side:スバル

6月6日(月)の投稿になります。


今回から第二章になります。


Side:遠崎とおざき すばる




エクスエンドオンライン(Ex End Onlin)通称E2Oは、西暦21XX年に販売されたVRMMORPG(Virtual Reality Massively Multiplayer Online Role-Playing Game)で、販売元はリエルタ社という所だ。



世界はおおよそ40年ほど前、マナスフィアと呼ばれるタイムラグなしで通信可能な新通信技術が発明され、瞬く間に広がった。

それにより情報インフラは整備され、まさに世界の全てがつまびらかになったといってもいいだろう。


特に大がかりな設備や機械を使用することなく、まさに旧世代のスマホサイズの情報端末によってフルダイブすることすら可能となった世界。

当然のように人は、その技術をさまざまな分野に広げた。最初は軍事、または医療にそしてVR技術にも着手するまでに。

最終的には娯楽、つまりゲームの開発に至る。


僕が生まれた時は、すでにそういった技術が当たり前のようになっていたため有難みなどは感じたことはないけど、VRMMOと出会わせてくれたこと、それには感謝してもいいだろう。


中でもこのE2Oとは僕が中学のころに出合った

現在、高二だからもう4年の付き合いになるのか……


ゲーム自体はもう6年も前に稼働していた。

そして、僕の青春だったE2Oは今日その幕を閉じる……





ログインしてすぐ僕はステータスをチェックした。


名前:スバル


職業:剣聖マスターオブソード/勇者ブレイバー


レベル:500


STE:255


DEX:255


AGI:255


VIT:255


INT:125


LUK:156


INTとLUKはカンスト(255)しなかったけどそれは職的に仕方ないと思う。

そもそも剣聖マスターオブソードは魔法が使えない。その代わりに多彩なソードスキルがあるんだけどね。

剣聖マスターオブソードの後にある勇者ブレイバーは全プレイヤーにある称号みたいな物で、これはゲームの設定が勇者召喚によってプレイヤーが召喚されてこっちの世界の人間、エルフなどの亜人含む、に受肉するという物だからだ。

これによってゲーム中でリアルの話をしてもおかしくないという運営の考えなのだろう。


最期にLUK、つまり運に関してはレベルアップでランダム成長だそうなので人によってまちまちだ。

E2OではレベルカンストすればLUK以外は職以外での能力の差は無くなる。個人差が出るのは装備によるものだけだった。

能力による個人差を認めたらゲームの公平性が無くなるしね。



……うん、問題ない今まで僕が鍛えに鍛えぬいたレベルカウンターストップキャラの能力値そのものだ。



現在、僕が居る所は始まりの草原。

これはゲームのスタート地点である、なんと言ったかな……そうだスタットの街だ。

そのなんの捻りもない街の側にある最初の初心者が行く狩場だ。


僕はこのゲームの終了のアナウンスがあってからエンドコンテンツである場所から順に回ってやっとこの始まりの草原に着いた。



なつかしいな……

僕が始めた時はすでに稼働から年数が経っていたから、初期街(これは種族によって異なる、人間はここ)はすでに過疎ってたっけ。


でも、偶然初期街に来ていた盟主と出会ってクランに入れてもらったんだっけ。


大分前に引退しちゃったけど元気にしてるかなあ、稚魚の誉れ(ちぎょのほまれ)さん……

ヤーマ、ヤーミの双子姉妹とは一昨日に別れの挨拶はしたし、フレももうINしてない。

それどころかこのサーバーに接続してるの僕だけだよ。


ハァ

ため息が出るのはしかたないよね?


さてサービス終了まであと2時間くらいか……

スタットの街で最期を迎えようかな。


僕は街までゆっくりと歩いていく。



なにげなく周りを見渡すと、僕の目が一人の少女の姿を捉えた。


うん? プレイヤーはいないはずだからNPCかな?


この草原にあんなNPCいたかなあ?

アップデートは何回もあったが、初期街救済テコイレはついぞなかった。


つまりあれはアプデによるNPCじゃない?

でもだったらあれは……


あれこれ考えているとその少女と目が合う。



ドクンッ


その時、心臓の鼓動が跳ね上がるのを感じた。

その少女はなんだか傷ついていて途方に暮れていて今にも死にそうだった。

見た目ではなく、そう心が。


僕はそう感じてしまった。NPCのはずなのに彼女を救いたい! そう思ってしまったんだ。


僕が彼女に手を伸ばそうとした時、突然、頭の中に無機質な声が響いた。



システムアナウンス:特殊クエスト 笑わない少女 が開始されます。


システムアナウンス:これによりアークファニアへの次元回廊が開かれます。


システムアナウンス:クエスト受注者名:スバル をアークファニアへと転送します。


システムアナウンス:召喚シークエンス、カウント10からスタート……9……8……7……6……5……4……3…………2……1……0 転送します……




カウントの声と共に僕の意識は途絶えた……





警告! 警告! 予期せぬ異物による次元回廊へのアクセスを確認!


近似値98%の確率で異物を個体名:オージャと推定!


早急にアークファニア世界管理AI:ル・シャラの再起動を推奨します。


サブAI:ガールヴァ、否決 スーリア、否決 マナハトル、条件付き賛成 レト、条件付き賛成 ……否決 ……否決 






そして目が覚めた時、僕の目の前にはあの少女が居た……



「目が覚めたかしら? 勇者ブレイバーさん?」


そう言って倒れた僕の前に仁王立ちで立つ彼女の……


「白……だ」


彼女の短めのスカートから覗く純白の下ぎ「死ね! クソッタレ勇者ブレイバー!!」



そうして再び意識を失う最後に目にしたのは彼女の靴の裏で……






二章から時々マキナ視点とスバル視点が変わる場合があります。


第二章もよろしくお願いいたします。

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