それは新手の拷問ですか?
「リロイ様!」
午後の打ち合わせに来たエレクトラは挨拶もそこそこに長い木の棒をリロイに渡した。
「ガストさん、これをお持ちになって!」
『え…??』
困惑する男二人に怯むことなく、エレクトラは指示を出した。
もう、異議ありなんて言えないような威圧感を二人はひしひしと感じて言われるがままにするしかなかった。
のちにガストは語った。
かの人はまるで女王であったと。
☆☆☆☆☆☆
「グッ…ふぁ…もう…」
「リロイ…もうちょっと…下手に動くと俺が…っ」
扉を開けたハナが見たものは、
角度によっては男同士であらあらまあ、BでLな関係に見えなくもないリロイとガストが汗をかいて苦悶の声を上げている姿だった。
なんのこっちゃであるが、簡単に言うと二人で人間ぶら下がり棒をしているのだった。
木の棒を持ったリロイをガストが重量挙げよろしく持ち上げているという。
「リロイ様もガストさんも後1分ですわ!!
リロイ様!
その棒をお姉様の手だとお思いになって!
ガストさん!
リロイ様を崖に落ちそうなハナさんだとお思いになって!」
「リロイ様!後少しです!ゼベットは貴方ならできると信じております!」
そんな二人を応援するエレクトラと従者。
「姉上えええぇぇぇぇ」
「お嬢おおおぉぉぉぉぉ」
最後の力を振り絞り声をあげる二人。
ぱたむ…
と、静かに扉を閉めたハナはとりあえずなんか甘いものを買ってこようと思った。
みんな疲れてるんだよ、うん。
差し入れしよう。
しかしイイモノみられたよ。
前世が腐女子というのもおこがましいと謙遜するが、そこそこ腐海の海にどっぷり漬かっていたハナは少し幸せに思ったけれど、口には出さないことを誓ったのだった。
ぶら下がり棒で背が伸びるは自分では実証されませんでしたが(笑)、腰痛や骨矯正にいいとちらりと聞いた気が…
家にもあった気がしたとふと居間を見たら、立派な洋服かけに進化してました。
(´・ω・`)