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鼻血が出ちゃう、だって女の子のだもん。

リロイの天然に半笑いしつつ昼食兼おやつを食べ終えた面々は仕事を再開することにした。


丁度よくリロイの従者のゼベットが来て一人一人に飲み物を出していく。



「ゼベットさんや、俺の飲み物が無いんですが。」



仕事待ちのガストが名乗りをあげると、笑顔でゼベットは言った。



「働いてない人にはこれで十分です。」



差し出されるのは水。

ただの水。



「ひどい!俺差し入れもってリロイ達の空腹満たしてあげたのに!」



「よよよっと泣き崩れても可愛くはありません。出直してらっしゃい。」



「美味しい料理届けたのにこの仕打ち!」



「作ってくださったのは料理人ですよね。」



「重かった!弁当箱は重かった!俺すげーがんばったぜ!」



「はっはっはっ、ガストさんそれより重いもの装備したり担いで戦ったり、遠征したりに慣れてらっしゃいますよね?

弁当なんて羽根より軽々でしょう。」



三文芝居をはじめる二人にリロイ以外の女性陣はどうしたものかと困り顔。

笑っていいものか困っているようでもあった。

貴族の女性は大口をあけ大爆笑などはしたないとされる。

微笑むか、扇で口元をおおい笑うくらいまでが可といえた。



「二人ともいい加減…」


「ひゃっ?!」



立ち上がったリロイと、書類を山程積んでよたよた歩いてきたハナがぶつかり、倒れそうになるハナと書類をゼベットが華麗にキャッチした。

もちろん先程まで持っていた水の入ったコップはガストに向かって放り出していた。

普段ならばガストも余裕で避けられたであろう。

しかし、状況が悪かった。



「お嬢!」


バシャッ


『あっ…!!』



ハナを助けようと手を伸ばした為に頭から水を被るはめになったガストだった。



「ヤベッ!

俺の一張羅っ!!」


「避けると思っておりました、申し訳ありません。

とりあえず乾かして直しますので脱いでください。」



素直に謝ったゼベットは特別にガストの制服を乾かして整えてあげることにした。

普段は訓練着でいるガストだがTPOをわきまえてとりあえず制服で生徒会室に訪れたのが仇となった。



「頼むわ。

あー、ゼベットさんいるなら俺が助けなくても大丈夫って頭から抜けてたわ。」



制服を脱ぐと、そこには半裸の男が表れた。



「何故、下に何も着ていない?」


「ちょっと太くなってな…

いや、デブったわけじゃないんだぜ!筋肉育っちゃってキツくなって…下にシャツやら着で動くとリアルに服がパーンってなりそうだから!」



貴族が主に通うこの学園の制服は高い。

それ故、平民には入学時に制服が支給される。それがダメになったときは自腹を切らなくてはならない。

ガストは孤児院出身な為、その時かなり大きくダボダボ状態で作ってもらったのだが、予想より体が育ってしまった。

ガストは着痩せしやすい。

一見長身の少し鍛えた人位の体つきだが脱ぐと、ゴリマッチョとソフトマッチョの中間辺りでけっこうムキムキな上に無駄の無い筋肉のつき方(武道科教師談)をしている。

戦闘職の理想的な体型…らしい。



「きゃっ!?ヘイリー様、血が!」



部屋の奥の方に居たヘイリー(マッチョ大好き令嬢。外見儚げ。)が静かに、とても静かに鼻血を垂らしていた。



「わっ、ガスト大変!

医務室に運んであげて!私もついていくから!」



「わかりました!

失礼します!」



固まっていたガストだがハナの声にすぐさま動き、そっとヘイリーをお姫様だっこするとハナの後を付いて医務室に向かっていった。








「ヘイリーさんは…」



「ヘイちゃん興奮しただけですわね~」



「鼻血出るほど?!そんなに?!」



残された女子達は、今頃筋肉大好きヘイリーが至福の時を迎えて大量出血しないかどうか少し心配になったのだった。






やはり儚い女子は居ない。

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