ラスボス感甚だしい。
お嬢ことハナちゃんは前世持ちです。
腹持ちもよく食べやすいモノとしておにぎりを孤児院で提供してましたが、元々おにぎりという概念がなかったので『おにぎり』と教えられてもガスト達が言うと『オニギリ』となるということにしておいてください。
まとめると誤字でオニギリじゃないよーってことで(^^)
世界設定として米はあるけど、あまりメジャーじゃなく値段も安いということにしています。
関係者用の通路を意気揚々と進むガストは不意に止まった。
いや、止まらざるえなかった。
何故ならー……
「よぉ、少年…
あー、ガストだったな。軍部内定トップの。」
そこに立つのは一人の男。
燃えるような、あるいは鮮血のようなとも言われる赤毛の美丈夫。
彼の名はバルド・グルモワール。
第二のウォルクラウンの英雄とも囁かれる凶暴なまでの強さを誇る、将軍がそこに居た。
金髪美女なエレクトラのお兄様である。
「しょ、将軍閣下…!!!
し、失礼いたしました!!!」
サーッと血の気を引かせながら素早く最敬礼をしながらガストは壁側に避ける。
これってあれだよね、俺の道を塞ぐなとか廊下の中央歩くなとか、そんな感じなんだよね!?てか百は越える内定者覚えてるのかよ、入隊前から偉い人に名前覚えられるなんて嫌な予感しかしないいいいィィィィ!!!!!!!!
内心絶叫しながらも、その表情はピクリとも動かさず真面目な顔をしている。
「はは、そんな怯えるなって。
部下がすごいすごいと誉めやかす奴がどんなもんか見に来たんだ。
ザクイチ家の孤児院出身ってのがネックだが、ザクイチ夫人は素晴らしいお方だからなぁ。
あの男にはもったいなさすぎる人だ。」
あえて音を響かせながら軍靴で歩くバルドはそのまま通り過ぎるのを待っていたガストの前でピタリと止まり、上から睥睨する。
「全力を出せ。
近衛騎士共の思い上がりを潰せ。いいな。」
「承知しました!全力を尽くします!!」
「やるからには頭をとれ。」
そう言って軍靴を鳴らしながら去る人が見えなくなってようやく、ガストはその場にしゃがみこんだ。
「マジ怖いし…
これってあれだよな、優勝しなきゃ絞められるどころじゃないよな?!」
気を落ち着けるためにハナからもらったオニギリを頬張るが、何故かいつもよりしょっぱい味がした。
「ガスト!!
そろそろ始まるぞ、ってなぜ泣いてる?!」
開会式に出る為にやって来たリロイは泣きながら白い食べ物を頬張るガストにぎょっとする。
「泣いてない!ちょっと目からヨダレがでてるだけだ!!」
「は?!ほんとならそれは汚いぞ?
まぁ、いいかとりあえずこれでも使え。」
強がるガストに呆れつつハンカチを差し出すリロイ。
「さっきな、スゲー怖い人に睨まれてな。今になってガクブルきたんだ。」
「珍しいな、ガストがガクブルだなんて。誰に会ったんだ?」
「グルモワール将軍。」
「熊を眼力と素手で捩じ伏せたと姉上に聞いたことあるな、そういえば…」
「熊を?」
「ああ。」
「素手で?」
「らしいぞ。」
しばし二人は黙りこんで、ぶるりと震えたのであった。
ある日の会話。
リロイ「姉上は学生時代生徒会に入られてたんですね、どんな方々がいたんですか?」
姉「旦那が生徒会長で、副会長が今の宰相よ。
今の将軍もメンバーの一人で、彼らの妹達もいたわ。」
リロイ「それは素晴らしいメンバーですね!」
姉「一見するとね~
でもけっこう大変だったわよ。将軍は野営授業という名のピクニックの時に熊と遭遇して眼力で怯ませたあげく素手で捩じ伏せたし。」
リロイ「ふぁ?!!?」
姉「倒した後、他の人の持ち物のナイフで解体するし。」
リロイ「え?!」
姉「血に弱い人がぱたぱた失神するわ、返り血塗れであちこち歩くし、熊料理作れってワガママ言うわで大変だったのよ。」
リロイ「問題はそこじゃない気がしますけど。」
姉「あの人、実力的には人の皮被ったバケモノと思っておいたほうがいいわよ。
なんで強いのか考えない方がいいわ。」キリッ




