プロローグ
はじまるよー
とある王国にとある学園がありました。
貴族だけでなく実力があれば平民でも通えるその学園は、国内外から優秀な少年少女が集いました。
学園はその優秀な生徒を纏める生徒会を中心とした小さな王国ともいえました。
代々生徒会に名を連ねる人物達は貴賤をとわず、実力で選ばれた者ばかり。
貴族、平民関わらず卒業後は皆その実力を発揮し、国の中枢を担う者、あるいは国を守護する者、大商人になる者、はたまた世界を救う者となっていきました。
そして今代の生徒会は王公貴族のみの生徒会でした。
王族が学園に居ようとそのような偏りになる事は創立数年間以来でしたが、学生でありながら王太子に選ばれし者が居たため、いらぬ問題を起こさないための措置でした。
いずれ王となる身の者に狼藉を働いてはいくら子どもといえ一生が決まってしまいますしね。
生徒会入りしたり学園を支える者達はそこそこ優秀でしたので問題もなく、穏やかに学園を治めました。
美形とモブが同じことをやっても、美形の方が好印象を残しやすいですしね。
そうなのです。
今代の学園を引率する者達は皆、美形でした。
熱狂的なファンもできるほどの。
そこそこ実力があり美形とくれば、物凄く実力があるようにも見えました。
このまま無事卒業すれば彼らもまた、素晴らしき生徒会メンバーとして学園の歴史に名を連ねる事になっていたことでしょう。
しかしながら…
あるものには運命は予想外の方に、あるものは想定内の方向に転じていきました。
美しい少女が現れ、学園の優秀で麗しいもの達ばかりを虜にしていったのです!
愛の虜達はまったく仕事をしなくなりました。
たった一人を除いて…
国の中枢を担うもの達が仕事放棄をすれば国は混乱し荒れますね。
学園でも同じことが起きました。
愛の虜達の婚約者や許嫁、親友や友人達は彼らのために諌めたり、責任は果たすよう説得しましたが聞き入れられる事はなく、煙たがられたり、憎まれたのでした。
一触即発、喧々囂々。
ある意味戦争一歩手前までいきましたが、一人の少年の尽力によりそれは回避されました。
彼は美しい少女に虜にされかけましたが、それを上回るモノにより自分を取り戻し、一人生徒会の仕事を引き受け、時に仲裁に入り、時に頭を下げて愛の虜達の尻拭いを全力で行ったのでした。
少年は気付きます。
美しい少女の偽善と薄っぺらさに。
少女の優しさは顔のよい男限定であること。
耳に心地の良い言葉を吐きながら、何もしていない身分の高い女性や発言力のある女性に対しては辛辣で喧嘩を売ってるとしか思えない事を。
時に過労で倒れたり、責められたりもしましたが少年は負けずに頑張りました。
その姿に一人、また一人と彼の助けになるものが現れたのです。
しかしながら、生徒会メンバーが一人しか働かない現状は破綻目前でした。
少年が潰れるか、内紛が起き学園が崩壊するかの瀬戸際まで来たとき、王太子の婚約者が立ち上がったのです。
彼女はいずれ后となるべく、その身に余る厳しい教育と過酷なまでの要求に応え、努力し、耐えた人でした。けれども、王太子が美しい少女の虜になってしまったことで水の泡になってしまった人でした。
それでも少年の為、学園の為、自分の為婚約破棄を条件に、とある権利を貰ったのでした。
それは生徒会代行の権利。
代行となった元婚約者は遺憾なくその力を発揮し、瞬く間に学園の秩序を復活させ、信頼を回復し、王太子達以上の手腕で学園を守り立てたのでした。
美しい少女と王太子ほか愛の虜達がキャッキャうふふと愛を育み花畑状態の外では、来る一大イベントの学園祭にむけて慌ただしく準備が進んでいましたが彼らは気にもとめず自分達の世界に酔い、浸っていました。
学園祭まで後三日という時に、彼らの世界…美しい少女の逆ハーレムは終焉をむかえました。
美しい少女も愛の虜達も断罪され、学園を去る事となりました。
関わった者達は様々な事を思いましたが、ひとつ共通した思いがありました。
『この糞忙しいときにゴタゴタは勘弁してほしい。最後まで迷惑な逆ハーだった…逆ハーマジ勘弁。』
……と。
そうそう、逆ハーを一人、自力で脱出できた少年がいましたね。
彼を助けたあるモノ…
それは度を越えたシスコンだったのです。
学園は一人のシスコン野郎のお陰で崩壊を免れたのでした。
これから始まる物語は逆ハー追放のその後の話。
顔よし実力あり身分高しなのにも関わらず鈍感で恋愛と性に純朴な、見事なまでのシスコンを発揮するとある少年…リロイ・ウォルクラウンとそれに関わる愉快な仲間達のお話。
リロイ君はシスコンと並び立つほどの想い人をえられるのでしょうか。
それでは、はじまりはじまり~
纏めるって難しいですね。
これからどう転ぶのか、私ですらわかりません…(;・ω・)




