第16話:味方か敵か~an incredible the sight and word~
「何者……と問われても困りますね。私は果たして何者か、とても哲学的な問いです」
アルノーが茶化す。真面目な顔をしてこんなこと言うのだから軽く流されたりするよりよほどたちが悪い。
「ふざけないで! 答えなさい。さもなければ……」
ユリアがクレイモアに手をかける。
「さもなければ、なんですか? 私をここで殺しますか? 嫌ですねぇ、怖いですねぇ」
「いいかげんに……しろぉ!!」
飽くまで軽い態度を壊さなかったアルノーに対して、一番に堪忍袋の緒が切れたのはハナだった。右手を高く振り上げ、容赦なく振り下ろす。
カランッ!
乾いた音が鳴り響く。その音が合図となり衝撃波がアルノーに襲い掛かる。
「いやぁ、あれだけの死闘を繰り広げ、使える魔もほぼ尽きているはずなのにこの威力……恐ろしいものがありますね」
ハナの衝撃波をもろに受けたはずのアルノーはしかし、無傷で一歩も動くことなくフード付きの外套を風に揺らすだけで変わらず真顔で考察するよう顎に手を当て他人事のように唸るだけであった。
それはハナだけでなくその場の6人全員にとても大きな衝撃を与えた。
「こんのぉ!」
ハナは次に両手を振り上げ次は槍状の衝撃波を生み出そうとする。しかしそれを止めたのは意外にもアスタルテであった。
「やめておけ。あやつには効かん。ハナだけでなくこの場に居るものではあれを傷つけることはできぬ」
アスタルテはハナの肩に手を伸ばし首を横に振る。ハナは舌打ちしながらも薄々と気付いていたのか魔法の発動を打ち切る。完成途中で止められた魔法は何ら形作ることなくハナの特性に基づいて風となって散る。
アスタルテは5人の前に立ち、真っ向からアルノーと向き合い口を開く。
「何のつもりじゃ。貴様に自我があるのは間違いなかろうが、その口ぶりから見てその出自は自覚しておろう」
「いかにも。あなたがアスタルテ様でしたか。道中では気分が優れなかったようで挨拶できずに申し訳なかったですね。まあ、そのおかげでこうしてバレたりせずにイリィで別れまた会うことができたわけなのですが」
「体調を崩したことじゃが、今となってはお前と近くに居ったからのように思えてならんの、シェムハザ?」
アスタルテがアルノーに向かって、アルノーではない名を呼ぶ。すると急に喋るのをやめ、遠くを見るように焦点が合わなくなったと思ったら顔から表情が落ちた。
そしてアルノーの口からアルノーではない声が喋る。
「御冗談を、アスタルテ様。私はただの使いの身、神であるあなたとは格が違いますよ。私があなたに与えられる影響などありません」
「そうは言うても……お前じゃからのう。信じきれんのじゃて……。して、どうしたのじゃ」
「神界の戦争が終わった後のことを考えて、誰の下が一番いいか探してるんですよ。だからお話ししにきただけです」
「ほお……。まあ、お前の事はどうでもいいんじゃがどんな話じゃ」
いかにも神らしくアスタルテがシェムハザ自身のことを切って捨てる。
「私がこの街について調べたことなど如何でしょう? そちらの方々にも興味を持って聞いてもらえると思うのですが」
シェムハザもアスタルテのぞんざいな扱いに気を悪くした様子はなく会話を続ける。
「お前、なぜにこの街のことを知っておる。お前にとってさほど縛られる地でもあるまい」
「それが最近まではそうでしたのですが、黒髪の美女がいらっしゃったと聞いて私の意識を一部切り離してこの地に降り立ったのですよ。その美女を探しているうちにわかったことが大半なのですがね」
「黒髪の女だと!?」
女神アスタルテと天使シェムハザの会話に人間のシャルルが口を挟む。
「その方の話も含め、どうでしょう?」
にやにやとした顔が無表情のアルノーの向こう側にいることがわかるような、そんな口調であった。
「……聞くしかあるまいて」
「では部屋を向こうへ移しましょう。ここは少々……血なまぐさすぎる」
確かに4人の人間と1人のエルフが血を噴き出すように流して死んでいるのだ。シャルルの一閃で壁が一部吹き飛んだが、空気の入れ替えになるには程遠い。
先頭にアルノー、その後ろにアスタルテを最初に6人が続く。
その移動中にカレンがアスタルテへ先頭のアルノー/シェムハザへ聞こえないよう小声で尋ねる。
「さっきアスタルテちゃんはここにいる人だけじゃあの人に怪我させることはできないって言ってたけど、シャルの【妖風】でもできないの?」
「うむ。あれは確かに部分的に神にも技であるが、それは神々がつくり出したモノに対してのみ効果を発するのじゃ。それが先ほどの石碑のように目に見えるようなものであっても、例えば呪いのように目には見えないものであってもじゃ。ただし、神や天使そのものに刃は通らん。あれはシェムハザの意識の一部であるから同じ道理でシャルにさえあれを傷つけることは叶わんのじゃよ」
「そうなんだ……」
短いやりとりをカレンとアスタルテが交わしている間に奥の部屋へ入ることとなった。
奥の部屋は豪華絢爛な部屋であった。いったいどのくらいするのかわからない、しかし成金趣味な椅子や机がおいてある。そんな部屋を輝かせるのはシャンデリア。呆れてものも言えない。
「それで、妾たちはお前をなんと呼べばよいのじゃろうか」
部屋の中央にあった円卓の入り口に近い席へと座ったアルノー/シェムハザへ、その対面へ腰を下ろしながらアスタルテが尋ねる。
「どちらでもよいですが、これから喋るのはアルノーですよ。では私はこれにて。神界の戦争でアスタルテ様が有利になればその時はまた神界で」
いっそ清々しいほどのコウモリぶりでシェムハザはアルノーから離れ、アルノーは再びアルノーとして差べり出す。その移り変わりは無表情であったアルノーが再び薄ら笑いをしたことでシャルルたちにもはっきりとわかった。
「さて、ではどんなことをお話ししましょうか」
「さっさと黒髪の女のことを喋れ……と言いたいとこだが他にも聞きたいことがいくつかある」
いつの間にか黒い外套姿へと戻ったシャルルがアスタルテの隣から問いかける。そのシャルルの隣にはハナが座り、シャルルとは逆の隣へとイズーナが座っている。ユリアとカレンはそれぞれシャルル、イズーナの後ろで立って待機している。
「ふむ、なんでしょう? 私が知っていることならお答えしましょう」
「今更だが魔法って貴族、つまり人間だけ使えるんじゃないのか?」
「それは私からするとなんで人間が魔法使ってんだって思ってたんだけどな。それに私らがつかう魔法とカレンは使う魔法はかなり似ているしな。シャルルの古代魔術も似たようなものをエルフの文献でみたことあるぜ」
シャルルの問いにハナがエルフの立場から乗っかる。たしかに一般的には貴族のみ魔法が使えて、それが貴族の貴族たる由縁である。と言われている。
しかし、この問いにアスタルテ、アルノーの両方が首を振る。
「シャルよ、それは順序が逆なのじゃ」
「逆? ってどういうことだ」
「うーん……これに対しては最初から順を追って話したほうがいいですかねぇ」
どうやらこの質問の答えは神界においては正解があるらしい。アスタルテ、アルノーの両方が知っている口ぶりだ。
「まず魔法の前身、これはわかりますよね?」
アルノーがシャルルへ確認する。
「魔術だ」
「そうです。この魔術こそ魔法を語る上では大切なのですが、この魔術の起源にまで遡ります」
歴史の勉強の時間となりそうだ。後ろでは既に理解を諦めたユリアがカレンに付き合ってもらい魔法つぶしで遊んでいる。
前にもアスタルテが講釈したような気もするが、多分その時よりより詳しく説明がなされる。
「この世界が創られた時、その仕上げに名前のない創世神が仕上げに、自らが創った知性あるものに魔術を与えたのです。そしてエルフと人間は似た系統の魔術を受け取りました。この魔術というのはその規模に応じた魔法陣を描き、儀式を行うため大規模のものになると数日を要したのです。魔術の利点は、魔術師ならば大抵の事象に干渉できたのですが、欠点としてその分だけ発動に時間がかかり汎用性は低かったのです。そこで古代の人びとやエルフは考えました。持ち運びできるくらい魔法陣に組み込む術式を最低限に抑え、儀式を何かそれに付随する特別ではない、普通に行う行動に当てはめてしまえ、と」
「これがシャルの使う古代魔術じゃな。ただし、これは魔法陣に最低限の術式しかないため大抵はひとつの魔法陣につきひとつの事象にしか干渉できなくなってしもうたのじゃ。その点においては刀と両腕で3つの魔法陣を重ねて魔術を発動させるとはいえ、それでも4つも使えるシャルは飛びぬけておるのぉ」
アルノーからアスタルテが説明を受け継ぎ、アスタルテに例として出されたシャルルが古代魔術についての説明をしめる。
「そして魔術を発動する際に込める魔の燃費は最悪だけど、俺の場合はアスタルテと契約しているおかげで自身の魔でも周りの魔でも使えることが言えるかな。まあ自身の魔なんて魔術として使っちまったら寿命の減少になって跳ね返ってきて文字通り命がけになるんだけどな。ただ神様とやらと契約していないとこれをやる羽目になるんだがなー。これが主流だった当時は魔術師はやけに早死にだったそうだ」
「ほお、だからこの周囲の木々に限らず雑草ですら枯れ尽くしていたのですねぇ。ちなみに儀式は何でしょう」
「俺の場合は抜刀だな。これもさっきの説明に当てはまるな」
シャルルに興味を持ったのかアルノーが尋ね、かなり重要な事柄をシャルルがあっさり答える。
「外……! そういえば外はどうなってるの!?」
カレンも話に興味を持ったためぼーっとしていたユリアが外と聞いて尋ねる。
「大丈夫ですよ。ここに危害は及びません」
それほど切迫した状況にはなっていないのか、ユリアの質問をあっさり流すアルノー。再びユリアはぼーっとする他なくなる。
「さっき知性あるものって言ってたよな、じゃあ私らエルフとシャルたち人間以外にも魔法もしくは魔術が使える種族がいるのか」
ハナが口を挟む。
「えぇ。絶対数は人間が飛びぬけて次にエルフでして、そのほかはそれよりかなり少ないですしあまり人前には出ないので会うことはないでしょうけどねぇ」
アルノーがハナに応える。他の種族が使う魔術とは一体どんなものかシャルルには想像もつかない。未だ見ぬ魔術に思いをはせていると再び魔術の、いや次は魔法の説明へ移っていた。
「そして時は流れ、魔法が誕生します。魔法は魔法陣に組み込まれる術式を口頭で、呪文として発動してしまおうというものです。そしてここでエルフと人間に差異が生まれます。人間は完全に魔法陣を使わなくなりますが、魔法に対する高い適性があったエルフは言葉で言う母音みたいなものは魔法陣として残し他を呪文とすることにしたのです。この差は大きくて古代魔術が強力であったように単純に比べると魔法陣があるエルフの方が強力となりますが、呪文のみとする人間はその使い勝手の良さから次々と今までにはなかった術式の組み合わせを発見して新しい魔法を発見したのです」
「魔法の利点は呪文の完成まで発動せんがさっきアルノーが言ったようにその汎用性の高さじゃな。なんせ魔法陣を携帯しなくてよくなったんじゃしの。ただ魔法も大抵のものに干渉できるにはできるがその程度の大きさは完全に魔法士の質によるのぉ。エルフは魔法陣を残しておる分質の高いものとなる。魔法の発動には強い術式のイメージを与えねばならんため無言詠唱は難しく、そのイメージの維持のために大抵の魔法士は一定の魔法に傾倒することが多いのぉ。この点においてもエルフは人間に比べ有利じゃが無言詠唱できるものはさほどいまい」
アルノーの説明を聞いて頷いていたハナとカレンはしかし、アスタルテが続く説明に入るとしきりに首をひねった。
「そして魔法の発動に込める魔の燃費はよくて自身の魔を使うことしかできませんが、それでも体力を使うという程度で抑えられる。これが魔法だったのですね。でも、無言詠唱って……それほど難しいものじゃないですよ?」
「それにカレンと私じゃ、それほど質に違いがあるように思えねぇな。威力だけなら私の方があるかもだけど、種類じゃ圧倒的にカレンの方が使えるしな」
鳴子に描かれた簡易的な魔法陣をなぞりながらハナが愚痴をこぼす。
「それはお主らがおかしいのじゃよ……。特にカレンは恐ろしいほど魔法に愛されておる」
「まあ、これがエルフと人間とで似たような魔法を使う理由です。ところで聞きたいのですがカレンさんはどちらで魔法を? 失礼ながら貴族には見えないのですが」
アルノーがカレンへ問う。案外、天使の意識と言いつつ色々なことに興味があるらしい。
「はい。私はシャルの孤児院でお世話になってるときにイズーナさんから。魔法に関する本もたくさんありましたし……」
「なんと……しかし、イズーナさんあなたはこのどちらにも当てはまらない魔法をお使いかと思うのですが」
「ええ。私の場合は普通の人には見えない精霊にお願いして事象として干渉しているのです。私自身は精霊術と呼んでいるのですが……」
「精霊術ですか……それはなんとも」
感心して己の世界へ沈み込みイズーナの精霊術に関する考察をしているアルノーを見てシャルルは再び口を開く。
「おい、俺は貴族だけが魔法を使えるんじゃないかって質問したんだけどよ」
「それは簡単なことです。アスタルテ様が逆と仰ったように、貴族が魔法を使っているのではなくて、魔法を使っていたものが貴族となったのです」
「……は?」
当たり前のことのように簡単なことのように言うが、シャルルたちにはわからない。人間界で生きてきたシャルル、イズーナ、ユリア、カレンは揃って首をかしげる。
「魔法が誕生した時、その存在に気付いたのは数多ある中の一つの魔術団体だけなのです。その魔術団体は魔法を使い数多くの他の団体を討ち滅ぼし、その戦火を逃れた者たちも国外へ這う這うの体で逃げだし、結局はその魔術団体が国を作りました。それがこの国の前身ですよ」
精霊術に関する考察は早くも諦めたらしく説明を続けるアルノー。
「そしてその後、数を増やしたり減らしたりしながらそれらは貴族として今でもこの地に残っておるのじゃ。魔法が貴族から平民へ流れないのはそれが貴族たらしめているのではなくて、今となってはそれもあるじゃろうが、ただ一番の理由としては魔法を使われて一揆でもあると収集に時間がかかるからじゃの。魔法に関する本も平民に読まれることはない。まあ……どっかのバカがこの慣習を破っておるみたいじゃがの」
「シャルって忘れそうになるけど一応、貴族様なんだよねー。だから魔法についての本も見れたんだ」
ユリアが手を後ろに組んでけらけら笑いながら、そこに畏怖や嫌悪の色はないが貴族というものに対する尊敬もない。
「島流しにあって、監視対象の罪人貴族だけどなー」
シャルルも投げやりに、こちらも貴族に対する執着やそれに価値があるとは思ってもいないように冗談っぽく言う。
そのシャルルの言葉を聞いて一同が笑う。人間というものを嫌うハナですらクスッと笑みをこぼす。
「ところで今更ですが何でフォスで私たちに声をかけたのですか?」
ひとしきり笑って、目尻をぬぐいながらイズーナが尋ねる。確かに気になることではある。
「あぁ、それは強い神威を感じる者がいたからどうにか声をかけようとしたのですよ。そしたら行車を探していたようでしたから、それに化けたのです。フォスにいたのは、シェムハザが探していた黒髪の美女がフォスから来たことを掴んで調査していたのです。収穫はありませんでしたが」
「そのことだが、黒髪の女について何かわかったことはあるか?」
シャルルがアルノーに身を乗り出し尋ねる。
「シャルルさんも狙ってるんですかー?……て嫌だなぁ。そんな怖い顔しないでくださいよ。ここでわかったことはあんまりありませんねぇ。議会と呼ばれる人々のことくらいですかね。ただ、どうやらもうイリィを発ったみたいですね。ここが南東の地ですから、どこかに行くなら西か北でしょうけど」
「そうか……」
結局ここでもアンナについても収穫はなしであった。
「ただ……気になることがありましてねぇ。どうやら、成人していない子が同じサイクルで一定数どこかへ連れて行かれてるみたいです。出ていく方向が帝都に向かう道ってのが気になりますねぇ。まあ帝都の他にも色々なところに繋がってますが」
(ふむ……やはりイリィでも拉致被害はあったか。それもフォスと比べると被害は大きいみたいだ。帝都に行ったっていう証拠はないが一回行ってみるべきか)
シャルルが心のうちで今後の行動を思案する。その右となりで次はハナが身を乗り出しながら尋ねる。
「じゃあ次はその議会についてだ。さっきのあいつらは結局なんだったんだ」
「……まさか、どういう人かもわからず闘っていたとは。いや議会そのものと闘えればよかったんならそれでもいいですが」
アルノーが少々面食らったような顔でつぶやく。
「見るからに偉そうだった老人の名前はクルト・アルニム。齢150ほどだったでしょうか。たしかエルフ奴隷制度立役者の一人ですよ」
「150歳だって……? それじゃあ、あいつも禁術を……」
驚いたのはシャルルであってハナは驚いた様子はない。エルフの間で、といってもハナの周りで悪名高い人間だったのだろうか。
「いえ、禁術を使うほどの技量はなかったみたいで」
「じゃあどうやって150も生きてたんだよ。あそこで死ななけりゃずっと生きてそうだったぞ」
「はっは。ごもっともで。……悪魔契約ですよ。何と代償にしたかわかりませんが、たしかに身体に痕跡はありました」
悪魔契約とは何か己の一部を代償に、身体でも目に見えない運とやらでもいいらしいが、何かを代償に悪魔の力を得る。その力は奇跡にも近く魔法でも成しえないことすら可能にするという。
「あったって……痕跡とか見えるもんなのか」
「あ……いえ、これは天使の特権で天使のみ悪魔契約の痕跡が見えるのです。これは神にも見えず本当に天使のみの特権ですね」
心なしかアルノーが誇らしげだ。神様とか天使とかやらは褒められることがそんなにも嬉しいものなのだろうか。
「そして、あの霧もどうやら悪魔契約の力だったみたいですね。ただ力の強い悪魔ではなく名も知られていない弱い悪魔しか呼び出せなかったみたいで、あれくらいで済んだんですねぇ。またその悪魔契約をしてから議会の上層部に取り込んだらしいですよ。エルフ奴隷制度もその時提案したみたいです。そこでまた名をあげ、他にも色々な手段を使って上層部に食い込んだみたいです……かなり権力に執着していたみたいですね」
「ふーん、シャルにエルフの、私たちの仇を討ってもらったのか……」
ハナが何とも言えぬ、感謝はするが自分でエルフの仇は果たしたかったとも言いたげな顔である。
「お前は、なんでも背負いすぎだって。ここまで来たんだから俺たちも仲間みたいなもんだと思ってるんだけどな」
「そうだよー。ハナちゃん私たちにだって少しはその重荷を分けていいんだよ」
シャルルとユリアの言葉にハッとし、シャルルたちを見る。シャルル、ユリア、カレン、イズーナ、そしてアスタルテ。
「そうか……仲間、か」
フレイたちは家族であっても仲間ではない。辛うじてフレイは仲間かもしれないが他のエルフは家族だが仲間にはなりえない。もう自分に仲間などできないと思っていたハナは、知らず知らずのうちに大切なかけがえのないものを手に入れていた。
最初はあんなに嫌だったのにな……。たった3日前に来たばかりの、大嫌いだった人間を仲間だと思うなんてな。
いつの日か拒否した握手を、感謝の念を込めてしようとハナがシャルルに手を伸ばす。
「まあ、クルトの意気の根を止めたのは俺じゃないんだけどな。急に言動変えたあいつの部下だったんだけどな」
シャルルに手を伸ばしたがそれは止まらず、むしろ勢いを増してシャルルの頬を叩いてしまった。
とても、いい音がした。
「あ、悪ぃ。つい」
「つい、じゃねえよ! ついで叩かれる身にもなれよ」
てへっと舌を出したハナに叩かれた左頬に赤く綺麗に手形ができたシャルルが頬を抑えて呻く。
「いや、だって仇討ってくれたと思ってたら違ったんだし……」
アルノーが堪らず噴き出す。
「いえ、すいません。くくくっ……。いやぁ、あなた達と話していると飽きませんね。その、クルトを手に駆けたのがディーター・ベルツ。大半のエルフの魔法を封じ込めた魔術と剣をその身に宿した人間です」
説明しながらも時折笑いを漏らし、なかなか説明できない。そんなに今のやり取りが面白かったのだろうか。憮然とするシャルルとつんと澄ましたハナを見比べまた大きく笑う。
「その魔法、魔術の原理は見当もつきませんが……あのヴェルンドとナポレッタが組んだ実験ですからね。アスタルテ様なら少しは知っているんじゃないのですか?」
急にアスタルテに話の矛先を向ける。
「見当はつく。それにこの方法なら封じられるであろうが……だがこれは話さん。危険すぎるし知っておっても仕方なかろう?」
「まあ確かに。そんな魔法を知っていても使うような人たちではないでしょうが、知っているだけで危険という事は稀ですがあることですね。そしてそのディーター・ベルツですが元々は罪人だったみたいで、罪人なら実験で死んでもいいだろうってことで実験台にされたみたいですねぇ。ディーターの前にも幾人か実験台にされて命を落としています。そして実験に成功した後、あまりにも目立ち人並みの生活を送ることすら難しかったので容姿を変え、名前を偽り実験のきっかけとなったエルフ奴隷を言い出したクルトの下に長いこと居たみたいです」
「ふーん。長いこと居たなら性格とか口調とか影響受けるかもな」
先ほどの闘いで見せたクルトとディーターのそっくりな、他者を見下ろすような目と、それを快楽に思うことを抑えきれていない顔を頬杖をつきながら回想する。
「そしてそのディーター・ベルツですが、どうにも傷が即治る……これは呪いの類ですが、がかけられていたみたいですね。だからシャルルさんの方法は正解でした」
大方、エルフを縛る魔術が失われないようにした結果であろう。多分わざわざアルノーは言わないもののディーターも悪魔契約を行って、100年以上生き続けたのだ。
ただ、ここまで詳細な話を聞いていてシャルルは一つ解せないことが出てくる。
「さっきのさ、見てたならなんで何のアクションも起こさなかったんだよ」
そうなのだ。これほど詳細に語るということは先ほどの戦いは一部始終見てたはずなのに何の行動も起こさなかったアルノーの考えが全くわからない。
「私はシャルルさんの味方ではないですよ? もちろん敵でも今のところないのですけど。それに私、というかシェムハザはその場が面白くなるよう動くのです。あのまま私が介入しないほうが私としては面白いと判断しましてね、はっは。まあ、一番の理由は……」
笑いながらそうのたまうアルノー。どこまでも自分本位だ、神様とか天使とかいう奴は。
「一番の理由は?」
もう投げやりにシャルルがアルノーの方を見向きもせず聞き返す。
「だって、あんな死闘に割って入るの怖いじゃないですか。だって一部とはいえ天使なんですよ!? 私!」
「さいですか……」
ハナの衝撃波を避けもせずぶち当たって、それで無傷で言うお前が何を言うのだ、とシャルルがため息交じりにつぶやく。実際、この場にいる全員があの死闘においてもシャルルより無傷に近い状態で笑いながら立ち回るのではないか、と思っていた。
「そして、ハナさんと戦っていたエルフについてですが……」
とここで言葉を切ってハナの方を見る。
それに気づいたハナは少し表情が強張り、何事か呟こうとするも言葉にならず吐息として口を出るばかり。今、すべてを話す気分にはなれなかった。
「悪い。それは、知りたいならいつか私の口から話す」
「別に話したくないことなんて誰でも一つや二つあるだろう。無理して話してくれなくていい。話したくなったらその時教えてくれ」
シャルルがハナを気遣い、茶化すことなくこの話題を打ち切る。
「それより、ディーターが死んでエルフの束縛は解けました。これからどうするんですか? ハナさん」
「あーそうだな。とりあえず屋敷で待っている皆に報告してから。それからだな、とそろそろ戻るか」
ハナがさきほどのこわばった表情から少し、ほんの少しだけ穏やかな顔になってシャルルたちに振り替える。
「だな。今は外に出ても大丈夫か」
「外は今、貧困層の人間が城の中に入って略奪行為を行っていて混乱がさらに広まってますね。これもあなたの仕業でしょう?シャルルさん」
シャルルは肩を竦めるにとどめたが、ハナと街中を回っている間に貧困層の人間に入れ知恵していたのだ。
ナポレッタの名前がこの地において有名ならばと、外套の魔法陣を見せながら、もうすぐ城に火の手があがりその中は混乱していて治安部隊が出動する余裕なんてなくなるだろう。それからその先、あなたたちがどうするかは知らないが、私がそれをないことにしてやる、と。
ほぼ、脅しのようにも聞こえたが、貧困層の人間たちは支配階級への嫉妬や不満があったのだろう。二つ返事で頷き、すぐに同じ貧困層の人間を集めに回っていた。
魔法陣がその予言に一役買っていたことは否めない。
「では最後にシャルルさん、あなたが斬ったであろう石碑は似たようなものがこの国にあと6つあります。それぞれ昔の7選帝侯が治めていた地にあります。石碑とは限りませんがね」
今の選帝侯の治めるは帝都から北に集中しているが昔は北、東、南東、南西、西となっていた。ここが南東の地であるから他にそれぞれあることとなる。
「そんなの妾は知らんぞ? どこからそんな情報仕入れてきた」
アスタルテが食いつかんばかりに責めるよう問いただす。
「当たり前ですよ。全てアスタルテ様が神界へ帰り、ナポレッタが殺される前の短い間にナポレッタ自身が他人に成りすまし造ったのですから。それは石碑から流れる魔を辿り、シェムハザの意識を5つに分け見つけ出したからです」
「意識を5つに……じゃと。それは……」
「えぇ、さすがにシェムハザもこのまま一つに戻らないかと危惧したみたいですね」
「阿呆なことをする奴じゃ……」
アスタルテがシェムハザの行動にあきれ返り黙り込む。
「それで? その5つを全部壊したらどうなるんだよ」
「どうなるかはわかりません。ただ、何かとてつもなく大きなものを封印していることは確かです。それが今回のエルフを縛ったように何かを束縛しているのかもわかりません」
「中途半端に調査をやめる奴だな。なんかあんたの手のひらの上で踊らされてるようで嫌な感じだ。なんで俺にそういうの何の見返りもなく教えるんだよ」
「嫌な感じ、都は天使仲間にもよく言われます。見返りならありますよ。ただ、面白くなりそう。これだけで十分な見返りですよ」
「そうかよ……。よく言われるなら直したほうがいいぜ、そういうとこ」
苦笑しながらそれでも情報に感謝し、結局どういうシャルルにとってどういう立ち位置になるのかイマイチ掴めなかったアルノーを見やると微笑み返される。
一転、今度は厳しい顔つきとなりアスタルテに何事か耳打ちする。
「アスタルテ様、7悪魔の動きが不穏です。神界にも注意を払ってお気を付け下さい」
「そうか……。うむ、感謝する」
天使と神様、神界での戦争は派閥は違えど、とりあえず目先の敵は同じものである。この認識は正しいが、神界においてもその正しい認識をできるものは少数派であった。そのために長引いている側面もあったのだが……。
シャルルたちには聞こえない声でひそひそと言葉を二言三言交わしたアルノーは次いでシャルルたち5人に対し、一礼する。
「それではこれにて。またどこかでお会いできればその時に」
「正直、会いたいような会いたくないような、微妙な気持ちだな」
シャルルの率直な物言いに微笑を残し、シャルルたちに背を向け部屋を出る。
「じゃあ私たちも行きましょうか」
カレンの言葉に、シャルルが先頭に部屋を出る。部屋を出て辺りを見回しても既にアルノーの姿はなかった。
いくらかマシになったがそれでもまだ血の匂いに満たされた部屋を横切り、階段を下りているとハナが続いていないことに気が付いた。
「おい、ハナ?」
「あぁ、すぐ行くよ」
ハナは階段から少し離れたところから答えたとみられ、タッタッと駆け足で階段に近づき駆け降りる音が聞こえた。
「待たせたな。行こうぜ」
その手には腰からマンゴーシュはなくなっており、その代わりに手に一振り、ククリが握られていた。そのことに敢えて誰も、アスタルテですら触れることなく階段を下り続ける。
「それにしてもアスタルテちゃんって本当に神様だったんだねぇ」
唐突にユリアが呟く。
「なんじゃ急に……。やっと信じる気になったかえ?」
「うん……だって色々目の前でされたし、不思議なことがたくさんあるんだもん」
「ほんとに……信じたのか」
アスタルテ自身がそのことに信じられないと言ったように驚く。しかしユリアを皮切りにカレンやイズーナ、ハナでさえも首を縦に振る。
「それでもアスタルテちゃんはアスタルテちゃんだからね!」
ユリアがアスタルテに抱き着くように腕を首にまわす。
「ちょっ……やめんか! 階段から転げ落ちてしまうじゃろう!」
騒ぐアスタルテもしかし、本気で嫌とは思っていないだろう。その証拠に笑いながら近づくユリアの頬をつねって笑っている。本当は神さまと信じられたら今までのように接してもらえないのではないかと心配していたのかもしれない。
心配性で、人間じみていて、シャルルに迷惑ばっかりかけて、でも憎めない神様だ。
「はあ……階段、飛んで降りられないかな」
アスタルテにじゃれつきながらユリアが愚痴をこぼす。
「この高さから飛んだら死ぬぞ」
アスタルテに呆れられながらたしなめられる。
「飛行魔法とか……ないのかなあ」
「あってもお主、誰を犠牲にするつもりじゃ」
「うぅ……」
ユリアの魔法士としての特性を突く。ユリアが自身で魔法を完結させれないことをアスタルテはしっかり覚えていた。
しかし、登っているときは気付かなかったがそれなりに登ってきたものだ。こんな高い所まで登っていた自分たちにも驚くが、それほど高い建物を木で建てたその技術にも驚く。
その後もひたすら下って、ようやく地上へと降り立つ。外を見ると、兵士たちの同士討ちは収まっていたが未だ最下層の略奪行為は続いていて、驚くことにそれを取り締まるのではなく兵士も便乗している。
「気付かれたらなんか厄介なことになりそうだな。にしても本当に枯れ果ててるな」
城の庭にあった豊かな緑は火の影響もあろうが、しかし明らかに燃えたのではない枯れ方をしているものが大多数であった。シャルルが使用した魔術の名残である。
ハナの言葉に残る5人は頷き、裏手からこそこそと城を後にし、基金が管理しているという倉庫へ急ぐ。城から近いとこにあるのでさほど時間はかからないものの、その間兵士に見つからないよう最大限の注意を払って移動していた。
「なんか、私らが悪者みたいだな」
「うーん……兵士の方からするとそうじゃないか?」
「それもそうか」
ハナがあっさり納得し、持ち合わせていた鍵で倉庫を開けようとする。が、途中で鍵を回す前に止める。
「どうした?」
怪訝に思ったシャルルが問いかける。
「開いてる」
「ん?」
「倉庫が開いてる」
呟くや否や、ハナが蹴飛ばすように倉庫を開ける。すると倉庫の中には聞いていた食料などはまったくなく、代わりに幾人もの男のものと思われる靴跡が残っていた。
その泥の乾きようから見て、まだ1日と経っていないだろう。
「なんだ……これ」
「おかしい……のか?」
答えを半ばわかりながらそれでもシャルルは問わずにいられない。
「いつもは……普通はこっちからロべスが倉庫に行って食料を運ぶんだ。向こうから来ることはない」
「嫌な予感がするな」
そしてそのような予感だけ往々にして当たるものである。
「そこに魔法陣が浮かんでる」
ユリアが指さした方を見ると確かに壁に大きな、といっても直系で2メートルくらいの魔法陣が浮かんでいた。
どうやらこの魔法陣がゲートとなってロべスの屋敷へ繋がっているらしい。
真っ先にハナがその魔法陣へ突っ込み吸い込まれる。
「おい! 一人で先行したら危ないだろう!」
シャルルが呼び止めるも聞こえていないのか魔法陣の向こうへと姿を消す。
舌打ちをしながらシャルルも続き、次々と魔法陣へ姿を消す。最後、カレンが魔法陣へ吸い込まれても魔法陣は未だ浮きっぱなしであった。
誰もいなくなった後の倉庫の陰から人影が一人現れて、その未だ浮かぶ魔法陣を見つめる。
✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽✽
地に足が付き、あたりをシャルルが確認するとそこはロべスの屋敷であった。
あったのだが、目に映る光景がおかしい。あちこち血に染まり、人間の兵士が折り重なるよう倒れ、その奥にはエルフが腹に穴を空けて倒れている。
似たような光景があちこちに散らばっている。
「おい……」
ハナが呼びかけ歩をふらふらと進める先にはレアとレアに馬鹿にされていた男の子が倒れている。レアを守るよう男の子の方が前へ出ていたのか、レアの方が壁に近くしかし二人とも倒れていて、口から血を流し胸を突かれているようだった。
その様子はとても生きているようには思えない。それでもハナは呼びかける。
「おい……帰ったぞ。こんな大げさなイタズラしなくていいから、な? 起きて、遅くなったけどご飯温め直して皆で食べよう? 私、頑張ったんだ。皆に喜んでもらえるようなことやってきたんだ、な? だから、だからさ、目を開けて聞いてくれよ」
レアと男の子を交互に行き来し諦めず、受け入れられず揺すり続けるその目は見開き瞬きさえしない。
そんなハナを見てイズーナは首を横に振り俯く。ユリアは目を逸らしかつぎゅっと固く瞑る。カレンは逸らすこともできずハナを見つめ涙をその目に溜める。アスタルテでさえ、驚きに目を見開き口を半開きにして何が起こっているのか見極めるためかしきりにきょろきょろしている。
そんな絶望的な状況の中、シャルルも驚きに思考が停止するなか、反射と神物のマフラーのおかげかハナに迫る凶刃にいち早く気付く。
『凬切』を抜刀。風がシャルルにじゃれる様にまとわりつきその身にまとう服装を変える。黒い外套から葡萄色を基調とする剣士然とした格好へ。次いで黒い刀身が風を纏い風が黒色を弾いて銀光眩しい刀身を露わにする。風はもちろん刀身に纏ったまま手を伸ばす。
マフラーと背中から垂れる二つの布を後ろへ靡かせ、ハナの方へ駆け寄り迫る凶刃を危機一髪弾く。
その音にはっとし、それぞれが構えて警戒する中ハナはそれでも壊れたようにレアと男の子を揺すり続ける。
「誰だ!」
弾いたナイフが飛んできた方へ叫ぶ。
すると室内から二人出てきた。その顔は両方ともシャルルでさえ知っている。
「やぁ、遅かったじゃないですか。待ちくたびれましたよ」
血に塗れた、見たことのないような両手剣を右手に垂らし無造作にこちらへ左手をあげる。その声、その仕草、シャルルが知るそいつと変わらない。見間違いではない。誰かが化けているということも無い。なら後ろも本物なのだろう。
「お前、それ……守った……んだよな?その血は、侵入者を斬った血……なんだよな?」
一番ありそうな、そうであってほしい期待を込めて弱々しくシャルルが尋ねる。
「あぁ、これですか? そんなわけないじゃないですか。この光景は私が作ったんです。いや、私とこの子で、ですかね」
後ろも指さして言い切る。
「この剣に滴る血は大体エルフの血だよ? わかってるくせに何を言っているんですか? シャルルさん」
そう不思議そうに尋ね返す。
「ハナはどうしたんですか? 壊れてしまったんですか? そうだとしたら残念ですねぇ。楽しみがいがない」
ハナが唯一信頼していた人間が、言い捨てる。
その後ろの一番信用していたエルフは何も言わずただ佇む。
「どうして……どうしてこんな……」
「どうして? どうしてって、シャルルさん。私は、この瞬間のためにこんなことやってたんですよ? そんな人にどうしてって言われてもねぇ」
シャルルはもう何も言えない。ただ異形の何かを見るような目でその二人を見ることしかできない。
「では、まあ、最後です。死んでくださいな? 皆さん」
男が剣を振り上げ、女のエルフが手を掲げ魔を集めて魔法を形作る。
シャルルも含めようやく5人は動き始める。シャルルがハナを抱え上げ5人それぞれ違う方向へと飛び魔法を回避する。
「どうして!? どうしてこんなことしようと思って……したんだよ! なあ答えろよ! ロべス・ピエール! フレイ!」
撃ち出された魔法の余波でレアと男の子が巻き込まれ吹き飛ばされる。
二人重なった上にロべスが着地し、舌打ちをして二人まとめて蹴り飛ばす。それだけで二人がバラバラとなって散らばる。
ハナが声にならない悲鳴を漏らし、動きを止める。その目には今は何も映っていないだろう。
そんなハナを手に抱え上げたシャルルに向かってロべスが歯を剥き出して笑い、抱えられるハナに向かってフレイが微笑を浮かべる。
イリィでの最期の決着をつける闘いが……シャルルたちを無視して、巻き込んで始まる。
ハナはまだ起きない。
今回は更新間隔短かったですね!
そして、今回で……なんと!
10万字超えました!やったね!
規定文字数クリアしちゃったからには記念にモンスター文庫大賞に応募してみようと思います!ばっちり1次選考で落選してきますよ!
誰だよ!10万字も書いたらこのお話も終わりごろって言ってたの!?
私だよ!チクショー!まだ最初の最初じゃないか!!
ただあと1話か2話で一区切りできそうなのでそこまで書いて11月は見直し・改訂作業に移りたいと思います。幕間2話くらいは考えてますけどー。
ただ!次のお話描く前に!今月末何があるか覚えてます!?ハロウィーンですよ!ハロウィーン!アメリカで毎年うわなにをするやめろぉ
では10万字越えてもまだまだ続くのでよかったらお付き合いお願いします(ぺこり
次回は31日に!ハロウィン回にて!!