第8話
* * *
俺の罰の三日目の朝が訪れると、補給将校が外部の人間を連れてくるのが見える。
彼らは俺を拷問する権利を買い取った裕福な連中だ。
こういうことは以前にもあったから、驚きもしないし、戸惑いもない。
むしろ都合がいいくらいだ。こういう連中には大抵、力もないし、やり方も分からないからな。
(今日は比較的穏やかな一日になりそうだ。)
誰にも、何にも、俺のこの上機嫌を台無しにすることはできないような気がする。
(二日連続で、あの幻影を見たんだから。)
次から次へとひ弱な連中が俺を痛めつけようとする中、俺の思考は夢の国へと戻っていく。
(もし俺が奴隷でなかったら、人生は違っていたのだろうか?)
生まれて初めて、自分の中に抑えきれない感情の広がりを感じている。
この三日間の苦しみをもたらした原因そのものが、俺に本来の野性を取り戻させたことを喜ばせている。
自信が湧いてくる。物として扱われながらも、俺は自分の中にそれ以上の何かを見出したのだ。
そして、あのマルヴィラの夢……あれが、俺に自分の本当の姿を捨てないようにと、さらに強く動機づけた。
(闘技場の連中も、俺のこの姿に慣れるしかないだろう。)
今日は時間が狂ったように過ぎていく。俺は微笑みながら拷問に耐える。今日もまた、あのたった一度の人間らしい行いが俺を訪れると感じているからだ。
たとえそれが夜の幻影や、俺の想像の産物に過ぎないとしても。俺は心の底からその考えにしがみついている。
そのおかげで、過ぎゆく時間に耐えるのがずっと楽になる。
昼が夜へと変わる。これまでにないほど早く眠りに落ちる。
悪夢や幻影でさえ、今は色あせて穏やかなものに思える。
(信じられない! 偶然彼女の目を見ただけで、こんなことになるなんて!)
ん? 何かがおかしい……。
何時間も経ったのに、マルヴィラの幻影を呼び起こすことができない。
目を開けると、夜の闇が朝に道を譲っていくのが見える。
突然、広場の入り口から激しい揉み合いと叫び声が聞こえてくる。
一瞬、心臓が止まりそうになる。
(嘘だろ……信じられない……!)
二人の衛兵が、必死に逃れようともがくマルヴィラの両足を引っ張っている。
彼らは俺のすぐそばに彼女を放り出した。彼女が立ち上がろうとすると、すかさず蹴りを見舞い、再び砂の上に這いつくばらせた。
衛兵たちのすぐ後ろには、クウィリンの姿もある。俺は完全に呆然としている。
(一体ここで何が起きているんだ!?)
クウィリンは静かに俺に近づき、俺の目を見据えながら、狂った蛇のように地面でのたうち回るマルヴィラの頭を足で踏みつける。
俺が怒りを感じる暇もなく、闘技場の支配人が口を開く。
「マルヴィラには、毎晩ここに来てお前の体を洗う任務が与えられていた。万が一、理由はどうあれそれを怠った場合には、お前と同じ罰を受けると約束されていたのだ」
俺は奴の目を見つめ、自分の耳を疑う。
(俺がこれまでの人生で経験した、最も優しく人間らしい行為は、罰への恐怖からくるものだったというのか?)
「さあ、答えろ。なぜ昨晩は来なかった?」
クウィリンが発言を許すと、マルヴィラは砂を吐き出し始める。
「他にどうしろって言うのよ!? あんな任務、全くの無意味だったわ! この人殺しの機械の背中をマッサージしろとでも言うの? あんなの、ただの異常じゃない!」
その言葉が放たれた瞬間、俺が取り戻したと思っていたものは、一瞬にして打ち砕かれ、跡形もなく消え去った。
(彼女の目には、俺は人間ですらないのか……。)
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
アカルが抱いたわずかな希望と人間性は、マルヴィラの残酷な言葉によって無残にも打ち砕かれてしまいました。
「人殺しの機械」——その一言が、彼の心にどれほどの絶望をもたらしたのか……。
そして、彼と同じ罰を受けることになったマルヴィラの運命は果たしてどうなるのでしょうか?
もし「展開がエグい!」「アカルが不憫すぎる……」「この先の展開が気になる!」と思っていただけましたら、
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