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第7話

第7話


初めて、夜がこんなにも早く過ぎ去った。


悪夢でさえ、いくらか耐えやすいものになった。


俺はそのことに、ひどく魅了されている。


もう一度あの幻影の中に沈みたいが、新しい一日が始まってしまった。


俺はまだ、木の杭に縛り付けられたままだ。


訓練場の周りの観客席に、人々が集まってくるざわめきが聞こえ始める。


(見世物の続きってわけか。)


激しく打つ心臓を落ち着かせようと、ゆっくりと深呼吸をする。


確かに、昨日の補給将校は手加減を知らなかった。


本気で俺を殺そうとしているようにさえ感じた。


(馬鹿な奴だ。俺の治癒が遅いとはいえ、そんなことできるはずがないのに。)


奴の重い足音が聞こえる。


太った豚め、今回は助手たちを引き連れているようだ。


しわがれた息遣いと、木材を地面に引きずる音が耳に届く。


(闘技場で俺に武器を渡す奴まで来やがった! 本当に兄弟そっくりだな!)


あのもう一人の男を、これからは武器将校と呼ぶことにしよう。


奴らが俺の周りに太い棒を並べるのを見る。


(あれは槍でもないし、俺が縛られているような杭でもない。)


普通の長柄武器よりも太く、鋭い穂先もない。


側面に沿って、平らな金属の金具が取り付けられている。


(あんなものは初めて見た。)


視界の隅で、補給将校と武器将校がそれぞれ棒を一本ずつ掴み、俺の方へ向かってくるのが見える。


一方の端を握り、大きく振りかぶる。


ドスッ。ドスッ。


息が詰まった。


肺に空気を吸い込むことができない。


ようやく息を吸い込めたかと思うと、またあの風を切る音が聞こえる。


そして再び。


ドスッ。ドスッ。



* * *



「マルヴィラ。今日の見世物を見ないのか?」


私はうつむいたまま、何と答えていいか分からない。


昨日見た光景が、いまだに頭から離れないのだ。


「今日は、昨日ほど心配していないことを願うよ」


クウィリンが、恐怖に満ちた私の目を見つめながら微笑むのが見える。


聞きたいことは山ほどあるのに、私にはその勇気がない。


「昨日は切り傷の手当てをしたな。今日は打撲と骨折の世話をしてもらうぞ」


彼があまりにも無頓着にそう言ったので、私は息を呑んだ。


その言葉の挑発には、何も答えない。


私は闘技場から完全に背を向けた。


遠くから響く鈍い打撃音を聞いているだけで十分だ。


みんなが立ち去るまで、ずっとここで待つつもりだ。


数時間後、昨日と同じ荷物を抱えて、ようやく訓練場の砂の上に降り立つ。


彼らは一瞬たりとも、彼の拘束を解かなかった。


彼は再びあの杭の前に跪いている。あまりにも動かないので、もう死んでいるのではないかと思うほどだ。


(彼に近づくのが怖い……)


彼の胸が、リズミカルに上下しているのが見える。


(誰も! まともな人間なら、あんな目に遭って生きていられるはずがない!)


彼が本当に人間なのかどうかすら疑わしい。


二日前に闘技場で戦っていた彼の姿を思い出す。


ある瞬間、彼は文字通り野生の獣のように振る舞っていた。


(すぐに近づいて、挨拶しよう。うっかり彼に襲われたくないもの。)


「私はマルヴィラ。あなたの体を洗いに来たわ」


どう声をかければいいのか分からなかった。昨日と同じ言葉を繰り返す。


それでも、胃がぎゅっと締め付けられ、体がひどく強張っていることに変わりはない。


「二晩続けて、同じ夢を見ている!」


全身に悪寒が走る。


彼は、何時間も拷問を受けていた人間には到底見えない。


確かに疲弊してはいるが、生きている。


(まるで何事もなかったかのように振る舞っているわ!)


「君に会えて、本当に嬉しいよ!」


彼の顔に浮かんだ不気味な笑みに、私は総毛立つ。


狂気を孕んだ目で、私を見つめている。


(こんな……異端者に出会ったのは初めてよ!)


もう何も考えないようにする。


黙ったまま、素早く自分の仕事をこなす。


彼が口を開くたびに、私はすぐに少し横へと移動する。


私の態度に少しも動じることなく、彼はただ笑い始める。


(気分が悪いわ……)


もう論理的に考えることができない。


彼が負っているはずの傷は、すべて存在しないのだ。


打撃を受けた場所に、うっすらと痣の痕跡が見えるだけで、どこも損傷していないし、骨も一本も折れていない。


(こいつは一体、何なのよ!?)


ここに来るのは、今日で最後にする。


明日、私がどんな罰を受けようと知ったことではない。


(こいつはクソ忌々しい化け物よ! 奴らがいつまでこいつを鎖に繋いでおけるか分からないわ!)


彼には一言も声をかけず、私はその場から逃げ出した。

最後までお読みいただき、ありがとうございます!


アカルにとっては至福の夢(?)ですが、マルヴィラから見れば絶対に死なない不気味な化け物……。

二人の激しい温度差とすれ違いが、ついにマルヴィラを恐怖の限界まで追い詰めてしまいました。

果たして明日、彼女はどうするのでしょうか?


もし「二人のすれ違いが面白い!」「アカルの狂気がたまらない!」と思っていただけましたら、

ぜひページ下部より【ブックマーク】や【評価(★★★★★)】をお願いいたします!


皆様の応援が、この過酷な物語を打ち鍛える最大のモチベーションになります!

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