表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/16

第4話

重い瞼を開ける。自分の独房にいるのが見える。どうやってここに戻ってきたのか覚えていない。


体中が痛み、血まみれだ。だが、そんなことは気にならない。


感情に身を任せた時は、いつもこうだった。今に始まったことじゃない――そう言いたいところだが、今回は何かが違う。


(心に野性を感じる。ある意味で……自由だ。)


このゲームの従順な駒になるよう、あまりにも長く調教されすぎたせいで、自分の中に何が潜んでいるのかを忘れていた。


生きていることが嬉しい反面、明日という日が来ることを喜べない自分がいる。


これが嵐の前の静けさに過ぎないことを、知っているからだ。


闘技場で戦い始める前、こんな風に感情を爆発させるのは訓練の時だけだった。それが俺の本来の性質だったのだ。


本性を見せるたび、俺は容赦なく地面に叩きつけられた。


闘技場のための完璧な戦士を作り上げるために、膨大なエネルギー、鞭打ち、そして拷問が費やされた。


だから俺は、自分を隠さなければならなかった。自分自身のことすら忘れなければならなかった。


これ以上苦しまないために。一日でも長く生き延びるために。


大きな音が思考の波を断ち切った。誰かが独房に近づいてくる足音が聞こえる。


(はぁ……)


重いため息をつくしかない。現実に戻る時間が来たようだ。


いつもと同じ男が扉を開ける。


(奴を「補給将校クォーターマスター」と呼ぶことにしよう。)


無言で独房を出て、奴の後を歩く。これから何が待っているのか、痛いほど分かっている。


全身の毛が逆立つ。もう二度とこんな目には遭わないと、密かに願っていたのに……。


未だに驚いている自分が不思議だ。


(どうやら、これが俺の運命らしい。)


補給将校は俺を訓練広場の真ん中へと連れて行く。すでに地面には、太い杭が打ち込まれているのが見える。


この木製の拘束具から身動きが取れないように、俺の手足は重い鎖で繋がれた。


(どんな感覚だったか、すっかり忘れていたぜ。)


あのデカいクソ野郎が俺の目に目隠しを巻く。視覚以外のすべての感覚が研ぎ澄まされた。


(再教育の時間の始まりだ……)


* * *


「マルヴィラ、縁まで近づいて、よく見ておきなさい。」


自分の名前を呼ばれた途端、私は立ち上がり、命令に従うために近づいた。


「これからお前が見るものは、我が闘技場の名誉を汚す者全員に待っている運命だ。」


闘技場の管理者の一人が私にそう告げる。彼の名はクウィリン。私が彼の所有物になってから、まだ一週間しか経っていない。


「よく見ておけ。一度でも私を失望させれば、お前も奴と同じ末路を辿ることになる。」


私は一瞬だけクウィリンに視線を向ける。


目につくのは、その下劣で脂ぎった豚のような顔に張り付いた、嘲笑の笑みだけだ。


彼が手で示した広場の中央では、先ほど闘技場でかろうじて生き残ったばかりの男が、巨大な木の杭に縛り付けられようとしていた。


圧倒的な不利な状況にもかかわらず、生き残っただけでなく、わずか数分で敵を文字通り粉砕した彼に、私は感嘆の念を抱いていた。


最初は、何か冷徹なルールに従って戦っているようだった。


だが途中から、彼の中で何かが急に変わったことに気づいた。より……獣のように。


彼は不可能を可能にし、勝利を収めた。


(どうして彼を罰しようとするの?)


彼を連れてきた男が、先端に金属球のついた革の鞭を手に取るのが見える。彼は満面の笑みを浮かべながら、剣闘士の方を振り返った。


大きな風切り音が響き、縛り付けられた男の傷だらけで汚れた背中に、強烈な一撃が振り下ろされる。


その男の大きな叫び声が聞こえた。恐ろしい。人間とは思えない声。


誰かが彼の口に何かをねじ込むのが見えた。これで、もう彼の声は聞こえなくなった。


少しの間静かになったが、それも束の間だった。今度は大男が、休むことなく連続で鞭を振り下ろし始める。


口には猿轡を噛まされ、叫び声は押し殺されているが、痙攣する筋肉を見るだけで、それがどれほど想像を絶する苦痛であるかが分かる。


鞭打たれるたびに、彼の体が大きく反り返るのが見える。


傷口から血が滝のように流れ落ちる。やがて彼は膝から崩れ落ちた。しかし、解放されることはない。


鞭は依然として、容赦なく彼を打ち据え続けている。


この残酷さと無慈悲さから目を逸らすことができない。私は震える手で自分の口を覆う。


一人の人間を、どうしてこんな風に扱えるのかと、恐怖で胸がいっぱいになる。


「震えているな。」


「彼、死んでしまいます!」


「心配するな。まだ一日目だ。」


私は信じられない思いでクウィリンを見つめた。口は開いているのに、言葉が出てこない。


「奴は三日間、あの柱に縛り付けられる。三日間の間、彼の良き友人が、闘技場での正しい振る舞いの基礎を叩き込んでくれるのだ。」


(自分の耳が信じられない。)


「それぞれの授業が終わるたび、奴を次の授業に向けて準備させるのが、お前の仕事だ。」


(そんなこと引き受けないって、強く言ってやりたい……)


だが、彼のそのおぞましい視線を見た時、それこそが彼が最も望んでいる反応なのだと、心の底で理解した。


遠くで鞭が空気を裂く音を聞きながら、私はただ、静かに頭を下げることしかできなかった。

今日も最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

アカルの過酷な運命は、まだ始まったばかりです。


少しでも「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけましたら、

ぜひページ下部の【星(評価)】と【ブックマーク】を押して応援していただけると、毎日の執筆の大きな励みになります!


明日の更新もどうぞお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ