表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/15

第2話

息ができない。体は熱を持ち、筋肉は疲弊している。


また同じ顔ぶれと戦っている。すでに俺が殺したはずの敵たちと。


今日、さらに三つの魂が、すでに膨れ上がった戦士たちの輪に加わった。


殺したくない。


致命傷を与えるたび、彼らの屍の上に親や妻、子供たちの姿が見える。大声で嘆き、泣き叫び、死んだ家族を悼む姿が。


血に染まり震える自分の両手を見つめていると、戦士たちの死体が起き上がり、俺に向かって叫び出す。


生きて何を成し遂げたかったのかを。どんな目的や生きる意味があったのかを。


(アカル、この人殺しめ! 名誉を知らぬ犬め!)


亡霊たちが最後に投げつけるのはその言葉だ。俺の幻覚は、いつも同じ結末を迎える。


自分の手で、次から次へと無数の女たちを引き裂いていく光景が見える。


目を閉じるたび、彼女たちの悲鳴、怒号、助けを呼ぶ声が聞こえる。


だが、助けなど決して来ない。


いつも。俺。だけだ。


汗だくで息を切らしながらベッドから跳ね起きる。


また同じ悪夢だ。また同じ幻覚。そしてまた、自分に対する嫌悪感が押し寄せる。


どうして俺がこんな目に!?


心の中で叫ぶことしかできない。好きでここにいるわけじゃない。


物心ついた時からここで育った。生まれながらの奴隷だ。


(俺に生きる権利はあるのか?)


いつも同じ問いを自分に投げかける。


だが、決して心から答えることはできない。


誰かがドアに近づき、鍵を回す音が聞こえる。毎日顔を合わせる、あの巨漢だ。


無言で立ち上がり、すぐに独房を出る。いつもと同じ光景だ。


三日に一度、闘技場で戦う。残りの日は一人で、あるいは他の奴らと訓練だ。


あいにく、今日は戦いの日だった。


巨大な金属の門に近づく。その前には、もう一人の巨漢が立っている。


(こうして見ると、どいつもこいつも似たような顔だな。)


近づくと、門の前の男が俺の手にありふれた木の槍を押し付けた。


(槍というより、ただ先を尖らせただけの棒切れだ。少なくともリーチは稼げる。)


今、巨大な金属の門の前に一人で立っている。手には2メートルの槍。


心臓が狂ったように高鳴る。


(また同じことの繰り返しだ。)


吸って。吐いて。


(もうウンザリだ……)


吸って。吐いて。


吸って。


門が開く。少し薄暗い闘技場へと歩み出る。


吐いて。


(どうやら、俺を始末したいらしい。)


向かいの門から、今度は四人の戦士が出てくる。


(クソったれな運命だ……)


二人が後方に残り、投石紐スリングを取り出して石を装填するのが見える。


前衛は斧を持った奴と、剣を持った奴だ。


奴らに向かって走り出す。奴らも向かってくる。


頭のすぐ横を石が風を切って飛んでいく音が聞こえる。


敵に肉薄する。賢い奴らだ、同時に攻撃を仕掛けてくる。


剣の攻撃を躱す。斧の一撃を槍の柄で受け止める。そのまま武器の石突きで、剣を持った奴の膝を打ち据える。


ドスッ。左肩に石が直撃したのを感じる。


ヒュッ。二発目が顔の前をかすめる。


斧を弾いた隙に、剣が背中を切り裂くのを感じる。


幸い、傷は浅い。


視界の隅で、俺に向かって飛んでくる石を捉える。


避けられない。


心臓が狂ったように暴れる。息ができず窒息しそうだ。


衝撃を和らげるため、咄嗟に頭を右に傾ける。


ゴッ。


耳鳴りがする。視界がぼやける。


がむしゃらに身をよじるが、何度も体が切り裂かれ、貫かれるのを感じる。


苛立ちが募る。怖い。怒りに震える。


かろうじて斧の斬撃を防いだが、武器を真っ二つにへし折られた。


さらに足に石を食らう。


(もう限界だ……)


剣が肋骨に突き刺さり、そこに食い込む。


(いい加減、終わってくれ……)


死ぬのが怖い。

第2話までお読みいただき、ありがとうございます!

アカルの過酷な闘いはまだ続きます。

本日一挙公開の最終話となる第3話も、このまま続けてお楽しみください!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ