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お前らへのボーナスだ

お前らに少し意見を聞かせてほしい。

原点に立ち返り、これまでとは違うアプローチで執筆を試みることにした。

これが、修正を加えた第1章の改訂版だ。

この新しい文体と、これまでの書き方、どっちがお前らの好みか、率直な感想を聞かせてくれ。


吸う。吐く。

(これが初めてではない。)

吸う。吐く。

(勝って、生き延びる。)

吸う。吐く。

(時間だ。)

吸う。

(今日は曲刀サーベルか……)

吐く。

(殺しの時間だ。)


金属の軸受が軋む音が静寂を破る。敷居から一筋の陽光が差し込み、次の瞬間には、この悪臭を放つカビ臭い部屋を黄金色の光で満たした。石壁から脈打つように伝わる刺すような冷気が、肉体と精神の双方を追い詰める。だが、それすらも闇を払う太陽の熱の力には屈する。立ち昇る熱気が思考を遮り、意識をはっきりとさせる。

砂の粒子が唇に付着し、闘技場の土深くに染み込んだ血の金属的な味が舌に広がる。

柄の革が軋み、握りしめる右手の指が白く変色する。

(太陽さえ、これほど眩しくなければ……)


俺の足音は、最後の吐息の理解者であり、無慈悲な吸血鬼でもある闘技場の砂に吸収される。

(三人。)

前方の暗闇から、革鎧を身に纏った三人の戦士が姿を現す。

(クソ忌々しい監督官め!)

いつもこうだ。俺は腰布一枚で、鎧の壁と戦わされる。


こめかみの血管が脈打つ音を、銅鑼の音が遮った。曲刀を固く握りしめ、奴らに向かって全力で駆け出す。奴らも一直線に突撃してくる。分散すらしなかった。


(愚か者どもが!)

一人目に到達する。奴が大上段から力任せに斬り下ろしてくる。左へ跳ぶ。一瞬身を屈め、猛然と伸び上がりながら下からの一撃を放つ。

(そこだ!)

敵の無防備な首に刃が正確に食い込む。

(一人目!)

視界の隅で、迫り来る槍の穂先が閃く。横へ身を投げ、斧を持った三人目の敵の目の前に着地する。


(今だ!)

素早い動きで、曲刀を下から上へと振り抜く。左手で斧の柄を防ぎ、俺の刃は容赦なく敵の喉を切り裂く。背後から足音が迫る。屍を盾にし、そのまま瞬時にその場で反転する。鈍い音と共に、槍が肉の盾の胸を貫く感触が伝わる。


屍から手を離し、槍使いに向かって全力で死体を蹴り飛ばす。太陽に目が眩んでいた奴は、バランスを崩す。


(これで終わりだ。)

半ば屈んだ姿勢で間合いを詰め、流れるような一太刀で奴の喉を掻き切る。

吸う。吐く。

心臓がハンマーのように打ち鳴らされる。筋肉がわずかに弛緩する。

(生き延びた。)


今までくぐもっていた背景の音が、急激に音量を増す。戦いの最中には意識していなかったそれが、今、圧倒的で暴力的な音の爆発となって俺を打ちのめす。

老人、若者、そして子連れの母親で埋め尽くされた観客席が、極彩色に波打っている。

(嘔吐を催すほどの狂乱の中で、奴らは歓声を上げ飛び跳ねている。)

血塗られた曲刀の刃を、槍使いの革鎧で拭う。

(この光景には慣れたと思っていたのだがな。)

背筋を伸ばし、物言わぬ動かない敵の屍と向き合う。ほんの少し前まで命に満ち溢れていたとは俄かには信じがたい。自らの血で闘技場の砂を潤す人間の姿はあまりにも自然な風景であり、焼けるような砂から離れようとする者は、倒れた者たちの傍で休むよう呼ばれているような錯覚に陥る。まるでそれが、心からの最も明白な願望であるかのように。

血で粘つく砂が、名前を呼んでいる。決して裁きはしない。ありのままのお前を求めている。休息へと誘い込む。

砂は血を渇望している。


(今日は、生き延びた。)

戦士たちに向かって頭を下げ、曲刀で敬礼する。

(明日は、俺がこうなるかもしれない。)

観客席からどよめきが沸き起こる。人々はさらに大声で歓声を上げる。

(奴らは何も分かっていない。奴らにとってはただの劇場シアターだ。)

あの醜悪で下品な笑顔と指笛にもかかわらず、俺は曲刀を高く掲げ、奴らを喜ばせるために空気を大きく数回切り裂く。

(よく戦った。何か鎧くらい与えられてもいいはずだ……)

だが、変化など期待していない。奴らにとっては見世物なのだ。だから俺も、生死を懸けた役者の役割を受け入れる。さもなければ、不服従に対する鞭打ちが待っているだけだ。

(なぜ俺が、こんなクソったれな奴隷でなければならないんだ!?)


軸受が切り替わる軋む音が、戦場に響き渡る。闘技場を降りろという合図だ。最後の礼。群衆は熱狂しているが、その音は思考の虚無へと消え去っていく。石造りのカビ臭い部屋の冷気が俺を出迎える。

牡牛のように太い首を持つ番兵が、俺の前に手を差し出して立つ。俺自身も決して背は低くないが、奴の目を見るには顎を上げなければならない。

(武器番。)

躊躇うことなく武器を渡す。それが規則だ。少なくとも俺にとっては。


別の巨漢が、俺を独房へと連行する。

(宿舎番。)

奴が一歩踏み出すたびに、床が揺れる。道中、鍵の掛けられた鉄の扉が並ぶ列を通り過ぎる。どの扉にも小さな鉄格子の窓がついている。どれも全く同じに見える。その一つ一つの背後に、俺の次の対戦相手が潜んでいるかもしれない。


突突如、地面の揺れが止まる。俺の独房の扉の前に立っていた。蝶番が、自らの寿命に嫌気がさしたかのように容赦なく軋み声を上げる。宿舎番が、その巨大な手で俺を乱暴に突き飛ばす。

(従順でなければならない。)

だが、血管の中で血が沸騰している。奴のその肥え太った首を見ると、ほとんど自らの意志を持つかのように、両手が自然と固く握り締められる。

奴を捕らえ、全力で締め上げたくてたまらないのだ。

(落ち着け!)

敷居をまたいだ瞬間、扉が勢いよく閉まり、巨大な衝突音が頭の中で鳴り響き続ける。

肉体が本能的に反応する。踵を返し、今まさにその反響する扉を拳で殴りつけようとしたが、最後の瞬間に理性を保った。

日を追うごとに、この野蛮な怒りが鎖を引きちぎろうと暴れ狂う。

もし一陣の微風でも背中を撫でていたなら、俺は宿舎番の首に飛びかかり、歯で食い破っていただろう。

(こんなクソみたいな運命には、もううんざりだ!)


粗末な寝台が軋む。俺の体重が再び戻ってきたことに、明らかに不満を漏らしている。

(眠るな!)

頑固で言うことを聞かないまぶたと戦う。

(眠っては駄目だ!)

筋肉が俺の許可もなく、勝手に弛緩していく。頭が恐ろしいほど重く、無意識にうなだれる。時々、自分の肉体すらも敵であるかのように錯覚する。

(駄目だ……あそこには戻りたくない……駄目だ……眠るな……)

今日の殺戮の押し潰すような重圧と、筋肉の刺すような痛みが、ついに俺の抵抗を打ち砕いた。それが、闇に飲み込まれる前の、最後の思考だった。


お前らもここまで俺に付き合ってくれたんだ。

だからこそ、どっちのバージョンが好みか、率直な意見を聞かせてくれ。

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