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第15話

肌にそよ風を感じる。


宙には花の香りが漂っている。

甘く、繊細で、清々しい。


最後に覚えているのは、背中を預けた硬い木の皮だ。


おかしい。

今は信じられないほど柔らかく、ふかふかした物の上に横たわっている気がする。


(何かがおかしい……)


もっと何かを思い出そうとするが、思考は霧がかかったようにぼやけている。

頭がぼんやりして、混乱している。


だが、一つだけ確かなことがある。


今どこにいようと、何が起きていようと、俺は安らぎを感じているのだ。

まるで、最初からここに行き着く運命だったかのように。



「目を覚ましたわ!」



近くで誰かの声が聞こえた。

俺は目を開け、ほとんど同時に身を起こした。


今になって、自分が巨大な苔の塊の上に横たわっていることに気づく。

すぐそばには小さな池があり、その周囲には高い木々がそびえ立っている。


とてつもない疲労を感じて然るべきはずなのに、最高の気分だ。


背後から大きな笑い声が聞こえる。

しかし奇妙なことに、それを気にする必要はないと感じている。


この場所では、それがごく自然なことだと思えるのだ。



ゆっくりと振り返ると、木々の間から三人の人影が現れるのが見えた。


俺は穏やかな気持ちだった。

彼女たちのことを知っているような気がしたからだ。


まるで、彼女たちが俺の一部であるかのように。

奇妙な感覚だ。


これまでにこんな気持ちになった記憶はない。



三人の女たち。


中央に立つのは、俺と同じくらい背の高い女。

髪の代わりに、青々とした葉が密集している。

体には蔓が絡みついている。


彼女のすぐ横には、水滴のように瓜二つの、金髪の女が二人歩いている。

二人とも、常に濡れているかのような印象を受ける。


彼女たちの肌の上で水滴が楽しげに踊り、次々と小さな小川に変わっていく。



「歓迎するわ、戦士さん。私の名前はアイア。こちらはケイラとレイカよ」



中央の女が恥ずかしそうに微笑む。

彼女たちは少しずつ近づいてくる。



「あなたが私たちの森に現れた時、少し驚いたのよ」



俺から一歩離れた場所で立ち止まる。


彼女たちの体の細部まで、はっきりと見て取れる。

彼女たちには、どこか野性的な魅力がある。


喉が渇いた者が水に惹きつけられるような、そんな何かだ。



「私たちと一緒にいていいのよ。両手を広げて歓迎するわ」



俺は彼女の存在に魅了されていた。

その温かい声と、美しい姿に。



「ただ、私たちの運命を一つに結び合わせるだけでいいの」



アイアは俺の隣に座り、その顔を、ほんの少し触れるだけの距離に近づけた。

彼女の緑色の瞳は、催眠術のように俺を引き込む。



「私たちの関係を、口づけで封印して。そうすれば、永遠に一緒にいられるわ」



まるでトランス状態に陥ったかのように。

俺は躊躇うことなく、彼女と唇を重ねた。



* * *



「目を覚ましたわ!」



レイカとケイラが興奮した様子で私の方へ駆けてくる。


(無理もないわ。私自身、信じられないのだから!)


呪文の第一段階は成功した。

私たちは彼の精神に侵入することに成功したのだ。


おかげで、標的が何を望んでいるのかを理解できる。


この男の場合、それは親密さへの渇望。

理解と信頼。愛への欲求だ。


だからこそ、私たちもこんなに落ち着かない気分になっている。


(これこそ私たちが望んでいたもの。一番簡単に操れる感情よ)


私はずっと微笑みを浮かべているが、これからが最大の試練だと分かっている。


今度は彼から、私たちに向かって歩み寄らなければならないのだ。

手段はどうでもいい。


呪文を封印するために、彼自身が行動を起こさなければならない。



前回の試みでは、まさにこの要の段階で、獲物が私たちの魔法から逃れてしまった。

危険な状況だったが、その時はなんとか彼を殺すことができた。


だからこそ、すべてを慎重に進めなければならない。

彼はいつでもこの魅了から逃れる可能性があるのだから。



「私が彼を説得するわ。その間、あなたたちは歌い続けて。戦う準備も怠らないでね」


「もちろんよ、アイア!」


「もうすぐそこよ!」


「彼が接触するように仕向けたら、長くは待たないで」


「すぐに飛びかかるわ!」


「待ちきれないわ!」



(私たち全員で彼を支配しなければ)


(彼が私たち一人一人を守るの。そうしてこそ、私たちは生き延びられる)


最近、私たちの領地に足を踏み入れる人間が増えているのだから。


(他に道はないわ)



冷静さを保とうとするが、手が震えているのが分かる。


完全なる服従を得る前の最後の段階であり、同時に彼が私たちに危害を加えることができる最後の瞬間でもある。


私たちは木々の間から姿を現した。


姉妹たちが誘惑の歌を紡ぐ中、私は一歩ずつ戦士に近づいていく。



(魅了されているわ! 魔法が効いている!)



今こそ、彼を完全に惑わす時だ。



「歓迎するわ、戦士さん。私の名前はアイア。こちらはケイラとレイカよ」



私たちはどんどん近づいていく。



「あなたが私たちの森に現れた時、少し驚いたのよ」



心臓が喉から飛び出しそうだ。



「私たちと一緒にいていいのよ。両手を広げて歓迎するわ」



私はゆっくりと彼の隣に座り、視線を合わせ続ける。



「ただ、私たちの運命を一つに結び合わせるだけでいいの」



彼はあまりにも野性的な目で私を見つめ返してくるので、本当に人間なのだろうかと疑ってしまうほどだ。


(ここで怖気づくわけにはいかない!)



「私たちの関係を、口づけで封印して。そうすれば、永遠に一緒にいられるわ」



その瞬間、突破口が開かれた。


彼はほとんど即座に行動に出た。

私が何か言葉を続ける前に、私の唇に飛びついてきたのだ。


これで、彼は私たちの奴隷となった。

アカルは森の怪物たちの罠に落ちた。自らの首に幻覚の鎖をかけたのだ。

だが、奴らは本当に従順な奴隷を手に入れたとでも思っているのだろうか?

自らが招き入れた「狂気」の正体を、奴らはまだ知らない。


この甘い幻影が悪夢へと変わる瞬間を見たいか?

ならば、【ブックマーク】と下の星【★★★★★】を叩き込んでくれ。

次のページを開いてほしければ、お前たちの「飢え」を示してくれ。


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