第12話
読者よ。俺は今、お前に直接語りかけている。
ここまで辿り着いたということは、最新話まで追っているということだな。
お前はすでにこの物語の一部になっている。だというのに、何をしている?
……何もしていないじゃないか。
俺は自分の小説をお前に突きつけている。それなのにお前は沈黙したままだ。
お前がここにいるのは、自分の意志を、声を残すためだろう。
俺が書き続けることが俺の使命であるように、それこそがお前の果たすべき役割だ。
俺はお前にそれを求めているし、お前がそれを果たすことを期待している。
声を上げる力を持て。
それができないなら、永遠に黙っていろ。
鬱蒼とした暗い森を駆け抜ける。
この逃走がどれだけ続いているのか、安全な場所に辿り着くまでにあとどれくらい走ればいいのか分からない。
だが、一つだけ確かなことがある。俺は自由だ。
(全く信じられない!)
何年もの間、あの忌まわしく腐りきった場所にいたせいで、この暗い森全体が魔法のように美しく思える。
凄まじい疲労を感じている。
もしできるなら、今すぐここに倒れ込みたい。
だが、俺は一人ではない。背中には、荒い息を立てるマルヴィラを背負っている。
とっくに意識を取り戻していてもおかしくないのに、回復するどころか、彼女の体力はますます衰えていく。
突然、彼女が痙攣を起こし、俺の背中でぐったりと力を失うのを感じる。
少し速度を落とし、どこか落ち着ける場所を探す。
たとえ追手が迫り続けていたとしても、身を隠せるような場所を。
目の前に、木々が密集して生えているのが見える。まるで壁のようなものを形成している。
(これで十分なはずだ。)
その場所に近づき、慎重にマルヴィラを地面に下ろそうとする。
だが、肩に刺さった矢のせいで、細やかな動きがとれない。
(待て……矢!?)
それが何を意味するのか悟った瞬間、心臓が止まりそうになり、肺からすべての空気が抜けていく。
(マルヴィラ!)
できる限り優しく彼女を横たえる。
彼女の背中には、二本の矢が突き刺さっている。
呼吸は非常に浅く、ゼイゼイと音を立て、口からは血の筋が流れ落ちている。
全身が青ざめ、反応がない。
あらゆる角度から彼女の体を調べる。
鞭打たれた傷は全く塞がっておらず、そこから黒い粘液が滲み出ている。
(何も理解できない。鞭に毒が塗られていたのか?)
彼女の体は、ますますぐったりとしていく。
(意味が分からない! 俺だって彼女の前に打たれたんだぞ!)
完全にパニックに陥る俺の前で、彼女は血を吐きながら目を覚ました。
「マルヴィラ!」
* * *
自分が死ぬことは分かっている。
奴隷商人に捕まったあの瞬間から、最初から気づいていた。
それが、自分の時間が終わりに近づいていると悟った瞬間だった。
私の幻影魔法が解け、人々が私の素顔——私が悪魔であること——を見た瞬間、私が最後の息を引き取ることは分かっている。
逃げるために、必死であらゆる手を尽くした。
残念ながら、闘技場の支配人の一人が私の主となってしまった。彼は自分の「おもちゃ」を厳重に管理することで有名だった。
数日後、闘技場での戦いがどのようなものかを目にした。ある一人の人間が、あらゆる絶望的な状況を覆して生き残り、勝利したのだ。
(彼を利用して逃げられるかもしれない。)
そんな考えが頭をよぎった。今なら分かる。私が彼についてどれほど大きな勘違いをしていたかが。
彼は自ら私を助けに来た。私は彼を恐れ、ただの野獣として扱っていたのに。
それなのに彼は来た。私を解放し、私が傷つかないように自らの命を危険に晒してくれた。
残念ながら、逃走中に弓兵の矢が私を捉えてしまった。
実際のところ、闘技場の外で死ねるのは幸運だ。
彼以外、私が何者であったかを知る者はいない。
彼は? 完全に現実から切り離されている。まるで人生のすべてを檻の中で過ごしてきたかのように。
あるいは、本当にそうだったのかもしれない。
もうそれを知る術はない。
私の同胞への警告として、彼を残す。
同胞たちは、必ず彼を見つけ出すだろう。
* * *
マルヴィラが、虚ろな瞳で俺を見つめている。
何か言おうとしているが、彼女の口にはますます多くの血が溜まっていく。
(矢が肺を貫いたに違いない!)
「今はあまり動くな! 再生に集中しろ! 早く!」
だが、彼女はそんなことはしない。まるで俺の声など聞こえていないかのようだ。
震える手を伸ばし、自らの唇に触れる。
そして俺の胸に、二つの奇妙な記号を描き始める。
描き終えると同時に、その印は赤く光り始めた。まるで俺の皮膚に焼き付けられているかのように。
そして、まるで最初から存在しなかったかのように消え去った。
驚きで彼女を見つめ、俺は言葉を失う。
これまで青白かった彼女の肌が、深紅に染まる。
体に刺青が浮かび上がる。それは奇妙な黒い記号のように見える。
こめかみからは小さな角が生え出す。
彼女は呼吸を止めた。死んだのだ。
俺はただの物語を書いているのではない。
神話を引きずり出し、新たな世界と伝説を創り上げているのだ。
この過酷な世界には、俺の故郷であるポーランド、スラブの荒ぶる血と冷たい鋼が流れている。
お前たちは今、その伝説の目撃者となった。
まさか、ただの傍観者のまま通り過ぎるつもりか?
この世界に耐え抜いたのなら、その痕跡を残せ。
ページ下部にある【ブックマーク】にその名を刻み込み、【評価(★★★★★)】を投げ入れろ。
俺が鍛え上げるこの世界に相応しい読者であることを、その手で証明してみせろ。




