第10話
俺は自分の牢屋に座っている。
体力を蓄え、運ばれてきたものを腹に流し込む。
たいしたものではないが、少しでも余分なエネルギーになる。
俺のこれまでの人生について、深く考えを巡らせる。
ここでどのように育ってきたか。
どのように扱われてきたか。
何を経験し、何を背負って生きてきたか。
(今日で、そのすべてが過去のものになる。)
頭の中には、すでに計画ができあがっている。
夜の巡回が通りかかったら、音を立てて騒ぎを起こす。
奴らは俺の牢屋を開けざるを得なくなる。その瞬間を利用して、ここから抜け出す。
見せしめのために、奴らは彼女を夜通し訓練場に放置しているはずだ。
今にして思えば、奴らのやり口はいつも同じだ。
恐怖を植え付けるため。
服従を強いるため。
だが、俺はもうそんなものとは決別した。
心臓が胸を突き破って飛び出しそうだ。
緊張している。だが同時に、かつてないほど執念に燃えている。
(今日ばかりは、どんな悪夢も俺を止めることはできない。)
俺は寝台に横たわり、浅い眠りについた。
廊下から聞こえる静かな足音で目を覚ます。
時間が来た! 今しかない!
想像を絶する痛みにのたうち回っているかのように、俺は叫び、呻き声を上げ始める。
現実味を持たせるため、胸を強く押さえながら床を転げ回る。
(うまくいった!)
補給将校が俺のドアの前に駆けつけてくる。
鍵を回し、勢いよく中へ入ってきた。
「夜中に何をごちゃごちゃ騒いでやがる、このクソ……」
奴は間抜けな顔をして俺を見下ろしている。
どうすればいいのか分からないのだ。こんな状況は今まで一度もなかったからだ。
「クソ野郎……姿を見せろ」
奴は両足を広げて立ち、俺の上に身を乗り出した。
本当に胸が張り裂けそうなくらい、心臓が激しく波打っている。
だが、この機会を無駄にはしない。
汗で濡れた床を滑るようにして、奴の股をすり抜ける。
仰向けのまま、渾身の力で奴の肥満体の尻を蹴り上げる。
奴は前のめりに倒れ込む。
俺は素早く身を翻して立ち上がる。
奴の背中に飛び乗り、その首を両脚で締め上げる。
奴は立ち上がろうとするが、その度に俺は自分の体重を奴の背中にぶつけ、地面に押さえつける。
奴の腰にある警棒が目に入る。
(完璧だ!)
すぐにそれを掴み、無防備な奴の後頭部を殴りつける。
数回殴ると、奴は動かなくなった。
念のため、さらに何度か殴りつけておく。
他に何か持っていないか確認する。小さな硬貨の袋しか見つからなかった。
廊下に出て、ドアに鍵をかける。
ここには他に誰もいない。
ゆっくりと訓練場の方へ向かう。
暗い廊下を抜けて、訓練場に直接出る。
月が明るく照らしていて、すべてがはっきりと見える。
(やっぱりだ!)
俺が三日間縛られていたその中央に、女が跪いている。
広場に静かなすすり泣きが響いているのが聞こえる。
まず、観客席に誰もいないかを確認する。
ゆっくりと彼女の方へ歩み寄る。
俺の足音が聞こえたのか、突然静かになる。
彼女が恐怖で全身を震わせているのが分かる。
ゆっくりと近づき、彼女のそばにしゃがみ込む。
痣だらけの彼女の顔に、驚きの表情が浮かんでいるのが見える。
「君を助けに来た」
それがどれほど馬鹿げた言葉に聞こえるかは分かっているが、俺たちに時間はない。
「補給将校を殺した。一緒に逃げるんだ!」
彼女の鎖の鍵を必死に探す。
彼女を解放できたその瞬間、廊下から誰かが叫び、警報を鳴らす声が聞こえた。
(もう時間がない!)
辛うじて立っているマルヴィラを見る。
俺は瞬時に決断を下した。
「俺の背中に乗って、しっかり掴まれ!」
俺たちはここから逃げる。
最後までお読みいただき、ありがとうございます!
ついにアカルが反逆の狼煙を上げました!
長年の虐げられた生活から自らを解放し、彼に「人間らしさ」を思い出させてくれたマルヴィラを救い出す。
警報が鳴り響く中、二人の決死の逃避行がここから始まります!
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