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第1話

挿絵(By みてみん)

はじめまして。

この作品を開いていただき、ありがとうございます。チャルニヴィルク(Charuni Viruku)と申します。

どうぞ、ゆっくりとお楽しみください。


【警告:残酷な描写あり】

本作には非常に残酷な描写や、流血、暴力的な表現が含まれます。

ダークで過酷な世界観となっておりますので、苦手な方はご注意ください。


【あらすじと背景】

これは、生まれながらにして奴隷であった一人の男の物語です。

彼には、逃れられない不吉な「呪い」という宿命が重くのしかかっています。

ただ普通に生きたいと願う一人の人間に対し、世界はあまりにも残酷な別の計画を用意していました。

これは華やかな冒険譚ではありません。

泥をすすり、血を流しながら繰り広げられる、生存をかけた絶望的な戦いの記録です。


【更新スケジュールについて】

投稿は以下のスケジュールを予定しています:

・初日(本日):3話一挙公開

・その後1週間:毎日1話更新

・それ以降:毎週火曜日と金曜日に更新


【作品のルーツについて】

本作はポーランドで執筆された物語であり、今回が日本での正式なデビューとなります。

異国の地から届いたこの物語が、皆様の心に深く刻まれることを願っています。


吸って。吐いて。


(初めてじゃない。)


吸って。吐いて。


(生き残らなきゃいけない。勝たなきゃいけない。)


吸って。吐いて。


(門が開く。時間だ。)


吸って。


(今日はサーベルがある。)


吐いて。


(殺しに行く。)


巨大な金属の門が目の前で開く。太陽の熱が顔を打つ。舌に砂を感じる。右手でサーベルの柄を強く握りしめる。


(この太陽さえこんなに眩しくなければ。)


砂まみれの円形闘技場に出る。


(おや。今日は三人か。)


向かいの門から、革鎧を着た三人の戦士が見える。


(クソったれなスポンサーどもめ!)


いつもそうだ。俺は腰布一枚なのに、鎧の壁と戦わされる。


銅鑼が鳴る。左脚に沿ってサーベルを構えながら、奴らに向かって走り出す。バランスを取るために左手を前に突き出している。向かってくる。散開すらしていない。


(馬鹿どもが。)


一人目に追いつく。上から振り下ろしてくる。左へ跳ぶ。一瞬身をかがめ、素早く立ち上がりながらサーベルを振り抜く。


(もらった!)


敵の無防備な首に直撃する。


(一人目。)


視界の隅に迫る槍の穂先が見える。横転して回避し、そのまま斧を持つ三人目の敵へ向かう。


(今だ!)


下に向けたサーベルで空気を切り裂くように素早く斬り上げる。左手で三人目の斧を抑え込み、俺の武器が素早く奴の喉を処理する。後ろから足音が聞こえる。死体に身を寄せ、その場で素早く反転する。槍が奴の胸を貫くのを感じる。


死体から手を離し、二人目に向かって全力で蹴り飛ばす。今度は太陽が奴の目を眩ませ、体勢を崩した。


(これで終わりだ。)


身をかがめて二人目に駆け寄り、素早い斬撃で喉を切り裂く。


吸って。吐いて。


心臓が狂ったように高鳴る。筋肉がわずかに弛緩するのを感じる。


(生き残った。)


闘技場の歓声が聞こえる。今日もまた満員だ。全員が見える――老人、若者、子連れの母親。


(この光景には慣れたと思っていたのに。)


槍を持っていた奴の鎧でサーベルを拭い、三つの死体の前に立つ。


(今日も生き延びた。)


奴らに向かって頭を下げ、サーベルで敬礼する。


(明日は我が身かもしれない。)


群衆の歓声がさらに大きくなるのが聞こえる。


(何も分かっちゃいない。奴らにとってはただの遊びだ。)


そんな思考とは裏腹に、俺はサーベルを高く掲げ、彼らを喜ばせるために宙を数回大きく切り裂いた。


(誰か俺のスポンサーになってくれないか?)


だが、何も変わらないだろう。奴らにとっては演劇だ。だから俺も役者を演じる。生死を懸けたな。そうしなければ、不服従の罰として鞭打ちが待っている。


(どうして俺はクソみたいな奴隷なんだ!?)


背後で金属の門が開く音がする。観客席に向かって最後の礼をし、その下にある暗い通路へと歩き出す。


すぐに大柄で太った男に呼び止められる。俺の倍近い背丈がある。躊躇なく武器を渡す。それがルールだ。


少なくとも俺にとっては。


別の大きな男が俺を独房まで連行する。途中、鍵のかかった金属の扉をいくつも通り過ぎる。どれも鉄格子のついた小さな窓がある。全部同じだ。どの扉の向こうにも、次の対戦相手がいるかもしれない。


独房の前で立ち止まる。男は素早く扉を開け、顎で入れと合図する。


従わなければ。


だが、奴の喉笛を掴んで全力で締め上げてやりたい衝動に駆られる。


(落ち着け。)


何事もなかったかのように中に入ると、すぐに背後で扉がバタンと閉まる。感情を抑えようとするが、日増しに難しくなっている。そよ風に背中を押されただけでも、奴の首に飛びついて歯で食いちぎってしまいそうな気がする。


(自分の運命にはもうウンザリだ!)


簡易ベッドに横たわるが、目は閉じない。


(眠りたくない!)


吸って、吐いて。


(眠れない!)


残念ながら、それが今日の俺の最後の思考だった。ストレスとアドレナリンが俺を激しく消耗させ、その感情がようやく落ち着いた時、自分の命がいかに脆いかを感じる。


(もうこんなことは思い出したくない!)


まぶたを開けていようとするが、鉛のように重い。


(もう戻りたくない!)


時々、自分の心が自分の敵であるかのように感じる。


(ダメだ…眠るな…)


そしてそれが、その日、俺の意識に残った最後の思考だった。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

アカルの物語はまだ始まったばかりです。

第2話もすでに公開しておりますので、ぜひ続けてお楽しみください。


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