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公然の策略

俺は…15歳になった。


なぜか「まさか15歳まで生きられるとは」という気分だ。


…この10年間、ラルスと一緒にいることで、いろんなことを経験した。毎回生命の危機を感じるのに、なぜか無事に生きている…俺はこいつに常識を教え込もうと試みたけど、それが異常に面倒くさくて、結局5年もの歳月を費やして、やっと的外れな提案をしないように仕向けられた…。


こいつのおかげで、俺は今、自分の能力を上手く使いこなせるようになった。…というか、無理やり使わされる羽目になった、と言うべきか。


だが、俺がこれらの能力を持っていることは、家族には誰も知らない。なぜなら…徹底的にサボりたいからだ! 名実ともに学者になって、一歩も動かずに済む生活を送りたいんだ!


二年間、剣術の授業で素人を装い続け、ついに父さんが俺に剣術を教えるのを諦めてくれた。その結果、俺は当たり前のように書斎に引きこもって生活できるようになった。これぞ至福だ〜。「創造」の力で、エアコンやコーラ、お菓子といった素晴らしいものも手に入ったし、本当に最高だ…。


でも、ちゃんと真面目なこともやってるんだぜ。この世界の物理や化学の知識が間違いだらけなのが我慢できなくて、ラルスの力を借りて中学レベルの基礎科学を二冊の教科書にまとめて、全国で発売した。…もちろん、この世界の学術の発展のために心からそうしたんだ。


《嘘つけ。お前がただ、今後の王立学院での授業で、単位免除の資格を取りたいだけだろ》


“な…何言ってるんだ? 俺にはそんな考えはない”


王立学院といえば、王国の貴族の子女が強制的に通う学校で、一般の優秀な生徒も受け入れている。前世で言えば、高校レベルの学校だ。設立された理由は、貴族にせめて最低限の常識を身につけさせるためだと聞いている。何せ、一部の貴族家庭の教育の質は、お世辞にも良いとは言えない。そして一般人を受け入れるのは、学術の発展を促すためらしい。


今年15歳になり、成年式を終えた俺は、9月には王立学院に入学し、3年間、王都に寄宿しなければならない。領地には帰れないんだ。強制的に学校に通うとか…考えただけで疲れる…。


《そうか?…それより、準備しなくていいのか? 朝食の時間だぞ》


“え? もうそんな時間か? やばい〜、また徹夜しちゃった!”


俺は手早く机の上の現代の電化製品を空間魔法で収納した。


「アルフレッド様、朝食でございます〜」


「はーい、今行きます〜」


俺はさっと部屋着に着替えて、ダイニングへ向かった。


実家にいる間、特別な事情がない限り、毎日の朝食に参加しなければならない。これもライト家の家訓の一つだ。この規則は一見意味がないように見えるが、前世で学んだ心理学からすると、家族の絆をうまく維持するためのものだ。


今日は王立学院に通っているクラウス兄さんを除いて、家族全員が揃った。…と言っても、俺と両親の三人だけだが。


——————————————


「アル」


朝食中、普段食事中にあまり話さない父さんが口を開いた。


絶対にろくな話じゃない。…でも、こういう時こそ冷静に。


「どうしましたか、お父様?」


“ラルス? 俺、何かやらかしたか?”


《知るかよ》


“そうかよ、役立たず”


《…私のデータによると、これまでの私のサポートは完璧だ》


「あのな…。昨日、王室からお達しがあってな。陛下が6月に我々の領地を視察されるそうだ」


普通のことだろ? これまでも国王は、そういう名目で何回か遊びに来てただろ? なんで父さんはそんな難しい顔をしてるんだ?


「お前と同い年の第二王女殿下も同席されるそうだ」


王族の護衛が一人増えるだけだろ? そんなに困ることか? 親衛隊がなんとかしてくれるだろ?


「陛下はお前たちを婚約させ、婿養子にするおつもりだ」


お姫様と婚約…うん、異世界ではよくある展開だな…。ん?


「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」


俺は危うく口の中の紅茶を吹き出すところだった。


「な…なんで!?」


「簡単なことだ。お前という文理の天才に政務を手伝ってほしいから、お姫様をお前に与えるのだ」


「過労死の前兆って感じだ…。逃げられるのか?」


「無理だろうな。国王も、お前が受け入れないかもしれないと分かっているから、勅命という形をとった」


「…そうか…。じゃあ、第二王女殿下って、どんな人なんですか?」


「知らないのか?」


父さんは驚いたようだが、俺はほとんど書斎に引きこもっているんだ。知らないのが普通だろ?


「第二王女殿下は、今年15歳でお前と同い年だ。とても美しく、王国一の美少女と呼ばれている」


「えぇぇぇ…そんな人が…俺に嫁いでくるのか?」


「王国一の文理の天才と王国一の美少女…なかなかお似合いだろう?」


「王国一の文理の天才」って、なんだよその胡散臭い二つ名! 俺、教科書二冊出しただけだぞ!


「陛下は政務のかなりの部分を、お前に任せるつもりだろう。…その見返りとして、彼女をお前に嫁がせるのは妥当だ。…それに、これによってライト家と王室の関係がさらに強固になる」父さんは不気味な笑みを浮かべて俺を見た。


“逃げるべきか?”


《タダで得られる利益があるのに、なんで逃げるんだよ?》


“仕事漬けになるのが嫌じゃないのか? 俺、異世界で社畜になる気はないんだけど”


《お前なら、公文書を自動で処理するゴーレムくらい作れるだろ?》


“うぐ…それは…そうだけど…”


「じゃあ、この縁談、第二王女殿下は同意したんですか?」


「もちろんだ。最初は迷っていたようだが、お前の肖像画を見て、結婚を決めたそうだ」


「ってことは…俺、めちゃくちゃイケメン?」


「「当たり前だろう!」」


《馬鹿かお前、そんなの当たり前だろ?》


「えええええええええ!?」両親とラルスの同時ツッコミに、俺はビビってしまった。


「ライト公爵家の血筋は代々、王国一の美男子だ。お前は剣術の才能は受け継がなかったが、容姿は完全に受け継いでいる」


「私が産んだ子が、他の女の子を夢中にさせないわけがないでしょう?」


《お前は水神の魂を宿してるんだから、イケメンじゃないはずがないだろ?》


「えっと…そうなんだ?」


“魂が顔に影響するのか…”


《当たり前だろ? じゃないと、世に言う「人相学」なんてどこから来たんだよ?》


“なんだそりゃ!”


《マジだって。まあ、霊視ができる奴にとっては、直接魂を見るから顔は関係ないんだけどな》


“それはもう顔を見てないだろ!”

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