入学試験
試験会場に入場する者の中で、俺のように貴族の服を身にまとっているのはごく一部で、大部分は裕福な商人の子女、一部の平民、そして少数の神官だった。ディアは王族であるため、王城内で試験を受けている。
この未発達な時代において、教育を受けられるのは結局、金と権力を持つ者たちなのだ。
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「あーあ、ようやく筆記試験が終わったー」
俺は大きく背伸びをし、試験会場からこっそり抜け出した。
誰もいない隅っこを見つけ、そのまま空中へ飛び上がり、太陽の下で四肢を伸ばす。
試験は午前と午後に分かれていた。午前は文系科目と数学、午後は実技試験で、魔法と剣術が課される。
正直、前世が私立高校生だった俺にとって、午前の筆記試験は全く問題にならなかった。
あの問題はまるでボーナス問題だ。満点を取る自信さえある。
ただ、字を書きすぎて手が疲れただけだ。
《午後か…。少し楽しみだな。ようやく体を動かせる》
“やめてくれ、頼むから、事を起こすな”
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「魔力変換率が70%を超える者は右側へ進み、魔法測定を受けてください。70%未満の者は左へ曲がり、剣術測定に進んでください! 魔法測定は加点項目です。自信のない者は参加しなくても構いません!」
午後の試験は、魔力変換率の数値が人それぞれ異なるため、魔法測定は全員参加ではなかった。
俺は水神であるから、当然右へ進む。なんといっても俺の魔転率は—85%だ。
…実はこの世界の魔法使いの基準からするとかなり低い。
宮廷魔法使いの基準である95%よりもずっと低く、世の中には99%に達する天才さえ何人かいる。
ララス曰く、以前受けた傷のせいで、人間界での力が制限されているからだそうだ…。
まあ、俺のほぼ無限の魔力の前では、魔転率はそれほど重要ではないのだが。
魔法測定は二つのパートに分かれている。防御と攻撃魔法だ。
最初に受けたのは防御魔法の測定で、内容は、自分の最も得意な防御魔法でリンゴを守り、試験官が攻撃魔法でその防御を破ろうと試みるというものだ。
氷の盾、土の壁、風の鎧…。様々な魔法が受験生たちのリンゴの周りに現れるが、最終的には試験官によって一つ残らず打ち破られていく。
人数は多くないので、すぐに俺の番になった。
《アル、そのリンゴに神闘武装を施してみようぜ》
俺が結界魔法をリンゴに施そうとした時、ララスが突然口を出した。
“は? 神闘武装? リンゴに施すのか?”
《試したことないだろ? やってみないか?》
“でも、あれは神闘武装だぞ。ちょっとまずいんじゃないか?”
《試験官はお前の一番得意な防御魔法を使えと言ったんだろ? 神闘武装こそ、お前の最も得意な防御魔法だ!》
“うーむ…わかった”
「神闘武装!」
リンゴは瞬時に、完璧にフィットした氷の鎧で包み込まれた。それは堅固で壊すことができず、試験官がどれだけ攻撃魔法を打ち込んでも、防御を突破することはできなかった。
“おい…。これ、世界最強のリンゴだろ?”
《確かにそうだな…》
次は攻撃魔法の測定だ。10メートル離れた場所にある五つの木製の的を魔法で破壊できれば合格となる。
ほとんどの者は火の玉や風の刃といった初級魔法を使っていた。飛ぶのは遅く、威力も小さいが、的を確実に破壊することはできていた。
《俺がやる、俺がやる!》
“頼むから地味にしてくれ。これ以上目立つな!”
《はぁ? わかったよ…。じゃあ、地味に派手にやる!》
“お前という奴は…。ものすごく嫌な予感がするぞ”
俺の番になった時、ララスは氷魔法で的の中の水分を一瞬で凍らせた。そして、極小の空気弾を的に向かって発射した。
高速の空気弾が凍りついた的にぶつかると、的は瞬時に粉砕された。
傍から見れば、俺が手を振っただけで、的が砕けたように見える。
周囲の受験生と試験官は一瞬で静まり返り、粉々に砕けた的、そしてその原因である俺に視線が集中した。
“本当に「地味に派手」だったな…。火花も爆発もなかったのに、皆こっちを見ているぞ…。死ね、ララス”
次は剣術の試験だ。試験官は…父上だった。
「あの…俺、受ける必要ありますか?」
父上は俺の本当の実力を知っているはずだ。
「お前が授業を六年サボったことについて、私は何も言わなかったぞ。私と少し剣を交えることさえ嫌なのか?」
「わ…わかったよ。秒殺されても文句言うなよ。早く家に帰りたいんだ」
俺は模擬戦用の木剣を手に取り、水剣流の標準的な構えを取った。
「始め!」
「地獄火連撃!」
父上は最初から強烈な攻撃で襲いかかり、俺の防御を突破しようと試みた。
だが、父上は知らなかった。俺が使うのは、その「超攻撃型」の火剣流を最も得意とする「カウンターを狙う水剣流」だということを。
「流水御剣」
俺は剣の柄を軽く回し、巧妙に攻撃の力を受け流し、全ての一撃を完璧にいなした。その後、猛然と反撃に転じる。
「瀑布斬!」
俺の手の中の木剣を勢いよく振り下ろし、父上の剣を弾き飛ばした。剣先は父上の目の前で止まる。
「俺の勝ちだ」




