第一話 ツナガル
どうもAKIRAです。
この話はたくさんの人と一生懸命考えてきたものです。
たくさんの人に読んでもらい、たくさん楽しんでもらえたらいいと思います。
これから頑張って書いていくのでよろしくお願いします!
目覚めたらそこは自分の知らない全く別の「セカイ」だった―――――。
無知ほど怖いものはない。怖いことは少なければ少ないほどいい。
だけど俺は何も知ろうとはせず、ただ、ただ逃げていた。知ることも怖かったから。
「・・・―---今年一年もいい年になりそうですね。・・・続いて今日の運勢です。水瓶座は最下位!何をやってもうまくいかない一日になるでしょう。犬にかまれてしまうかもしれません。気をつけましょうね。ラッキーアイテムはヘルメット、ラッキーカラーは・・・」
朝のニュースがやっている。新年のあいさつと、占いをかわいらしい笑みをうかべたニュースキャスターが視聴者にお届けしているのだ。
あぁ今年も始まってしまったのか。いつもはこのニュースキャスターから元気をもらっているが、起きて今年初めて聞いた言葉が、「何をやってもうまくいかない一日」とは、全く嫌な一年になりそうだ。
恋しい布団を体からひきはがしてムクリと起き上がり、寝ぼけながらリビングに向かうと香ばしい香りがした。さすが正月だけある。いつもよりかなり豪華な料理たちが俺を待っていた。もう今日の占いなんて忘れていた。なんていい一日だろう。
「あら、綾斗おはよう。正月で高校休みだからってダラダラしてないで早く支度しなさい。今日冬ちゃんとデートなんでしょー」
「ち、違うって。文化祭の出し物で使う道具探しに行くだけだから。」
「はいはい、とぼけちゃって。さぁさっさと食べなさい。」
「はぁ・・・。母さんは朝から元気だね。ふぁ~あ、ねむ。」
「元気がいちばん!はい!シャキッとして元気元気!」
母さんはいつもかわいらしい。なんというか、近代的だ。父さんが仕事でほとんどいない分、母さんが元気に接してくれた。一緒にキャッチボールもしたりした。俺は元気な母さんが好きだった。
とりあえず言われた通り、早く朝ごはんを食べ、身支度をして出かけることにした。
「冬ちゃんによろしく言っといてねー。あ、この前もらったお土産のお返しに、これ持ってー」
「いいよ。荷物ふえてかえって迷惑だよ。」
「そ、そう?じゃあ気をつけて行ってらっしゃいねー。冬ちゃんに優しくしなきゃだめよー」
母さんの声をハイハイと振り払って、玄関の扉を開けると、まぶしい太陽光が目にとびこんできた。今日は雲ひとつなくあったかくていい天気だ。悪いことなんて何も起こりそうもない。
と、思いきや。冬と待ち合わせするわんわんデパートに行く間に五回足をくじき、三回コケ、社会の窓が空いていたのを近所のおばさんに見られて、しかもいきなり大雪が降ってきた。やはり今日は最悪だ・・・とはぁと一回ため息をついた。
このド田舎に若者が行く場所と言えばゲームセンターや犬と触れ合えるペット売り場があるわんわんデパートしかなかった。このデパートはワイルドドッグといういやらしい笑みを浮かべたマスコットキャラクターの巨大な石像が店の入り口に飾られているのが印象的だった。
「あ、アーヤーちゃーんこっちこっち!」
「その女みたいな呼び方やめろって冬。綾斗なア・ヤ・ト」
「はいはい、なんでもいいから、早く頼まれたの買ってペット売り場に遊びにいこ?ね?アヤちゃん」
「オイオイ遊びに来たわけじゃねぇんだぞ~」
そう、今日俺たちは遊びに来たわけじゃない。うちの学校はなぜか冬休みの後にすぐ文化祭がある。つまり、冬休みにクラスごとで文化祭の準備をしなさいってわけだ。
んで、運悪くじゃんけんに負けた俺と、冬が買い出し係ってわけ。以上綾斗でした。
「なーに独り言いってんの?アヤちゃんおいてくよ~」
「はいはい、ゆっくり行こうぜー。あと綾斗な。」
ポケットから買うもののリストが書いてあるメモを取り出し、雑貨コーナーを回った。
「ほら!買うもの買ったから、早く!ワンちゃんが待ってるよ!」
そう言う冬のほうが犬みたいな目をしてこちらを見つめてくる。どうにも俺はこういうのに弱いらしい。
「はいはい、しょーがねぇなぁ・・・少しだけな。」
「やったー!」
冬は大喜びしてペット売り場に走って行った。きっと冬が犬だったら、今しっぽを振って飛び跳ねてるに違いない。
ゆっくりとペット売り場に行くと冬はもう広場で楽しそうに犬と遊んでいた。
「私ね。今度おじさんにワンちゃん買ってもらうことになったんだ。冬がさみしくないようにって。」
冬は笑っていた。でもどこか悲しそうだった。
「俺はなんで冬がそんな笑っていられるのかわけわかんないよ。」
冬の父親と母親と妹は二年前大型トラックと交通事故で死んだ。原因はトラック側の飲酒運転。家族を失った冬はおじさんとおばさんのいるこの田舎まで越してきたのだ。冬は事件の後学校にも行かず、ずっと、ずっと家で泣いていたらしい。もし俺が冬だったらきっとトラックの運転手を殺してしまおうと思っているかもしれない。
事故の前、冬は父親とケンカをしたらしい。冬は今でもそのことを後悔している。あのとき自分がワガママを言ったから、ばちがあたったって。
冬はすごい。トラックの運転手より自分が悪いと言っている。
このことは学校の中で俺しか知らないことらしい。
できることなら。できることなら、かわってあげたいと思った。
「笑ってないと・・・笑ってないと辛くなるから。ほら、アヤちゃんもそんな怖い顔してないで、ワンちゃんにエサあげてみてよ。かわいいからさ。」
彼女はそう言ったんだ。笑いながら。
「あ、あぁ。・・・ほんとだ。かわいいな。」
・・・冬はすごい――――――。
しばらく犬と遊んでいつの間にか外は暗くなっていた。
「うわ!もうこんな時間じゃん!冬帰るぞ!」
「ホントだ!おじさんに怒られる~」
急いでデパートの出口に走った。ワイルドドッグの前にきた時、ゴゴゴゴという音がして冬の叫び声が聞こえて、それが地震だと分かった時、ワイルドドッグがこちらに倒れてきているのが目に入って・・・それからは、ひたすら真っ暗だった。
なるほど今日は最悪な一日だな。
興味本意で第一話を読んでいただきありがとうございます!
まだ話は始まったばかりです。
応援してくれるひとが1人でもいるとホントにありがたいです!
これから頑張って書いていくのでどうぞよろしく!




