ハッピーエンド
「当時のわたしは、もっとリズと仲良くなりたいと思った。でも王太子教育と騎士の訓練に追われ、全然時間がとれない。そうしているうちにリズの父君は『娘は社交界デビューするまでは婚約者は作らない。不用意に近づかないで欲しい!』と宣言するから……」
そう、私の父親はそうだった。でも父親がそうなったのは、私がまだ幼いのに婚約者が欲しいと言い出したからで……。
「花束さえ贈るのがはばかられた。同時に。リズが社交界デビューを果たすまでの間は、王子様として、みんなを守らないといけない――そう思い、グレーマンの討伐を始めた。これまでは襲撃されれば、追い返すだけだった。でもそれでは遅い。金品を奪われ、家を焼かれ。女子供は連れ去られた後なのだからな」
「ではメレディス王太子殿下が遠征ばかりするようになったのは……」
「リズの言葉がきっかけではあった。でもその後は、わたし自身もそうした方がいいと思えたから動いたまでだ。現にこれでグレーマンの残党はすべて押さえた。頭領も捕えたしな。これからは彼らとは共存だ」
これについては、本当に偉業を成し遂げたと思う。おかげでみんな、平和に暮らしていける。
「つまりわたしとしてはずっとリズ、君のことが好きだったんだよ」
「……!」
「後はリズ次第だ。わたしの気持ちを一方通行で押し付けたくはない。でも少しでも可能性があるなら、このまま婚約者として時間を過ごし、その時がきたら、式を挙げたいと思う。どうだろう?」
そこまで真剣に、私のことを考えてくれていたなんて。
ことごとく失敗した第二王子の婚約者にならないための回避策。でもフロイドが私の専属バトラーになってくれたおかげで、すべてが好転した。まさかメレディス王太子の婚約者になり、断罪回避できるなんて。しかもメレディス王太子とは政略結婚ではなく、実は恋愛結婚になるとは思っていなかった……!
そう。
私だってこの三年間。メレディス王太子のことを考え、厳しい王太子妃教育を乗り越えてきた。三年前のあの日、あまりにも別れ際が呆気なくて、これでは終われないと思った。何より、彼の無理強いしない姿勢に「あ、この人とならやっていける」と思えたのだ。
「メレディス王太子殿下。ありがとうございます。私も殿下のこと、大好きになりました。もう遠征は終り、これからは一緒にいられる時間が増えますよね? その中でお互いの気持ちを深めていけたら嬉しいです」
「そう言ってもらえてわたしも嬉しいよ。……リズ、これから一生、大切にする」
すっと手を伸ばし、私の手を取ると、メレディス王太子はその甲に優しくキスをした。
~ fin. ~
明けましておめでとうございます。
最後までお読みいただき、ありがとうございました~
皆様にとって幸ある一年になりますように☆彡
ページ下部にいろいろ作品のバナーを並べています。
ぜひ今年もお楽しみいただけると幸いです!!


















