6.スパイ
「ベルナルド様大変です。」
一人の部下が幹部室に入ってきた。
「どうした。何があったんだ。」
「それが・・・創作スキル持ちが現れたのです。」
「なんだと・・・。詳しく教えてくれ。」
「はい。この街、ガスパロから遠く離れた、ガルマリー二という街に創作スキル持ちが誕生したとのこと。」
「そうか・・・。それはなんとかしないといけないな。」
内心ベルナルドは動揺していた。あの創作スキル持ちがついに現れてしまったのだから。街を歩く人殆どはその強さを知らないが私はあの強さを知っている。ステータスがいじれるなんてチートすぎる。
え?関係ないやつなのになんでお前らが目をつけなきゃいけないかって?それは我々が所属している協会、ミハエル協会の長が創作スキルを欲しがっているからだ。長は相手を倒すとと相手のスキルを奪う能力を持っている。だから長は創作スキルを奪って最強になりミハエル協会を誰もが知っている協会にするつもりだろう。だが創作スキルはステータスをいじれる。要するにステータス無限と左程変わらないのだ。我々では到底か合わないということだ。
「ベルナルド様。創作スキル持ちについての情報が入ってきています。」
「ほお。それは気になるな。言ってみろ。」
「はい。一言でいうと戦闘狂とのことです。毎日夜になると盗賊を襲い腕試しをしているのだとか。」
「それはまずいな。相手がおとなしかったならまだ良かったが、戦闘狂となると話は別だ。我々を倒しに来るかもしれない。よし、そいつのところにスパイを送れ。もし我々を倒しに来たら、知らせるように伝えておけ。」
「はっ、承知致しました。」
「おーい。アンナ、いるか。」
「はい。おはようございます、グレン様。」
「ほんとにすごいなお前は。全部一人でやってくれるから、すごいたすかるよ。」
「いえ、当たり前のことをしているだけです。」
最近、アンナは家事など何でも一人でこなしているので、隠れ家のことは任せておいた。だから、俺はいつも安心して時間内に家に返ってくることができていた。やはりアンナには感謝しかないな。
「グレン様、一つよろしいでしょうか。」
「なんだ。」
「今日ここに仲間を連れてきたいのですが。」
「いいだろう。そいつらは俺が見極めてやろう。」
「ありがとうございます。グレン様。」
まさか、仲間を連れてくるとは思っていなかった。
本当にハンナは仲間を連れてきた。仕事ができる女だ。俺は感心した。
「見たところ、7人でいいか?」
「はい。」
なにか違和感がある。なんなんだろうこれは。
≪おそらくこの中に一人スパイがいるかと思われます≫
「は?」